寓話の部屋

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第062話 マイ・ビッグ・ファット・ ウェディング

2021-09-15 09:42:11 | 召喚大統領が異世界を逝く!

第六十二話 

色んな意味で衝撃的な結婚宣言に世界は戦慄した。
コーライの南北統一などという夢物語が仮にも実現したという政治的なビッグインパクトに利害関係のある国は、騒然とし、情報収集に動いた。

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「どういうことなの?北コーライが軟化?合邦?WTF?」
常に冷静さを装うことを忘れないツイステ合州国大統領フラリー・クリトリンは、珍しく汚い4文字言葉まで使って驚きを表現した。

オコメ国務長官を始めとする高官達も口々に
「やりやがったッ!」
「マジかよあの野郎」
「やりやがったッ!!」
「ムーン・ジェガンすげえッ!!」

まるでキムボール・ジョンソン相手にウコチャヌプコロをキめたかのような賞賛をするものまでいた。
興奮が収まると、誰かが言った。

「で、結局のところ、戦略級極大魔法の問題はどうなったので?」
「さあ…。まだ詳細は不明だが、ムーンとジョンソンがどちらが主導権を握るのか…。ムーンが主なら、おそらくツイステ従属路線は継続されるであろうから、解体の方向に行くと思うが。」
「まあ、ムーン大統領がこの問題に身命を賭けて取り組むと言った宣言は有言実行はされたわけです…。」
「それにしても対ダイシン帝國戦略の組み直しは迫られますな。北コーライを武力で抜く必要がなくなります。」
「航空兵力の戦力化にも、もう少し時間が欲しいところです。」

しばし瞑目したフラリーは、決断した。
「ナジア(なろうアジアw)方面への外遊日程を組みなさい!幸い、ツイステ純製の大統領専用機が完成したという報告も聞いています。スケジュールを捻出するのも今や無理ではないでしょう!。」

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ジャアアアーーン。大きな銅鑼が鳴らされると、御簾がしずしずと上げられ、玉座に座った皇帝陛下が、開口する。
「ダイシン帝國皇帝、マオ・タイラ・カーイー(ねこかわいい)でアル!。北コーライの豚が乱心したと聞いたが。」
直球でアルw

宰相が言う。
「はい、南進開始などという方向での乱心ならまだ理解可能であったのですが、まさか無血開城にも等しい停戦・合併などというのは理解の範疇を超えておりますです。親ダイシン帝國派の軍人や”義勇軍”を動員してクーデター・懲罰戦争も辞さない構えです。」

柳眉を顰めたマオが言う。
「それにしてもキムボール・ジョンソンというのは、そこまでイかれた豚であったのか…。朕はまだ実際に会ったことが無かったが…。きやつらには一応、戦略級極大魔法という待ち伏せ攻撃では、彼我の戦力差をひっくり返す隠し球もアル。事を起こす前に、本人に釈明をさせることは可能でアルか?」

「おそらくは、来るとは思いますが…。」

「では”ちょっとこい”と伝えるアル!」

「ハハッ!」

「次の議題でありますが…。蝗害が猛威を振るっており、食料生産に甚大な被害を生じております…。一部の学者に雀のような天敵がいなくなったせいだと言うものも…。」

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プーヤンにまだ滞在し、合邦の実務的な問題について検討するムーン達一行。
ぶっちゃけ、ムーンの胸中には祖国統一という概念だけが先行していて、実務は部下にぶん投げていた。
実情は、わりとお飾りに近いキムボール・ジョンソンの方も手持ち無沙汰になりがちで、ふたりは雑談にふけっていた。

「いやいや、サプライズ発表は大成功だったニダね。」

「停戦までは既定路線として公表していたのねん。だけど合邦までは反対派も多いことが容易に予想されたので、奇襲的に進める必要があったのねん。」
ジョンソンを担ぐ派閥にすら、南との合邦は不安視する層が少なくない。
というのも、コーライ民族の未来を純粋に案ずる国士には、夜郎自大先生が絶大な効果を発揮するのだが、そんな愛国心や殊勝な心持ちなど皆無な政権中枢の我利我利亡者相手には、夜郎自大先生のチート能力も無力だったのだ。ゼロにいくら乗数をかけてもゼロである。
それだけ北コーライの権力者は腐敗していた。
「これから、ダイシン帝國に事大する派閥や、頑迷な老人共を粛正するお仕事が待っているのねん。この件ではダイシン帝國が黙っているわけがないのねん。」

「ケンチャナヨ!ウリも反動勢力をあの手この手で粛正することにかけては一家言持っているニダwww。いくらでもアドバイスするニダよ!」

「アニキ…。」

「それより、ロイヤルウェディングが楽しみニダねえwww。国を挙げての盛大な行事にするニダよ!両国融和の象徴となるニダ!いつごろ、どこで、どんなイベントを企画するのがよいニダかねえwww」

マルペ君が口を挟む。
「そういえば、王女様が気分が悪いと言って、席を外していますけど勝手に話を進めていいんですか?」

「結婚問題は本人は気にしていない振りをしていても気が気でなかったのはウリには全部わかっていたニダ。そこに降って沸いたようなこんな望外な良縁を得られて照れているニダよw。コチジャン国王陛下も喜んでいたニダ!」

「そうなのねん!」
と喜色を露わにするジョンソン。

「最近は、ジョンソンもかなりイイ感じに引き締まってきたニダが、式に向けて、もっともっとダイエットに励むニダよwww。恰幅が良い方が富貴を表すなんて言うのは中世的な価値観ニダ!」

「まいったのねんw。これからは、どんぶり飯は一杯だけにするのねん!」

周囲の混乱を他所に、暢気な二人と一匹であった。



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