これまで、いろんなジャンルのクライミングをやってきたが、沢だけは手を出さなかった。理由は怖いことと、沢から上がってからの藪
こぎ、濡れねずみでの下山。である。それが昨年あたりから、興味を持ち始めた。その理由は、知り合いの何人かが沢をやっており、そ
の魅力を事あるごとに吹聴するのである。くわえて、近年のこの暑さ。そして、実は水の中はクラミングよりも得意。これを使わない手
はないと思い立ったのである。で、昨年からお願いコールをだすも、だれもまともに受け取ってくれない。皆の共通した返答は「本当に
行くんですか~?」と妙に間延びした言い方。てんで信用してくれてないのである。ところが、一月半前に突然、以前所属していた会の
先輩から沢に行こうという連絡があった。場所は祝川ゴルジュ。大崩はよく知った山域。これ以上の沢はそうはないだろうと、参加を確
約した。しかし、道具は手持ちでなんとかなるが、身に付けるものがまるで無い。何がいるのかも分からない。沢のことは無知だから仕
方が無い。そこで、知り合いに相談すると「アプローチシューズでも良いんじゃないでしょうか」という回答。その「じゃないでしょう
か」を信じて、ファイブテンのアプローチシューズで行くことに決めた。ウエアはパンツは借りて、シャツは冬山の下着で行くことにし
た。
電話があってから、天候不順が続く。沢が増水し、なかかな行くチャンスに恵まれない。やっと、そのチャンスが来たのが日曜日。
27日(土曜日)に白岳さん、穴さん、ますもっち、おおくら省と公民館で落ち合い、久しぶりの再会に杯を重ねる。
明けて日曜日。曇り
6時40分より登山口を入る。
途中で休みを入れ、8時に喜平谷より入渓する。
いよいよ入渓。入ったときから心地よさを感じる。
折り重なる巨岩にその間を波頭を作って落ちる清い水。見るだけで日ごろの鬱積が吹っ飛ぶ。
巨岩を越えながら進むと40分ほどで滝が現れた。どうみても直登は無理だ。穴さんが云うには第一の核心とか。弱点はないかと右のほう
を見るとクラックが上部まで走っている。登ろうかと考えたが、カムが足りそうにない。その上、上部が草付きで悪そうだ。
コーナーにクラックがある。可能性はありそうだが。
あっさりと諦め、手前左側に打たれたボルトに沿って巻くことにした。一番安全であるが、5人もいれば登りと懸垂に時間がかかる。しか
し、急ぐことはない。時間は十分にある。沢初心者の私は、冒険は要注意だ。
懸垂後、一段高くなった箇所を越えて少し進むと、岩が狭まってきた。いよいよゴルジュである。穴さんによれば、水量は少ないとか。
いよいよ佳境のゴリュジュへ
トップは白岳さん。さすがにトライアスロンとトレランで鍛えたからだ。躊躇なく進んでいく。二番手はおおくら省、そして私が続く。
狭いところはチムニーの要領で、広い箇所は人間ブリッヂで横に進む。
怒涛の泳ぎ
手前は私
アプローチシューズが良く決まる。
こんなところで落ちたくはない。
心配していた足元も良く決まる。しかし、当然、コケのあるところはかなり滑る。そういう箇所はなるべく避けて進む。
ゴルジュを越えるとだんだんと開けてきた。登山道が近いようだ。
吐野 着 9時50分
核心を越えて
右端にひっそり、控えめにガッツポーズをとっている人が。
そう見えるだけである。
最後の泳ぎ。ここを過ぎると渡渉点はすぐそこ。
初めての沢登りを終えて。
大崩山域は知り尽くしたところ。昔からボルダーや山女釣りで川を少しは遡上した経験があるだけに、景観と水質には大いに期待して
いた。次から次ぎえてと現れるアトラクション。それは予想を超えてすばらしいものであった。と同時に怖さも感じた。不確定要素が
強いだけに、無理はできない。落ちたらどうなるかわからない。クライミングの技術は大いに役立つが、切り替えが必要だと感じた。
それができなければ何れ怪我をすることになるだろう。今後の私の課題になりそうだ。
久しぶりに時を忘れる日となった。
怪我も無く、沢登りを堪能できたのは、ひとえにすばらしいメンバーに恵まれてのこと。
忘れえぬ沢デビューとなった。
同行のメンバーの方々、ありがとうございました。
追記・・・
ますもっち、穴さんの車に同乗して、福岡から今さん、みわさんが来ていた。二人は別行動で1泊二日の予定で大崩の縦走に入っていた。
後から聞いたところでは、彼女たちは私に会うために11時半から1時まで吐野の渡渉点で待っていたとか。我々はというと、昼前には温
泉に浸かってのんびりしていたものである。
実に申し訳ないことをした。
こぎ、濡れねずみでの下山。である。それが昨年あたりから、興味を持ち始めた。その理由は、知り合いの何人かが沢をやっており、そ
の魅力を事あるごとに吹聴するのである。くわえて、近年のこの暑さ。そして、実は水の中はクラミングよりも得意。これを使わない手
はないと思い立ったのである。で、昨年からお願いコールをだすも、だれもまともに受け取ってくれない。皆の共通した返答は「本当に
行くんですか~?」と妙に間延びした言い方。てんで信用してくれてないのである。ところが、一月半前に突然、以前所属していた会の
先輩から沢に行こうという連絡があった。場所は祝川ゴルジュ。大崩はよく知った山域。これ以上の沢はそうはないだろうと、参加を確
約した。しかし、道具は手持ちでなんとかなるが、身に付けるものがまるで無い。何がいるのかも分からない。沢のことは無知だから仕
方が無い。そこで、知り合いに相談すると「アプローチシューズでも良いんじゃないでしょうか」という回答。その「じゃないでしょう
か」を信じて、ファイブテンのアプローチシューズで行くことに決めた。ウエアはパンツは借りて、シャツは冬山の下着で行くことにし
た。
電話があってから、天候不順が続く。沢が増水し、なかかな行くチャンスに恵まれない。やっと、そのチャンスが来たのが日曜日。
27日(土曜日)に白岳さん、穴さん、ますもっち、おおくら省と公民館で落ち合い、久しぶりの再会に杯を重ねる。
明けて日曜日。曇り
6時40分より登山口を入る。
途中で休みを入れ、8時に喜平谷より入渓する。
いよいよ入渓。入ったときから心地よさを感じる。
折り重なる巨岩にその間を波頭を作って落ちる清い水。見るだけで日ごろの鬱積が吹っ飛ぶ。
巨岩を越えながら進むと40分ほどで滝が現れた。どうみても直登は無理だ。穴さんが云うには第一の核心とか。弱点はないかと右のほう
を見るとクラックが上部まで走っている。登ろうかと考えたが、カムが足りそうにない。その上、上部が草付きで悪そうだ。
コーナーにクラックがある。可能性はありそうだが。
あっさりと諦め、手前左側に打たれたボルトに沿って巻くことにした。一番安全であるが、5人もいれば登りと懸垂に時間がかかる。しか
し、急ぐことはない。時間は十分にある。沢初心者の私は、冒険は要注意だ。
懸垂後、一段高くなった箇所を越えて少し進むと、岩が狭まってきた。いよいよゴルジュである。穴さんによれば、水量は少ないとか。
いよいよ佳境のゴリュジュへ
トップは白岳さん。さすがにトライアスロンとトレランで鍛えたからだ。躊躇なく進んでいく。二番手はおおくら省、そして私が続く。
狭いところはチムニーの要領で、広い箇所は人間ブリッヂで横に進む。
怒涛の泳ぎ
手前は私
アプローチシューズが良く決まる。
こんなところで落ちたくはない。
心配していた足元も良く決まる。しかし、当然、コケのあるところはかなり滑る。そういう箇所はなるべく避けて進む。
ゴルジュを越えるとだんだんと開けてきた。登山道が近いようだ。
吐野 着 9時50分
核心を越えて
右端にひっそり、控えめにガッツポーズをとっている人が。
そう見えるだけである。
最後の泳ぎ。ここを過ぎると渡渉点はすぐそこ。
初めての沢登りを終えて。
大崩山域は知り尽くしたところ。昔からボルダーや山女釣りで川を少しは遡上した経験があるだけに、景観と水質には大いに期待して
いた。次から次ぎえてと現れるアトラクション。それは予想を超えてすばらしいものであった。と同時に怖さも感じた。不確定要素が
強いだけに、無理はできない。落ちたらどうなるかわからない。クライミングの技術は大いに役立つが、切り替えが必要だと感じた。
それができなければ何れ怪我をすることになるだろう。今後の私の課題になりそうだ。
久しぶりに時を忘れる日となった。
怪我も無く、沢登りを堪能できたのは、ひとえにすばらしいメンバーに恵まれてのこと。
忘れえぬ沢デビューとなった。
同行のメンバーの方々、ありがとうございました。
追記・・・
ますもっち、穴さんの車に同乗して、福岡から今さん、みわさんが来ていた。二人は別行動で1泊二日の予定で大崩の縦走に入っていた。
後から聞いたところでは、彼女たちは私に会うために11時半から1時まで吐野の渡渉点で待っていたとか。我々はというと、昼前には温
泉に浸かってのんびりしていたものである。
実に申し訳ないことをした。