『飛びだす悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』を観る前に『悪魔のいけにえ』を観た事が無かったので観てみた。
『悪魔のいけにえ』
“THE TEXAS CHAIN SAW MASSACRE” (1974・アメリカ・1h24)
製作・監督・脚本・音楽 : トビー・フーパー
出演 : マリリン・バーンズ、ポール・A・バーテイン、アレン・ダンジガー、ウィリアム・ヴェイル、テリー・マクミン、ガンナー・ハンセン、エド・ニール、ジム・シードウ
1973年、テキサス。殺人鬼のテリトリーに迂闊に入り込んでしまった5人の若者の運命は。
今観ても不気味で恐ろしいが、何よりも1974年にこの映画を作ったという事が伝説なのだろうと思う。
’70年代において侵さざるべからずなタブーは現代よりも遥かに多く存在していたはずで、惨殺行為を映画という一大メディアを通して公の下に晒すという事に対する批判や中傷などは恐らくは相当なものだったのではないかと想像できる。
そのタブーを破るという事について後々のホラー映画だけではなく全ての映画に影響を及ぼした映画の一本と言えるのではないだろうか。
レザーフェイスの弟(?)の人がジェームズ・フランコに似ていた。
『悪魔のいけにえ2』
“THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE PART 2” (1986・アメリカ・1h35)
共同製作・監督・音楽 : トビー・フーパー
出演 : デニス・ホッパー、キャロライン・ウィリアムズ、ビル・ジョンソン、ビル・モーズリイ
若者たちが惨殺された事件から14年間独自の捜査を続けていた犠牲者の親族の1人が犯人の手掛かりを掴んだ女性DJと共に犯人の隠れ家に忍び込む。
伝説のホラー映画の続編はなんとホラーアクションコメディとなっていた!そっちの方に行ってしまったのも分からないでもない。前作にもコメディ要素は有ったわけだし。
前作でタブーを破って12年間。恐らくその間に映画表現としての粗方のタブーは破られつくしてしまったのではないだろうか。
そうなると残されたのは前作のパロディ的なものしかなかったのでは。
レザーフェイスがチェーンソーを構える時にブルブル身震いするのが面白い。
前作でレザーフェイスの弟だと思っていた人は兄だった。で、父親だと思っていた人が長兄で。つまりレザーフェイスは三男坊。
次兄を演じている人は前作とは違う人らしい。
『悪魔のいけにえ3/レザーフェイス逆襲』
“LEATHERFACE: THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE Ⅲ” (1989・アメリカ・1h27)
監督 : ジェフ・バー
出演 : ケイト・ホッジ、ウィリアム・バトラー、ケン・フォリー、R・A・ミハイロフ、ヴィゴ・モーテンセン
1973年テキサスで起きた殺人事件の犯人レザーフェイスは捕まったとされているがまたしてもテキサスではフロリダへと向かうカップルが道中で得体のしれない者たちに襲われるのだった。
2作目がコメディ色強めになってしまったのに対して反省したのか本作は伝説の1作目に回帰しようとした感じだけど、あくまで2作目も踏まえつつ、そしてそこに’90年代的なノリも合わさった結果回帰できなかった印象を受けた。
ただ、ホラー映画としてはそんなに悪くはないと思う。
レザーフェイスの身震いが無かった。
ヴィゴ・モーテンセンが殺人鬼一家の一員として出演。
前2作とは殺人鬼一家の家族構成が変わっているのは別の殺人鬼一家という事のよう。だから最後にヒロインは「テキサスには殺人鬼がいっぱいいるわ」みたいな事を言ったのだろう。
シリーズ4作目『悪魔のいけにえ レジェンド・オブ・レザーフェイス』も原点回帰を志しそれが成功している。とallcinema評には有ったけど現在日本ではDVD化されておらず観られなかった。
マシュー・マコナヘイとレニー・ゼルウィガーの若かりし頃が見られる作品なので是非観てみたい。
『悪魔のいけにえ』は2003年にマイケル・ベイ製作によって『テキサス・チェーンソー』としてリメイクされ、その後『テキサス・チェーンソー・ビギニング』も製作された。
『テキサス・チェーンソー』は映画館で観たけど若気の至りで不謹慎でけしからん映画だと憤慨し途中で退出してしまった作品。『悪魔のいけにえ』の公開当時の多くの世間評も似たような感じだったのかも。
今なら『テキサス・チェーンソー』も最後までちゃんと観れる。多分。