『マニアック』
“MANIAC” (2012・フランス=アメリカ・1h29)
監督 : フランク・カルフン
出演 : イライジャ・ウッド、ノラ・アルネゼデール
祖父の代から続くマネキン修理業を営む男。男の中には殺人鬼という別の人格が潜んでいた。
POV(主観映像)ホラーという事は観る前にチラッと情報が入ってなんとなく知っていた。これまでのPOV作品『ブレアウィッチ・プロジェクト』や『クローバーフィールド』などと違うのは、それらの作品が登場人物によって撮影された映像のみを使用していたのに対して本作の場合は全編が主人公の視点によって描かれる。
なので主人公のイライジャ・ウッドの姿は鏡などを通してでしか現れない。
途中で主人公の視点から外れたように思える所もあれは人格が分離したという事なのだろう。
主人公の人格の分離についてはあまり多くは語られない。それはイライジャ・ウッドがそういう事になってしまうとどうしても『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムと重なってしまうからで、その点を製作者側が配慮したのでは。と勝手に想像してみる。
全編に渡る主人公視点の映画というのは面白いようでいてそんなに面白くはなかった。どうしても話し的にも映像的にも制限されてしまう。
視点のみで描かれる格闘シーンは面白かった。
視点映像だけの撮影の時もイライジャ・ウッドは現場にいたんだろうか。