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天と地の間

クライミングに関する記録です。

丸木谷遡行

2016年08月29日 | 
8月上旬、石並川ゴルジュを遡行した後、支流の丸木谷のほうが面白いんじゃなかろうかと、今回27日丸木谷遡行を決めた。

メンバーは熊本から上のさん、有きちちゃん、かわこう君、大分からは私一人。
4時に起きて6時に集合場所の石並川キャンプ場着。前夜入りの皆さんはすでに準備を終えていたので急いで着替えて、2台で入渓地点へ向かう。


入渓地点に架かるいのとばし

こういう字を書く

7時、入渓。
このところの日照りの影響でやはり水温は高い。水は綺麗だ。
ルート図の案内通り、小さな滝が次から次へと現れる。そして、石並川までは行かないまでも泳ぎは多い。


すぐに泳ぎが始まる。




2条の滝の右を登る。


石並川の名の由来の柱状節理。
脆いため、滝の手前の側壁は巻きに注意が要る。


傾斜は緩いがえてしてこういうところが危ない。


立った滝は概ね順層のため手がかりは多い。


直登する後続。落ちても下は釜。

滝はどれもさして難しくはない。
とはいえ、1箇所だけ3mの悪い滝があった。フェルトでは滑り、何度も弾き返されたために、アプローチシューズに履き替えようかと思ったほどである。ここは先に登った有きちちゃんのお助けスリングを借りて楽して越えた。
登れない長い滝は3つほどあっただろうか。


スタンスを探すのに苦労したところ。


同じくかわこう君。

一つ目は右に巻き、二つ目は左、最後は右に巻いたように記憶する。
巻くのは容易だが、柱状節理という岩質さながら、浮石が多いため注意が必要だ。




最も楽しめてた滝。


最後のほうで現れた15mほどの滝が一番楽しめたと言える。流れのやや右側を直登し、抜け口直下にナッツをかませて落ち口を左へとすり抜ける。この箇所が悪いが前半が階段登りに近いためにピリッとしたものを与えてくれた。

今回の丸木谷、石並川の支流であるが次から次へと現れる滝が飽きさせなかった。水質も良い。
良い沢だった。


タイム
入渓:7時
終了点:10時50分
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祝子川ゴルジュ遡行

2016年08月15日 | 
こうも暑ければ沢が良い。
13日(土曜日)祝子川に入ろうと二人に声を掛けた。一人は熊本の有吉さん、もう一人はつつみ君。有吉さんは前夜入り。我々は近いために当日入りとした。
登山口に着くと、やはりこの時期、登山者が多い。かろうじて駐車スペースを確保し、有吉さんと合流して三里河原方面へと進む。およそ1時間で喜平越え分岐点に着く。ここで沢へと下る。
予想した通り、水量は少ない。それでも水温はしっかり冷たい。






今日、共にする二人。

主要な箇所は覚えているが何度見てもここの景観は飽きない。
やはり、花崗岩だ。マルチ、クラック、ボルダー、沢、何をやるにも花崗岩が一番い。


自然の造形美。表現のしようがない。

遡行開始30分、越えることが不可能な滝に到着。ここは左の壁からブッシュ帯へと上がり、大きく回り込んで懸垂したのを覚えている。
滝の30m程手前のスラブにボルトが3本打たれている。あまりに腐食が激しく信用ならないがタイオフすればA0には十分使える。


ここは素直に左に巻く。

一本目のハーケンの箇所までの1手が悪いため、スカイフックを使って延び上がる。
遠いカチを取ると後は問題ない。

遡行開始1時間半、最大の山場に到着。ここのゴルジュは誰しも写真を見ただけでも記憶に残るだろう特徴的なところだ。
進めば進むほど幅は狭まる。今日は水量が少ないから良いが水量が多ければブリッジを余儀なくされる。


見るからに水量が多ければ難しい箇所。



ステミングで進む私。

後からくる二人、なんの躊躇いもなく、スタスタと上がってくる。




ここでは落ちられない。頭が水没した状態で挟まれでもしたら、、、


ブリッヂで進む私と有吉さん。


この先にもう一つの核心がある。

ルーフの中の小滝は右に行くか左に行くか迷うところだ。どちらからでも行けるが、有吉、滝をフリーで直登した。身のこなしが良い。流石だ。
しばらく進むと、水路を思わせるような特徴的な箇所が現れた。ここもまた、忘れ得ぬ景観。前回は体が冷えていたために上部を歩んだが、今日は泳いでいこう。
ここを泳ぐと、終了点の吐野はすぐそこだ。


最後の泳ぎを楽しむつつみ君。

タイム
大分→登山口:1時間
登山口→喜平越え分岐:1時間
入渓→吐野:2時間


コメント (4)
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石並川ゴルジュ遡行

2016年08月08日 | 
昨年、由布川の完全遡行を終えて、来年は石並川でもやろうと上野さんと確認しあっていた。
そして、梅雨が終わりに近づく頃、日を決めた。天気が安定し、水量も減り、水温も高くなるであ
ろう8月6日(土曜日)である。
今回のメンバーは、上野さん、安さん、川嶋くんと私の4人。私以外は熊本のため、前夜入り。私だ
けは2時間程度で集合場所までいけるだろうことを踏んで、当日に行くことにした。
4時起床。途中、コンビニに寄ったりしていたら、集合場所の石並川キャンプ場に着いたのが6時40
分。ここで着替え、腹ごしらえをして入渓場所へと出発。
終了点にクルマを置いて引き返したりしたために入渓に地点に着いたのが8時過ぎとなった。普通な
ら遅いが今日は泳ぎが主体。水温が考えたらこれぐらいの方がかえっていいだろう。


入渓地点にて。新旧の橋が架かっているためにわかりやすい。

入渓8時23分。
水温が意外に高くほっとする。石並川といえば泳ぐ距離の長いことで有名だ。グレードも高い。はた
して冷えに耐えられるだろうかとそれだけを懸念してきたがこれならば何とか持ち堪えられそうだ。
今日の装備は9mm30mロープ1本、ハーケン2本、ナッツ半セット、へクス1個、スカイフック。
あと、ライフジャケット。足元は泳ぎ主体を考えて、今日もまたアプローチシューズとした。
岩質と高低差を考えるとコケがかなりあるのが想定できる。当然、フェルトを選択するべきだろうが
足首の自由さを考えてあえてアプローチシューズとした。良いフェルトの靴を持っていないというの
もあるが。


流れはさほど早くはない。


コケは多いが水質は悪くはない。

狙い通り、泳ぐのは快適だ。だが水深が腰より下になると、よく滑る。バランスを崩すために下半身
の消耗が激しい。

のっけから泳ぎが始まる。50mほど泳いだところで、この調子でいくと体力の温存を考えて、側壁の
を引き付けながらの泳法に変える。蹴れる岩があれば蹴って推進力を得る。水流が激しくないために
歩きよりもはかどる。


最初のかま。落ちても大丈夫とは思うが。


かまを回り込む川嶋君。

入渓してから2時間たったころ、最初の核心が現れた。ここは釜の右を登り、難なくクリア。その後、
30分ほどして現れた今回最大の核心は、遠目に下部がえぐれて難しそうに見えるが上野さんが左壁沿
いに泳いで滝の左からすんなりと上った。
クライミングの第一線を退いたといえども、ルートファインディングの確かな目は健在だ。もちろん登
りも。


最後の滝

橋を越え、入渓して5時間。今日一番大きな滝が現れる。ここは右寄りが階段状のなっていてさほど
難しくはない。
13時56分、車を置いた地点に到着。7,8時間はかかるかと思っていただけに以外に早かった。このと
ころの天気と水温で条件が良かったのだろう。
石並川は泳ぎが多い事が有名で覚悟はしていた。たしかに最後の最後まで泳がされたが、その分、ク
ライミングの要素が少なく、不完全燃焼の感は否めない。

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由布川遡行 完結

2015年10月25日 | 
10月上旬に由布川の計画を立てたが、急に気温が下がり、低体温症になるかもなあと、前日に取り止めた。
もう今年はチャンスがないだろうと思っていた矢先、再び暖かくなった。といっても10月下旬だ。水に入れば寒かろう。
しかし、今行かなければ来年はパートナーのウエノさんはおそらく時間が取れないだろう。私もどうなるかわからない。
そう考えると、今年最後のチャンスに賭けたい。
問題は寒さ対策。ウエットスーツを買おうかかと調べたら、安いもので防水仕様が3万、普通のもので1万。1回こっきり
にこの出費はもったいない。やむなく、借りたトライアスロン用のスーツで行くことに決めた。だが十箇所以上穴が空
いて保温性は期待できない。転んだ折にショック吸収には役に立つかといったところだ。
他に保温の足しにでもなればと防水スタッフバックにホッカイロを入れて対応することにした。もっとも空気が入らな
ければ酸化が起きない。登攀直前に閉めれば短時間であればなんとか持つだろうとの希望的観測である。

10月24日土曜日
少しでも気温が上がるのを期待して、10時過ぎにに入渓地点の椿の駐車場で落ち合う。流石にこの時期とあると訪れる
人はまばらだ。用意しているときに来た車は3台程度。


椿の駐車場からの階段。もうここから上りたくはない。

11時、いよいよ入渓。足を入れた時点で前回よりも冷たいのを感じる。このまま入渓が入水になるのではと若干不安に
なる。
不安要素はもう一つある。入渓してすぐに見える滝から落ちる水量が多い。前回の倍ほどだ。このところの天気で水か
さが減っているのを期待していたのだが「めくらの滝」の水量が心配だ。この時期は当然、田圃は保水していない。こ
れによる増水かもしれない。
これまで寒さと瀑水にはばまれ、断念したのは3度。さすがに今回は方法を変えることにした。ここまで来た以上、引
き返しは無い。


まだここは明るい。


すでに冷え始めている私。

10分程遡行してたら、蝮に出くわした。後50cmというところ。危うく踏みつけるところであった。カエルを狙っている
のだろうか。そういえばここでは雨蛙をよく見る。気をつけねば。
最初の小滝はフィックスロープが張られている。初めてきた時はフィックスはなく、結構厳しかった箇所だった。誰が
張ったのか無ければ初めてくる人は楽しめるのにと思うが、体力の温存を考えて躊躇なく使う。
入渓から30分。めくらの滝前の最後の陸地に到着。
ここで腹ごしらえ。その後、装備をすべて装着。最後に例のホッカイロを取り出し背中に入れてもらう。
今日の作戦はこうだ。滝の正面突破は止めて、左のクラックを使い、途中からトラバースして滝に向かうというもの。
最も辛いのはビレイヤー。足も届かない場所でのビレイは体温低下をまねき、危ない。そこで先にトップが5m程度登っ
た時点で来てもらい、体を水面から引き上げてビレイの態勢に入ろうと打ち合わせた。しかし、待機場所ではトップが
どれだけ登ったかはセカンドは見えない。そこで10分後にビレイ点に到着とした。

幅2から3m程度の曲がりくねったゴルジュに入る。泳ぐ距離は30mほど。首まで浸かると流石に寒い。ホッカイロはや
はり発熱はしていないようだ。早く瀬のあったところまで行きたい。覚えのある箇所まで来て足で探すがなかなか届か
ない。やっと届いて立った場所は胸元近く。やはり水量は増している。
滝のある方をのぞくと爆音を立てて落ちている。夏の渇水期よりも多い。予定通りのやり方で攻めることにする。
最初に私がトップで登ることにする。滝からややそれているといっても、流れが強くクラックがある箇所に来るまでに
喘ぐ。2個目のカムを噛ませて体を水中から引き上げるでけでも手こずる。早く水中から脱したいという焦りが加わる。


滝を避けてはいるが、瀑風と水しぶきで寒い。

10分程経った頃、打ち合わせ通りセカンドが来た。だが、まだビレイするには低すぎる。しばらく水中でビレイをお
願いする。
やっとトラバースの態勢に入った頃、水中から上がってきてもらう。
ウエノさんは冬壁の中の風雪も闘争心に変えてきた百戦錬磨の人だが、この人をもってしても堪えたようだ。水の中
の寒さは異質だ。ここで長時間水中に入っていると闘争心を萎えさせてしまう。一日に1度の立て直しはあっても2度
目はない。


落ち口はとても突っ込めない噴出しだった。

滝の方へ向かっているリスにハーケンを打ち込むと悪いことにリスは上向きだ。ハーケンにアブミをかけ、だましだ
まし体重をかけたらやはり抜けた。振られながらのフォール。3mほど落ちた。幸いトラバース直前に打ったハーケン
が効いた。ゴボウで上り返し再びハーケンを打つ。いつ抜けるか分からない恐怖におびえながら体重を移して立ちこ
んだ瞬間、またもフォール。支点が抜けてのフォールは気持ちのいいものではない。
またも登り返し、少しでもましなところをと、身体を伸ばして無理な体勢でハーケンを打つ。今度は効いた。だが、
それも何とか体重を乗せられるレベルだ。その支点に体重を預け、滝の落ち口を覗き込むと、水量が多く突破は無理
そうだ。無理して抜き差しならぬ状況になるのは避けなければならない。時間もない。そう判断し、昔の落ち口だろ
うジョウロ状の箇所を使って抜けることに決めた。
だが、ここも悪い。傾斜は強く最後の抜け口がわるそうだ。もうフォールすることは出来ない。慎重に乗っこし、滝
の上に立った時はこれでやっと終わったという感慨で、久しぶりにこぶしが上った。
セカンドが上って来た時が4時40分。これから椿の大橋までまだある。暗くなるまでに上らなければ。ぎりぎりの時
間だ。


すでに暗い。気温も落ちてきた。

由布川遡行はクライミングの要素が強い沢であった。そして流れに逆らう泳力も必要とした。
岩質の悪さは他に類を見ない。凝灰岩というより、成りかけの岩だ。侵食しやすいだけにホールドは乏しく、かつ、
滑りやすい。
ボルトは墜落を止めてはくれない。実際、昔打たれたボルトをつまんで引くといとも簡単にすっぽ抜ける。既存のハ
ーケンはほとんどぐらついている。頼みのカムは0.75以下は用をなさない。
由布川完全遡行の記録は37年前のものが唯一ひとつ。我々はこれを参考にしたが、滝の形状はかなり違っていた。お
そらくは、滝自体が37年前とかなり違ったと思われる。他の沢では考えにくいが、ここ由布川ではありえることであ
る。記録を違ってることで、かえって先が分からず面白みを感じた。
すさまじい勢いで落ちる滝の水圧と脆い岩。その攻略に苦労しただけに今回の完全遡行は感慨もひとしおである。

最後に、われわれは、すべての支点を撤去した。撤去だけは容易でだった。
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加納谷遡行

2015年08月09日 | 

8月8日土曜日、由布川から上った後、4時過ぎ、白きりさんと一路上鹿川の庵へと向かう。高速は大分から北方まで延びて快適である。
およそ3時間で庵に到着。オーナー、サブオーナーはすでに出来上がっている。しばらく近況を語らいながら明日のメンバーを待って
いると10時頃、3人が到着。ゼルプスさん以外の二人、川嶋君、有りきち君は初対面。二人とも若い。話してみるとやる気が伝わって
くる。先が楽しみだ。
翌朝、5時過ぎに他の人の動きに目が覚める。作っていただいた朝食をいただいて6時過ぎに庵を後にする。
西の内川をつめ、加納谷の分岐点手前に駐車する。下りると真っ先に広々とした花崗岩の一枚岩が目に飛び込む。絶景だ。昨日が由
布川だっただけに、あまりにも対照的過ぎて息をのむ。入渓地点には最高の場所だ。


使い古された月並みな言葉であるが、見るだけで癒される。
下りにて。


入渓地点の私。

かのう谷を経験しているゼルブスさんもここからの入渓は初めてとの事。今日はここから加納谷へと入り、行ける所まで行こうという
計画である。
もっとも、私は以前、氷瀑を求めて林道をつめた時に上部が防災工事により涸れ沢になっているのを見ているだけに、そこまでが限界だろうことは予測できたが、その下は未経験。楽しみだ。
白い岩に清い水。なんといっても沢は花崗岩が一番いい。


表現が見つからない。

小滝をジャムを利かせて登ったら、次には倒木が現れ滑らないように慎重に渡って滝を越える。すると今度はゴルジュが現れステミングでこれを越える。次から次へ現れるアトラクション。飽きさせない。沢の水は冷たいが水中にいる時間が短いため、震えるほど寒くはない。


ゴルジュを越える白きりさん。

4時間ほどつめると右手に林道が見えてきた。終了点は近い。ほどなく見覚えのある巨大な鉄製の柵が見えてきた。ここで終了だ。



車を置いたところからすぐに入渓出来、しかも尾根筋をショートカットして下れば車まで楽に戻れる。沢のスケールにしては実に取り付きやすい。なんといっても景観がすばらしい。何度来ても良いと思わせる沢であった。

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