なんとな~くそれ程興味もなく見そびれていたこの作品。
なんとな~くDVDを借りてきたので見た。
すっごい好きな映画だった・・・
夜のLAを走るタクシー。
偶然の出会い。<恋>と<恐怖>
全く違う境遇の人たちが、ほんの少しの時間を共有したために変わる人生。
あっちの道とこっちの道が交わる交差点。
私は時々、赤信号で交差点に立っているとき、
今この瞬間、すれ違う人々のことを考えることがある。
ほんの一瞬、すれ違っただけ。一生めぐり合うことのない人たちとの、一瞬の交わり。それは交わりとも呼べない瞬間だけど、私もその人たちも、自分の人生を生きている。お互い、知りようもないけれど、それぞれの生活があるのだ。
当たり前のそのことが、すごく不思議に思えたりする。
自分は自分のことしか知り得ない。
そんな人々が何億人もいて、地球という星に住んで生きている。
命っていったいなんだろう?
おいおい、とっくに青信号に変わってるよ~。
はっと現実に戻り、生きることの面白さに微笑んでしまう。
この映画は、微笑むわけには行かない、偶然の恐怖の体験が描かれる。
コラテラル=巻き添え・・・そう訳してあった。
<間違ったときに間違った場所に居合わせてしまった不運な犠牲者>
夜、大都会を走るタクシー。その映像からはひしひしと<孤独>という言葉が浮かんでくる。
その映像も美しいと思った。突然現れた1匹のコヨーテの目は何を見つめていたのか?
冷徹な殺し屋ヴィンセント(トム・クルーズ)
不運な巻き添えを食うタクシー運転手マックス(ジェイミー・フォックス)
たまたま乗ったタクシーでマックスと心を通わす連邦検事アニー(ジェダ・ピンケット=スミス)
事件を追うLAPDの麻薬捜査官ファニング(マーク・ラファロ)
偶然が最後にはみごとに繋がる。
トム・クルーズの悪役は、私には優しすぎる気がした。
冷徹非常な殺し屋にはどうしても見えない。
絶対に情にほだされ、ゆくゆくは自分の命を縮めそうに見える。
まあ、実際そうだったけど。
そして、やっぱりトムにはそんな役が似合うと思った。
ジェイミーの演技が絶賛されていたが、確かに納得。
恐怖に怯えていながらも、抵抗を試みたり、
ヴィンセントの身代わりになって敵地に乗り込んだときの、メガネをはずした途端、人格が変わったようになるところなど、見事。
ぶちきれてタクシーをぶっ飛ばすところなども見ごたえがあった。
でも一番の見所は、ヴィンセントとマックスが一瞬心を通わせるかに思える場面。
ヴィンセントが自分の生い立ちを話す場面、マックスが瞬間同情したように思えた。
マックスが入れておいた名刺を見つけて「生きてたら絶対に電話しろよ」と言ったヴィンセント、最後の標的が彼女だと、気づいていたのか。
マックスが邪魔をしなければ本当に彼女を殺していたのだろうか?
ほかにも、マックスの夢について、実現させる気などないのだろう、などといってマックスをはっとさせるのは単にマックスの生ぬるい生き方に腹が立っただけなのか?それだけとは思えない。
マックスにとっては希望が見える終わり方。
ではヴィンセントは?
少しずつ微妙に計画が狂い、冷徹なはずの殺し屋の心も微妙に狂い始めたのか?
もうこんな人生は終わりにしたかったのか?とも思える。
なぞに包まれたヴィンセントについては、どう考えるのも見た人の自由。
たまたま交差した二人の人間の1日が描かれているだけで、その人物たちの人生は想像するしかない。
好きに想像できるのだ。
なので私はついついヴィンセントの不幸な生い立ちや、心のどこかで殺し屋という仕事から逃れたいと思っているヴィンセント像なるものを想像して、勝手に同情しているわけである。
すべての手の内を見せないことによって、物語はいっそうスリリングに展開していく。
たった一夜の出来事で、その後の人生が変わる。
そんな経験、してみたいですか?いやに決まってる?
でも面白かった。
音楽もよかったな~。
映画館で見たかったといまさらながら思ったのだった。
運転の腕を見込まれたのが、幸いか?不幸?
殺し屋にとって、どうなのかしら。
分岐点ってあるのかな?私は、見ていて
トム・クルーズが、この役合ってると思いました。ジェイミーは、運転手役中々良かった
好演でした。一所懸命女性を助ける為に、
何が出来るのか、わからずにでも立ち向かう
その意気込みが、良かったです。
レンタル候補に入れときます♪
TBありがとうございます。いろんな人がいろんな意見を述べているのが楽しみですから、どんな感想でも聞く(読む)のは大好きです。
またよろしく!!
(オーロラさま)
人が一生懸命で何かをやる姿を描いた映画は好きです。
ジェイミー・フォックス、好演でしたね。
巻き添えを食ったのは運転手のほうだけど、ある意味、殺し屋も運転手の思わぬ反撃に、巻き添えを食ったとも考えられるような・・・
後味のいい映画って、好きなんです。
この映画も希望が見える終わり方だったですから
(rukkiaさま)
実は私もトム・クルーズものはちょっとパスなんですよ。
最近でこそ映画見てますが、ほとんどかなり遅れてDVDで見てます。
2度以上繰り返してみたのは「レインマン」だけです。
あまり関係ないことですが、7年くらい前テレビ愛知(テレビ東京系)の深夜の映画放送を見ていましたら、
CMに「コラテラル」のロードショー案内がありました。
(誰も見たことがない 最も危険なトムクルーズ 冷酷な殺し屋 トムクルーズ コラテラル )←これがナレーションでした
2004年10月23日 先行ナイトショーのテロップ案内で、いまでもVHSテープに残っています
ちなみに、そのときテレビで放送していた映画はリチャード・ギアとキム・ベイシンガーの「ノーマーシィー非情の愛」でした。
「ノーマーシィー」をみていてCMに気付きましたが、「コラテラル」は映画館で見ずにDVDでしたよ...トホホ
DVDの特典でマイケル・マン監督の説明によると ロスの深夜をキレイに撮影するため デジタル撮影カメラの最新式にしたおかげで 星を重視した夜景が撮影できたそうです。
だからボクは なにより...コラテラルの雰囲気に合わせて深夜の映画館で見にいきたかったぁ~
絶対この 臨場感は 深夜のレイト・ショーじゃなければ 味わえないもん。 深夜の映画館で「コラテラル」見てきた人は 迫力の違いが体験できたんだろうな~