ヴァイオリン日記

オーストラリア・メルボルンでヴァイオリン弾きをしてます。日常生活で感じたこと、経験した事、きままに更新しています。

音楽を通して伝えるもの

2005年10月31日 | 演奏について
演奏するという事は
何かを伝えるということだ。

何かを伝えるという事は
既に何かが存在している、

あるいは、

その存在を認識しているべきである。

認識するには
繊細な感性と知識が必要不可欠だろう。

まず私たち演奏家が
その存在を認識しないで、
観客に何が伝わるのであろう。





メルボルンカップ

2005年10月30日 | ひとりごと
競馬というと、日本では、
あまりゴージャスなイメージはないが、
ここオーストラリアでは、かなり華麗なイベントだ。
次の火曜日はメルボルンカップといって、大きなレースで
国民的イベントにつき、メルボルンは祝日になる。

ドレスコードがあり、皆、大きなつばのある帽子をかぶり、
色とりどりの華麗なドレスに身を包む。

あちこちにパーティーに行くような人々がいるので
まさに街中がファッションショーの様だ。

また皆本当に様になっていて、
見ているだけでもうっとりする。


メルボルンカップ について知りたい方はこちらをどうぞ。

今日は私もお帽子を買いにショッピングへ。

競馬デビューのご報告は又後ほど。

トリオ

2005年10月29日 | 演奏について
今日は、ギターとの初合わせがあった。
ギターとチェロ、ヴァイオリンの編成でトリオのコンサートを企画中。
チェロの知り合いで上手いギタリストがいるという事で紹介してもらい、
今日が初のリハーサルとなった。
曲はFrancois De FossaのトリオOp.18-1
ギターとの合わせは初めてだったので、音質や音量、タイミングなど
これから課題が盛りだくさんだ。
彼女はCDなども出しており、生徒も55人いるという事で、
上手く音楽とビジネスを融合させている。

数年前に彼女は大手術して男から念願の女性に大変身。
大きな胸もあったし、しぐさも女らしく、とても感じのいいギターリストだ。
第一印象はまあ、おかまちゃんといった感じだが、
彼女の表情を見るにつれ、印象が変わってくるのが不思議だ。

弦とギターの編成であまり知られていないいい曲があるので
徐々に開拓していこうという話に落ち着いた。
ここオーストラリアで徐々に音楽仲間が増える事が
私は、とっても嬉しい。

才能とは

2005年10月28日 | 教えること
一教わって、十できる人もいれば、
一教わって、一しかできない人もいる。
これらは、運動神経、判断力や理解力、体質など資質による、
先天性のものだ。

私は音楽の場合、これらが全てだとは思わないし、
それだけが、結果のすべてになるとは思えない。

足の遅い人が速い人に追いつこうと努力する事は容易ではないが、
足の遅い人はその分、多くの景色を見ていたりする。

それが、表現力につながったり、感性を磨いたりする場合もある。


<他人にはできない事が、できる能力>を才能と呼ぶのであれば、
<他人と違う何かを持っている>事も才能の糧になりうるのではないか。

私たちは一人ひとり個性があり、十分な可能性がある。

しかし、才能とみなされるためには、その違う何か(個性)によって
表現されたものが、他人に認められなくてはならない。
認めるのは他人であり、受け入れられなくては、
才能とは呼ばれない。

才能とは、他人の価値観と憧れの現れであると思う。




3歳児を教える

2005年10月27日 | 教えること
7月から教えている3歳だった男の子が4歳になった。

最初は、レッスンをとても嫌がり
泣く、叫ぶ、走る、すぐヴァイオリンをしまう、などなど

教えるという状況にすらならなかったが

最近は私にも慣れたのか、自らヴァイオリンをだし、
小さい16分の1の楽器を持って、お辞儀をし、
あごと肩にヴァイオリンをはさむ事ができるようになった。

今はE線を音が混ざらないように弾く事が課題だ。

だいたい3歳くらいの子は右ひじを使う事ができない。
弓も肩から動かし、後ろへいく。

そこで、右ひじを動かす運動をする。
手裏剣を投げる真似をしたり、
音楽に合わせてその部分を使う体操をしたり。。

少しづつ少しづつできるようになるものだ。
時間がかかっても、かならずできるようになるものだ。

私は小さい子供には、ヴァイオリンノートを作っている。
手作りの粗末なものだが、
そこにはたくさんの項目がかいてあって、
レッスンでそれができたら、シールを貼ってもらう。
できなかったら、厳しくシールはおあずけにする。

子供を教えるのにも色々アイデアが必要で、
こんな事でも、やる気の違いは現れる。



暗譜の訓練

2005年10月25日 | 教えること
私は必ず生徒に曲を暗譜するように伝える。
知っている曲の場合は暗譜も速いが、
知らない曲の場合はそれなりに練習しないと暗譜はできない。
暗譜をしないと合格はさせない。

途中から入ってきた生徒で
暗譜するように言ったところ
どのように暗譜すればいいのか訪ねられたことがあった。
彼にとって暗譜は初めての経験であったらしい。

私は何度もその曲を階名で歌うようにアドヴァイスした。
そして楽譜なしで歌えるようになったら、
ヴァイオリンで弾くように伝えた。

ヴァイオリンで最初から弾いてしまうと
手癖で覚え、止まり癖もついてしまう。

間違った暗譜の仕方をしていると
本番で失敗する事にもつながる。

正しい暗譜の仕方を訓練するという事も大切だし、

暗譜することによって音の響きを聞くようになるので
表現力の向上にもつながる。






作曲家のイメージ

2005年10月24日 | ひとりごと
音楽仲間と飲んでいる時、
作曲家を酒に例えるという
不謹慎な話題になった。

ベートヴェンはビール。
モーツアルトはワイン。
ブラームスはブランデー。
チャイコフスキーはスパークリングワイン。
ショパンはシャンパン。
ドボルジャークはベヘロフカ(チェコのリキュール)。
バッハは。。。。









音程

2005年10月23日 | 教えること
子供(4,5歳)にヴァイオリンを教える時、
ヴァイオリンで音当てをする。
子供の集中力がきれそうなときにやっている。

各音の響きを覚えてもらう程度だが、
これは、ヴァイオリンの音程をつくるために
たいへん効果があるように思える。
1音を私が弾き、その響きを聞いてもらう。

途中から入ってきた生徒で
音程が悪い生徒もいる。
そういう子は正しい音程がわからないので
私はこのレッスンを必ずしている。
正しい音の響きを記憶してもらうためだ。

子供達が間違った音程を自ら正しく直そうとする光景は
私の好きな光景の一つだ。

音階

2005年10月20日 | 演奏について
カールフレッシュを練習し始めたのは、18歳の頃だった。
新しい先生についた時に音階の重要性を知り、
何ヶ月もスケールだけを練習した。
毎日6時間近く弾いていた。
今考えると結構頑張ってたなと思う。。。

カールフレッシュはその当時の私には
どんなコンチェルトよりも、難しかった。

音階は和音の分散だ。
和音は曲を構成している。

スケールを練習する事は、
フィンガリングや、音程、ポジション移動、ボーイング、
曲を弾く上で大切な全てを含む。

スケールは基本であり、応用でもある。






大切な人

2005年10月19日 | ひとりごと
今日プラハから手紙が届いた。
私の親友の一人がチェコ人のホルン奏者と結婚したのだ。

彼女はチェコのオケでヴィオラを弾いている。
彼はそのオケのホルン奏者だ。

私はその知らせを知って、本当に嬉しかった。
彼女は私にとって信頼できる先輩であり、同志である。

プラハの学校のオーディションに一緒に受かって、
同じ飛行機で、プラハに行き、一緒に住んでいた時期もあった。

授業を一緒に受け、コンサートを成功させ、
一緒に旅をし、音楽について、将来について、
一晩語り合った事もあった。

私には大切にしたい人々いる。
そして、大切にしたい気持ちを常に伝えておきたいと思う。
大切な人は後回しにしない。
私のポリシーだ。



教師の至福

2005年10月19日 | 教えること
ヴァイオリンを教えてると、
色々な感情が湧いてくる。
特に私の好きな感情は、
生徒が、今までできなかった事が、
できるようになった時の瞬間だ。

各生徒、それぞれ個性があり、進度もそれぞれだが、
皆、成長している事は確かで、それを感じた時の喜びは、
とっても興奮し、その喜びを生徒に伝えずにはいられない。

意外と生徒はそれほどでもなく、
落ち着いていて、私のほうが喜んでたりする。
私もプラハでは、恩師が何故、
それほどまで興奮するのか。分からなかったが、
今、その気持ちがとてもよくわかる。



マナー その2

2005年10月17日 | 教えること
プラハにいた時も、ここメルボルンでも、
スーパーでの買い物の際、驚く事がある。

お金を払う前に、レジに並ぶ前に、
陳列された商品を開け、飲んだり食べたりしている
子供が目につく。

もちろんその商品は買うのだろうが。。。

子供はお腹がすいて泣き叫び、親が仕方なく、
商品(お菓子やジュース)をあけ、与える。
レジには空になった袋や缶を持っていく。

これは日本ではありえない事なので、
私は、今でもその光景に慣れない。

ここに住む日本の子供達と
オーストラリア人の子供を比べると、
やはり日本人の親の方が
マナーには厳しい感を受ける。

そして私は日本人なので、
日本式のマナーでヴァイオリンを教えている。

私はそういった礼儀やマナーは
生活を引き締める上で大切な事の一つだと考える。





緊張感とは

2005年10月15日 | 演奏について
ピアニッシモで緊張感をもたせるには
どうすれば良いのか。
今日のカルテットのリハで考えてみた。

緊張感とは、どういう状態か。
ゆるみのない張りつめた気と解釈する。
その雰囲気を表現するには
これからなにか起こるであろう注意力を感じさせなければならない。

そこはピアニッシモだったので、
まず、ノンビブラートで試してみた。
するとバラバラだった響きが一つに近づいた。

あと大切だと思ったのは、
その前後の表現だ。
その相対性に注意をむけると、
引き締まった仕上がりになると思う。

自分たちが創造した響きをよく聴き、
その空気を意識するようにしたい。







ステージの立ち位置

2005年10月14日 | 教えること
人前で演奏する時、立ち位置も重要なテクのひとつだ。

上手い人ほど、ステージに上がったとき、
迷わず、自分の立ち位置を見極め、さっと行動する。

ヴァイオリンや歌、管楽器の場合、
ピアノなどの伴奏とのバランスもあるので
この時の判断によって響きの印象ががらっと変わったりする。

ヴァイオリンの場合はピアニストが座っている少し後ろに
立つ事が多いようだ。
私はできれば、ステージから見て丁度ピアニストが隠れる位置に
立ちたいのだが、それではあまりにもピアニストがかわいそうなので、
少し後ろに立つ事にしている。

歌のように、ピアノの前で演奏すると、
まず、ヴァイオリンは響きが消されてしまう。

なので、ピアノも中央ではなく、
すこし右よりに置いてもらう。

ステージの中央で弾く響きは平均的に客席に届くだろう。

いいホールになると音響板などがあるので
それも参考にするといいのかもしれない。

ホールでなく、小さなサロンの場合は
客席に近いところで弾きたいと思う。
そのほうが、迫力が出る気がする。

お客様には、生演奏のよさを十二分に味わっていただきたいと思う。

3Wについて

2005年10月12日 | 演奏について
私がプラハでついていた恩師は、
曲を仕上げる作業において、
自分だけで練習する方法、考え方などを伝授してくれた。

日本で学生の頃は週1、2回は客観的にアドヴァイスをしてくれる師がいた。
それにたよって自分で考える事をおこたっていた時期もあった。
師の言われるまま。。。
 
師は、何故、何を、どのように(Why,What,How) 3Wで考えろとおっしゃっていた。

そして、今もその3Wの法は私の練習方針になっている。