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第118話 太陽の帝國

2022-02-08 09:31:08 | 召喚大統領が異世界を逝く!

第百十八話 

北コーライで戦略級大規模魔法が使用された事実が世界を駆け巡ると様々な反応が巻き起こった。

ワシントウD.C.のホワイトライハウスに戻り、首脳達と対策を練っていたフラリー・クリトリン大統領は、

「あのクソムーン!!北コーライの戦略級大規模魔法は廃棄したと言ってたじゃないの!ウソつきやがって…。」
実のところ、ムーン自身も温存されていたことを知らなかったので、ムーンがウソをついていたというのは濡れ衣ではあったw。

「しかし、そのおかげでダイシン帝國の侵攻軍第一波が消失し、時間が稼げたのは怪我の功名です!」
「戦略級大規模魔法が使用された土地では、充魔槽で駆動される兵器か我が軍のガスタービン式の非魔力依存型のM1戦車のようなものしか使用不可能になります。また我が軍の在コーライ基地から爆心地付近に偵察機を飛ばしたのですが、魔力爆発の余波で熱に変換し切れなかった空間魔力の擾乱が原因と思われる魔導機器の不調により危うく墜落しかかったとか(まー、異世界の核兵器によるEMPの魔法版みたいなものか)。ジェット燃料で動く航空機といえど、制御系には多くの魔導機器が使用されているので、しばらくは爆心地付近の低空領域では航空機も飛べないようなのです。これは、一番最近の戦略級大規模魔法実験が行われたころには、航空機が存在しなかったので気がつかなかった事実です…。」
「となるとM1戦車といえど、燃料噴射系に魔導制御を用いている以上、不調が起こる可能性があるな!」
「充魔槽で魔力を供給する形式の兵器でも同じ問題があるだろう。各種兵器の制御魔法陣に完全なシールド対策をする必要があります。」

と次々に報告する軍・諜報部門の高官達。
問題はあるが、建設的な意見に、少し気を良くしたフラリーであった。
「オーケー!技術的問題点は全力で、金に糸目を付けずに解決してちょうだい!それより政治的な問題よ!」

オコメ国務長官が言う。
「でもって、コーライへの安保条約発動の是非なのですが、まさか相手が国聯軍などというのは想定外で、どうしたものか…。」

「ケッ、国聯軍なんて言っても実態はダイシン帝國軍そのものよ!」
とやさぐれるフラリー。

「そんなことは誰もがわかっていますが、建前というものがあります。またモトヒノが、非協力的なのもナジア方面の我が軍の展開上、悩みの種で…。今回の仲裁で、モトヒノに譲歩というか自制を要求し過ぎましたね…。せめてもう少しモトヒノに反撃させてガス抜きさせてから仲裁に入るべきでした。」

「そんなことを言ってもアフターカーニバルよッ!なにか良い方法を考えなさい!」
と八つ当たりを始めたフラリー。
ガンバレ、ホワイトライハウスの高官達。このときのためにキミたちは高禄を食んでいるのだw。

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大急ぎで赤瓦台に帰宅したムーン。
戦略級大規模魔法をもって、ダイシン帝國軍を撃退したという報告を受けて頭を抱えていた。
「アレは放棄したと、みんなに言ってしまったニダよ!」

「アレを捨てるなんてとんでもないのねん!実際、アレがなかったら今頃プーヤンはおろかウルソも火の海になっていたのねん。」
と言い訳をするキムボール・ジョンソン将軍。
「持てる戦力のほとんどをモトヒノ方面に持って行ってしまった以上、アレしか方法はなかったのねん!。だからモトヒノに戦争なんて無茶だと言ったのねん…。」

「とにかく、モトヒノに遣っていた軍の主力を大急ぎで呼び戻すニダ!」

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モトヒノの首相官邸に戻ったマリア・アベ。シチュエーションルームに集った閣僚、軍高官を相手に不毛な会議を再開した。

「当然と言えば当然ですが、コーライ軍がファッカタから撤退を始めました。未練がましくシマツ島防備の軍は残しているようですが、集結の済んだ我がモトヒノ軍の力を持ってすれば撤退中のコーライ軍に痛撃を加え、シマツ奪還も可能です。是非ともご下命を!」
と、やりどころのない戦意がフットーしそうだよぉ!と言わんばかりの軍人達。

「しかし、自国土で禁断の戦略級大規模魔法を使用するようなキ○ガイ国家…。深追いすればこちらもどんな巻き添えを食うか…。シマツ奪還作戦だけでまずは我慢すべきでしょう!」
とやや腰の引けた背広組。

「みなの気持ちはよーくわかります…。しかし、相変わらずツイステからは、悪いようにはしないから、自重しろと大統領から直々に釘を刺されるシマツ…。もういやっ!コーライなんか攻め滅ぼしたい。ていうか、そもそもご先祖様があんな不浄の地を合邦したのが間違いだったのよッ!」
またもや錯乱の傾向が見えたマリアを側近が退場させ、席に変わりの熊のぬいぐるみを置いた。

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ダイシン帝國は、東部管区の陸上部隊がまるっと消えたのも痛痒に感じず、すぐさま他方面軍から戦力を抽出し、再侵攻の大部隊を編成し始めていた。
戦略級大規模魔法使用後の魔力擾乱が収まれば、すぐにでも再侵攻を始める予定でアル。
兵器は自国の軍から供出させたものの、それを運用する兵士の多くを、ダイシン帝國の兵器体系を採用している衛星国から呼び寄せた。同じ系列の兵器を使用しているのでさほど問題なく戦力化が可能であろう。
これは、もちろん国聯多国籍軍という体裁を整えるためという意味もあったがその真意は、万が一、コーライが戦略級大規模魔法を再度使用した場合、自国軍人の人的被害を最小化するという目的もあったw。
ダイシン帝國の兵士はいくらでも畑で取れるとは言っても、それはあくまでその辺の農民に小銃を持たせて突っ込ませるようなレベルの兵隊であって、ダイシン帝國の工業力からすれば兵器はいくらでも作れても最新式の兵器を運用できる戦車兵や砲兵は、簡単には養成できないのだ。



3 コメント

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Unknown (新宿会計士)
2022-02-08 09:58:13
>そんなことを言ってもアフターカーニバルよッ!なにか良い方法を考えなさい!

アフターカーニバルww

>ダイシン帝國の兵士はいくらでも畑で取れるとは言っても、

遊びすぎニダww
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Unknown (Unknown)
2022-02-08 12:38:53
ww先に書かれてしまった。
畑で採れた兵士は無能な身方。
ダイシンよ苦しめられるがよい。
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Unknown (Unknown)
2022-02-09 08:36:25
さすがの、アベ・マリア様ですね。
「ご先祖様があんな不浄の地を合邦したのが間違い」は、今のヒノモト国でも、国民(特定市民は除く)の総意といえるでしょう。
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