天と地の間

クライミングに関する記録です。

比叡ムササビファミリールートを登られる方へ

2024年04月11日 | 開拓
比叡ムササビファミリールートを登られる方へ
整備のため、事前工程として1ピッチ取り付き頭上20mにボルト、ハンガーを4か所取り付け、
細引きを取り付きまで張っています。
ボルトはプロテクションで使用するものではないので、ご注意を。
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比叡Ⅱ峰奥壁三つ子ハングdirettissima

2022年07月03日 | 開拓
怪我はなんとか回復したものの、まだ万全ではないために、アプローチの近い、比叡2峰奥壁へ開拓
に1日に行ってきた。

Ⅰ峰A、B、Cフェース。ここと高さはほぼ同じ。

三つ子ハングの開拓を始めたのが15年前。
以来、身近に志向する人がいないという理由にかこつけて、ずっと放置したままとなっていた。
思い立ったきっかけは、ポツポツと志向する若手が現れてきたことによる。
その内の一人が今回同行のO口君
午前4時自宅出発。比叡に着くと雲ひとつない快晴。昼過ぎがタイムリミットと見て先を急ぐ。およ
そ30分で到着も、すでに汗だく。

登る箇所を真下から撮影。ルーフ部分のクラックは繋がっていない。
ここを越えれば何とかなりそうだが。下が出来なければ上をやる気も起きない。

ハングの取り付きまで右凹角ルート2ピッチをO君がリード、私はホールバックを背負ってのセカンド。
三つ子ハングに到着した時には、体幹をかなり使った感あり。
前回、打ったボルトで小休止したのち、ムーブを探るも絶望的に悪い。
フットホールドがないために体を保持できない。


ここへ来るまで2ピッチ。
そのルート(右凹ルート)は良いルートなのだが、如何せん、荒れている。
訪れる人が少ないのだろう。


傾斜は185°
ルーフを越えた箇所にハンドジャムがあまく決まるが、体の振れを止められない。

O君と入れ替わり立ち替わりやったが、進展なし。疲労はますばかり。もうすぐ直射日光が当たる。
鍛えなおして、秋になったら出直そうと、撤収とした。


南面であるが、ルーフが日を遮り、なおかつ、風も吹いて快適。

帰宅して、いつも通りに浴室で体回りを点検したところ、ふくらはぎにマダニが食らいついていた。
結果を残せず、その上、マダニにやられるとは。


これまで噛みつかれたマダニの中では最大級。5㎜ほど
高砂きららマダニだろう。

以前は自分で処置をしていたが、SFTS を発症すれば致死率は20~30%とも云われている。もう自分
ではできない。
皮膚科で処置してもらった方が安全と、本日、麻酔を打ち、切開して取り除いてもらった。抜糸は一
週間後。
看護師が云うには最近、噛まれる人が多いとか。大分でも発症した人が2人ほどいるとのこと。対症
療法しかないので罹患すれば怖い。
SFTS の潜伏期間は2週間。怪我のリハビリが終わり、これからという時にテンションがかなり下がっ
てしまったがこればかりは仕方がない。
免疫力を下げないよう、しばらくは大人しくしておくとしよう。
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大崩開拓着手

2021年12月10日 | 開拓
水曜日が休みという相方のO君に合わせて都合をつけ、比叡にクラックの開拓に行く予定をしていたが、
気温がさほど低くないため、急遽変更して大崩の開拓に入った。
ヘッドランプを点けて歩行開始。ジャンピングをドリルに替えて来たのでザックの重さは先日とさほど
変わらず20kほど。
登山道を外れると、風が急に強くなってきた。強風に近い。この時期、標高1000mを超えるところで風
に吹かれての開拓は厳しいが、これから行く壁には吹いては来ないだろうとの確信に近い予測で歩を進
める。
歩き始めて3時間、壁に到着すると、予想通り無風に近い。
朝食とも昼食ともつかない食事をとり、開拓を開始する。


唯一のレストポイント 大量の装備とバックロープで重い。


ハング越えのオフィズスで喘ぐ私

久しぶりのナチュラルプロテクションのリードは緊張する。当然、苔がかなりあり、カムを固め取りで
慎重に進むが、カム、その他の重りも相まって、何度かテンションが入る。
ハンドサイズのクラックが過ぎたあたりから、クラックの向こう側が見えてくる。そこからこちら側へ
と風が吹き差してきて体温を奪う。
ハング基部に着くと、これを越えるのに奮闘し、核心は越えたかと思ったのも束の間、ほんとの核心は
ここから始まった。開拓とはいえ、フリー化しながら進みたい。そういう思いで進むも、ホール。3回は
落ちただろうか。ほうほうの体でリップに左手を延ばすと、ふかふかの苔の上。必死に耐え、右手で苔を
払い、カムを挿入してギリギリのクリップ。
ここから見上げると、後10mほど。ここまで、20m。あと一息だが乗り越しの箇所の浮石が行く手を阻む。
下に落とさないようにA1で越せないこともないが、浮石の処理の時間とその後のもろもろの時間、疲労度、
増す寒さ。パートナーにも登らせたい。そんな思いが錯綜し、ここで撤収とする。
今回取り付いた箇所は予想以上に変化に富み、楽しめた。
グレードは撤収地点までは11aくらいはあるだろうか。是非とも仕上げたい。
とにかく、途中から風に吹かれて寒かった。遠くを見やると凍結した壁が随所に。体感温度も下がるはずで
ある。


氷結した個所が。気温はかなり下がっていたはず。加えて、風により、かなり体感温度は下がった。
氷瀑を見ていると、遠い昔、ここの低気温に期待して氷瀑を求めて彷徨したのを思い出した。

壁に行くまでの2/3は道はない。安全に帰るにはもっと早出しなければ。次回は日が長くなる春か。
追記
大崩はユネスコパークに指定されているということもあって、木は切れない。そのうえ、登山者の増加を考え
るとドリルの音をたてるのも気が引ける。
登山者、トレイルランナー、クライマーが共存するためには制約があるのは当然のこと。
開拓時は可能な限り都合をつけて平日に行おう。
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比叡Ⅱ峰下部ルート開拓1本完了

2021年09月20日 | 開拓

階段を設置した個所は快適に登行できる。

比叡Ⅱ峰下部の整備の傍ら、ルートを1本引いた。
場所はハネムーン右横。グレードは11bとした。
ルート名はフルムーン。
やはり、ルートを作って登るのは楽しい。グレードが低かろうとも、俄然、やる気が出てくる。


試登なく取り付いたので核心部で手こずった。




今日の相方、重さん。足の痛みに耐えきれず。テンション。

帰宅して夜空を見上げると久しぶりに見る満月。おりしも、翌21日は中秋の名月、8年ぶりの満月とのこと。
思えば、ハネムーンから幾年月、妻と旅行にと思いもするがまだ先になりそうだ。
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比叡Ⅱ峰下部整備 進捗状況報告 「2021年5月23日現在」

2021年05月24日 | 開拓
昨年春より始めた比叡Ⅱ峰下部のルート整備の進捗状況を報告します。
ほぼ自然に還って、木々に覆われていたエリアを地権者の承諾のもと、伐採から始め、夏ごろよりリボルトを
行ってきました。
手持ちの部材(ペツル製ハンガー、ボルト)はすぐに底をつき、工面に苦慮していたところ、比叡ボルダリング
組合さんのご協力と個人の寄付もあり、何とか継続してやっているところです。
整備の主要メンバーは私とJIN氏のふたり。しかもいい年ごろ。動くこと牛歩のごとしです。コロナの影響も
あって遅々として進みませんが、秋を目途に終了させる予定です。その後には開拓を考えています。
整備したルートはグレードを改訂し、新しいルート図とともに公開する予定です。
ついては、客観的なグレード体系にするためにも、これから登る方がいれば、感じたグレードをお知らせいた
だければ幸いです。

下記、リボルト完了のルートを列記しましたので、比叡を訪れた際は取り付いてみてはいかがでしょうか。
いずれも秀逸なルートばかりです。ルート図は日本100岩場をご参照ください。
【注】 〇はルート図未掲載のルートです。
    「」内は今回登った時の主観グレードです。

〇 無名ルート【Ⅱ峰下部に上がって正面右端】「5.12c(about)」
⑨ マザーカンテ 5.11b 「5.11d(about)」
 
⑪ 下がり松 5.10d 「5.12a(about)」
〇 ヤマネ 「5.11a(about)」 『翼をください』左のチムニーを隔てた壁
〇 無名ルート「5.12a(about)」*60mロープでロワーダウン可能 
  今後、マルチとして延ばす予定。
  【*】トラロープが掛かっている箇所は開拓中のプロジェクトです。その右が取り付きです。
③ 日向の黒馬 5.10c 「5.11a(about)」

その他、過去にステンレスのオールアンカー(10㎜)、ハンガーでリボルトされているルートを載せておきます。
当面、登るに支障がないと思っていますが、トライは自己の判断で行ってください。
〇無名ルート【マザーカンテへ回り込む手前にある正面壁 7mほどの垂壁】10a
⑩ マイフレンド 5.10c 「5.10b(about)」
⑤ ハネムーン 5.10b 「5.10c(about)」
〇 無名ルート (アップルート)  ハネムーン左


アプリーチを上がったところに位置する壁


「五右衛門ぐんまちゃん」の引かれた壁


チムニー右が「翼をください」その右が「マザーカンテ」


「ハネムーン」のあるスラブ壁


赤線は無名ルート。60mでロアーダウン可能


プロジェクトルートを試登中の私


「ひむかの黒馬」
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