天と地の間

クライミングに関する記録です。

小積 開拓再開 

2012年11月24日 | 開拓
小積の開拓を始めたのが二年前、その時に一ピッチ伸ばしたままである。その時の友はもういない。
雨の影響と、重荷を背負ってのこのアプローチを考えると簡単には踏ん切りがつかず、延び延びとなってしまった。区切りはつけた
い。本来なら、秋に行うべきところであるが、今秋も雨が多かった。それならば、冬しかないかと、今日を選んだ。短い日と寒さを考え
ると開拓にリスクを伴うが致し方ない。

朝起きると、昨日の疲れが残っているが予定通り、小積に行くことする。気になるのが天気。予報では晴れであったがどんよりと曇
っている。大分を出たあたりから、どじゃぶりとなった。念のために延岡のクライマーに天気を聞くと晴れているという。安心して大崩
へと向かったが、一向に晴れる兆しがない。登山口についても降り止まない。唯一、救いなのが小雨ということ。決行することにする。

昨年は小積の基部まで上ったところで雨が降り出し、そのまま引き返した経緯がある。そのときの重量が30k近くあった。アプローチで
疲労し、そのまま継続しての開拓は無理と悟った。後から考えると、雨が幸いした結果となった。
その折の反省を踏まえ、今回は開拓道具を2回に分けて運ぶことにした。今日の予定は16kのデポ。
今回のアプローチは、前回よりも荷物が少ないため、工藤新道をとる。


崩壊した林道。四駆でも通行不可能。

フリーのリードをする人も少なくなり、パートナーに苦労する現状、こんなことに付き合ってるれるパートナーはそうそういない。今回
も一人だ。
小雨交じりの中、崩壊した林道に歩を進める。
『僕の孤独が魚だとしたら、そのあまりの巨大さと獰猛さに、鯨でさえ逃げ出すに違いない』
唐突に先日読んだ伊坂幸太郎の『フィッシュストーリー』の一節が浮かんだ。その孤独と折り合いをつけながら、牛歩よろしく歩く。
歩き出して1時間。登山道から外れたあたりから、早くも疲れがでてきた。「僕のひ弱さが魚だとしたら、メダカさえも襲ってくるので
はないだろうか」と思えるほど、体力のなさを感じる。先の開拓が思いやられる。

工藤新道は昔、通ったきり。登山道をから離れると記憶にはない。所々にテープがあるが何度も見失い、行きつ戻りつしながらおよそ2
時間ほどで小積の基部へ着いた。冬の開拓を考えると、反射テープをぶら下げる等、したほうがよさそうだ。暗くなれば確実にテープを
見失うだろう。
岩陰に担いできた荷物をデポして、1ピッチ目を見上げると、すっかり苔むしている。また、掃除からかからなければならない。


前回と同じ場所にデポ。多少の雨ならしのげそうだ。


唯一完成の1ピッチ50mのクラック。
雨とあって、苔が生き生きしている。


蜘蛛の糸の1ピッチ目チムニー、中央稜が
リボルトされて以来、そちらにはたまに訪れ
る人がいるらしいが、こちらは、行ったという
噂はあまり聞かない。フリーの要素が強く、
秀逸なルートであるのだが。


下山するころになると、やっと雨が上がった。
帰りはほぼ空身、調子に乗ってスピードを出していたら、足元の岩が崩れて足を挟んだ。多少の打撲ですんだが危うく映画「127時間」
の足版になるところであった。雨の後であるだけに足元は緩み、よく滑る。登山道から外れた携帯も使えないこんな場所で怪我をすれ
ば、結果は知れてる。その後は、かなり気を引き締め、車まで戻る。

追記
小積で開拓をしても訪れる人はいないだろう。私一人のルートであれば宣伝する気はもうとうないし、どうでもよいが亡き友との共同制
作となれば、やはり考える。まだ完成はしていないが1ピッチだけでも良いの出来たと云おうか。
そういえば、大風呂敷のことをフィッシュストーリーというとか。


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本匠 「遊歩道~切り株」

2012年11月23日 | フェース
木曜日に熊本のしのぶちゃんから明日、本匠に行きたいから付き合ってくださいのメールが来た。
小積に行く予定であったが、雨模様のために予定を変更、一緒に行くことにする。こちらこそ助かる。
家を出る前から雨がぱらつき、本匠まで続いたが、遊歩道はまったく問題なし。
最近は遊歩道ではめったに登らない。一月ほど前、2年ぶりに登ったが、この折、持久力のなさを感じたために、私の希望で午前中だけ
遊歩道で登ることにした。
アップを2本した後、飛ぶが如くダイレクトに何年かぶりに取り付いたが、取り付きのムーブからして忘れているしまつ、何とか核心に
入る箇所まで来たが、左の上腕部に激痛が走ったために、あっさり敗退。肩を庇ってきたせいか、どうも上腕が軽い肉離れを起こして
いるようだ。


誰かは知らないが、うらやましいリーチ。
しのぶちゃんの写真は当然撮れない。

一方、しのぶちゃんは。
最近、日向神ばかりで被りが弱くなっているためにリハビリで本匠に来たというが、日向神でやっているだけあって、カチはかなり強
い。それに軽い。
つづいて、私はジュリが落陽に行くというので、ヌンチャク掛けにトレーニングがてら取り付いたら、こちらは手は覚えているものの、
足の置き場を忘れており、どテンションでたどり着くことになってしまった。こうもパワー、持久力とも落ちていると11台を何本もや
ったほうが良さそうだ。

昼からは、しのぶちゃんの希望通り切り株に行く。
誰もいない。一見、状態は良さそう。で、調子に乗って2年ぶりに春雷に取り付いたら、ここも同じくムーブを忘れ、1本目はすぐにロ
ワーダウン。二回目にワンテン入れて、核心のカチを取ったが、結露でヌメリ、保持が出来ないためにここで断念。

今日は、久しぶりに本匠で追い込んだ。明日のことを考えて、軽く済ます考えであったが、はやり、熱き人と登るとその熱さが伝わっ
てくる。結果は散々であったが久しぶりに充実した一日であった。




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