Me&Night&Music…JAZZとお酒で素敵な夜を…

ジャズ&ブルースシンガーのローズが、好きなお酒と音楽について気ままに語ります。独断と偏見に満ちたウンチクも満載!

I Can‘t Give You Anything But Love

2007-06-27 00:30:56 | Weblog
’27年に作られたこの曲は、「捧ぐるは愛のみ」という邦題で知られています。

「僕には 愛しか君にあげられない
 僕がたくさん持っているものは それだけなんだ
 
 しばらくは夢見ていておくれ

 幸福も きみが欲しがっているものも
 僕らはきっと見つけるさ… 」

ニューヨーク五番街のティファニィの前で、若い恋人達の会話を耳にして
作った、といわれています。


歌詞の内容からすると、男性が歌うのにふさわしい曲ですが、女性シンガーも
多く取り上げています。
こんな歌、湿っぽく歌われたらビンボー臭くてたまりません!
ここはやっぱり、エラ・フィっツジェラルドにご登場願って、陽気にまいりましょう。
同様に、リナ・ホーンの明るさもいいですね。
サッチモこと、ルイ・アームストロングにかかったら、「もう、あんたがいれば
楽しいからそれでいいわ!」と、叫んでしまいます。


この曲は、恋人の誕生日なのに金欠でどうしようもない…ってなときに
プレゼントしましょう。
恋人がほんとにあなたのことが好きなら、充分HAPPYな時を過ごせるはず。
もし、「それで?」って、顔されたら… お気の毒ですが、愛をモノ(カネ)に
換算しないと計れない人とお付き合いするには、それなりのモノが必要だってことで…

当然、リッチなビンテージ・ワインや高級ブランデーなんて、この曲には似合いません。
安い梅酒ソーダや、缶チューハイで、「ビンボーだけど幸せ」感を演出しましょう!


ただね、お気をつけあそばせ。「愛」に飢えている夢見るお嬢さん。
ホントはポケットにユキチさんがいっぱいいるのに、単なるケチでこの曲を悪用するような輩には、
思いっきり肘鉄を食らわしてやりましょうね!

 

Day By Day

2007-06-21 23:41:07 | Weblog
前回紹介した‘What A Diff’rence A Day Made’が、
出会いの喜び・不思議を歌ったものなら、今回の‘Day By Day’は、
その一ヶ月後って感じかな。

以前、先輩シンガーのYさんが、「恋愛の初期症状の歌」っておっしゃっていた
ことがあるけど、まさにそんな気分の歌です。


「日に日にあなたへの想いは募ってゆくの
 私のこの恋心はどんどん深まるばかりよ
 終わりなんてないわ
 海よりも深い想いですもの… 」

…と、こんな具合。


確かに、素敵な出会いがあって、お互いの想いを確かめ合って、
考えることと言ったら彼(彼女)のことばかり・・・ な~んて時には、
この恋が終わるなんて思いもしない。
きっとこの先ずっと、永遠に、二人は共に生きていくと信じている。

いいのよ!それで。
幸せにはどっぷり浸かろう~♪
この曲は、相思相愛のあなた達のためにあるんです。

間違っても、告白のツールには使わないでくださいね(笑)
だって、「海より深い愛」なんて告白されると、フツーの日本人なら、
ちょっとビビりますから。


サラ・ヴォーンのストリングスをバックに歌うバージョンは美しいけれど、
浮き立つココロにはちょっと合わないかも。
あなたが大人で、何回目かの恋なのに、恥ずかしいくらい夢中って状況なら
カーメン・マクレエの知性的だけれど熱い歌がお薦め。

それよりも、恋人と肩を寄せ合い、ジャズ・ライヴ・ハウスやジャズ・クラブで
リクエストして、二人のために歌ってもらうのがいちばん。
プロのジャズ・シンガーでこの曲がレパートリーにないって人はいないので、
安心してリクエストしましょう♪

若い二人なら、チェリー・ブロッサム(チェリー・リキュールとブランデーと
グラン・マルニエにレモンとグレナデン・シロップをシェークしたカクテル)
で、二人の春に乾杯しましょ。
大人なカップルには甘味の底にほんのり苦味の効いた、ジンとチェリー・ブランデー
をレモンジュースとソーダで割ったシンガポール・スリングなんていかがでしょう?
ただし、「ラッフルズ・スタイルはやめてね」とバーテンダーに伝えましょう。
でないと、パイナップルなんぞで飾りつけたトロピカルなカクテルが現れて、
こっぱずかしい思いをすることになりかねませんので、悪しからず。







What A Diff’rence A Day Made

2007-06-16 22:42:50 | Weblog
「縁は異なもの」という邦題のこの曲は、元は’34年にメキシコの女性作家
Maria Greverが作った、ボレロの作品です。
後に(’50年代)Stanley Adamsが英語詞をつけてヒットしました。
私は、英語詞の方しか知らないのですが…。


「なんて不思議な日だったのかしら たった24時間なのに
 昨日はブルーだった 今日はあなたがいる
 私の寂しい夜は過ぎ去った あなたが私のものだと言ってくれてから… 」

…と、まあ、恋人との出会いを手放しで喜んでいる、オノロケ・ソングです。


でも、素敵な人との出会いがあった日には、こんな気分になりますよね。
景色がいつもと違って見えたりするもの。
あら、空ってこんなに青かったかしら、とか、
夕焼けの美しさにわけもなく涙ぐんだりして…

そう、恋は、人を詩人にするんです。
おおいに恋をしましょう! 幸せな人の笑顔はとっても素敵。
それに、幸せな人は、周りの人に優しくできますから。


この曲は、恋人と二人で聴くよりも、一人の部屋で出会いの喜びや不思議さを
かみしめながら聴きましょう。(にんまりしちゃってもいいし)

まず、歌詞を大切に歌うダイナ・ワシントンのバージョンは、はずせません。
踊り出したい気分の人は、前回も登場したエスター・フィリップスの
ディスコ・サンバ風のバージョンで、どんどん踊っちゃってください!!
(ちなみに、エスターはダイナをこよなくリスペクトしていますから、二人を
聞き比べると面白いですよ)
私の一番のお気に入りは、ルネ・マリーのジャズ・サンバにアレンジしたもの。
これは2000年に発売されたCDですから、現在(いま)の時代のジャズのパワーが
みなぎっている名演です。それもそのはず、マルグリュー・ミラーのピアノです。

では、何を呑みながら聞きましょうか?
この曲には、甘いドイツワイン(猫ちゃんの絵のカッツがお薦め)をソーダで割った
スプリッツァーがいいかな。
元は、メキシコの曲ってことなら、テキーラ・サンライズもいいですね。
(テキーラとオレンジジュースとグレナデンシロップのカクテル)
ただ、一人の部屋でカクテルは無理があるので、恋人と「この出会いに乾杯!」
な~んて、見つめ合ってくださいな、もう。




Unforgettable

2007-06-15 21:45:18 | Weblog

「あなたのことが 忘れられないの
 近くにいても 遠く離れていても
 まるで恋の歌のように 心にまとわりついて… 」
 
…と、歌うこの歌は、恋の歌とも、亡くしてしまった大切な人を想う歌ともとれます。
 ※ そういう意味では、森山良子の「涙(なだ)そうそう」と同じ。

たとえどんなに時間や距離に隔てられても、いとしい人を想う心は止められないもの。
そんな切なさがジンジン伝わる美しいバラードです。


最も代表的なのは、ナット・キング・コールのバージョンでしょう。
さらにすばらしいのは、この曲が発表されてから40年後の’91年に出た
ナットの愛娘ナタリー・コールによる夢の父娘共演。
もちろん、ナット・キング・コールはとうに亡くなっている(’65年没)のですが、
テクノロジーのおかげで、見事にデュエットが成立しています。
グラミー賞の授賞式で、ナット・キング・コールの映像をバックにナタリーが歌う
感動的なシーンを覚えていらっしゃる方も多いのでは?

王道のバージョンとは違うものをお望みの方には、エスター・フィリップスはいかが?
アップテンポのアレンジもさることながら、彼女の独特の声とビブラートは
一度聴くと忘れられません。
好き嫌いのはっきり分かれるタイプのシンガーですが、私はかなり好きです。


さて、この曲に合うお酒は何かしら・・・

いとしい人を想って(胸をキュンとさせながら)聴くのなら、チャイナ・ブルー。
ライチのリキュールとブルーキュラソー、グレープフルーツジュースをシェイクした
甘酸っぱくてほんのり苦いカクテルです。
亡くしてしまった大切な人を想って聴くのなら、その人の好きだったお酒を呑みながら
がいいでしょうね。
私の場合は、亡き父の好きだったスコッチ・ウィスキー。
水で割ったりせず、ゆっくりと芳香を味わいながら…


Teach Me Tonight

2007-06-11 23:26:35 | Weblog
今日は、恋のツールに使える曲をご紹介しましょう。

‘Teach Me Tonight’ 

「私は、学ばなきゃいけないことがたくさんあるの…
 恋のABCからXYZまで、そしてその不思議まで…今夜教えて。
 夜空は黒板。流れる星で‘I Love You’と書きましょう…」

なーんて、かわいくも、セクシーにも迫れる曲です。

こんな歌で迫られて逃げ出すようなオトコは、ゆめゆめ追いかけてはいけませんヨ、
お嬢さん方。
ま、迫る相手は、よーく選ばないと、ね。

さぁて、誰のバージョンからご紹介しましょうか。
貴方が恋の初心者ならば、最初にこの曲をヒットさせたジョー・スタッフォード
(ジョーといっても女性です)あたりから。
相手にうまくかわされたときに、「…なーんちゃって」と逃げ道を用意しておく
恋愛中級レベルの貴方には、アル・ジャロウのポップなノリがお薦めです。
これと定めた相手は必ず落とす…という上級者は、ダイナ・ワシントンで
強烈に迫りましょう!
個人的には、フィービ・スノウのブルージー&ソウルフルなバージョンが
一番のお気に入り。自分がライブで歌うときも、このニュアンスをちょいと
パクらせてもらってます。

この曲にはもう、甘~いお酒しかないでしょ。
甘い気分に酔いたいだけなら、フルーツ・ワインとか、シードルあたりで
いきますか。
今夜は落とす…と決心を固めているならジャズ・バーでこの曲をリクエストして、
ビトウィーン・ザ・シーツ(ブランデーとコアントローとバカルディのラムに
レモンジュースをシェイクしたカクテル)で乾杯。

あ~、アタシにも、こんな夜もあったよなぁ…


全ての恋する人たちに…Good Luck!


Lover, Come Back To Me

2007-06-10 00:29:41 | Weblog
恋に戸惑う乙女心を歌ったMISTY、
すばらしい恋人にめぐりあった喜びを歌い上げるFor Once IN My Life、
とくれば、今度は失恋の歌を取り上げないと。

今回の「Lover,Come Back To Me」も、とりわけ日本で人気のある曲です。
1928年に、ミュージカル「New Moon」の挿入歌として発表されましたから、
おおよそ、80年にわたって歌い継がれてきているんです。
恋をなくした時の痛み、苦しい想いはいつの時代も変わらないですものね。


「空は青く高く、私の恋も新鮮だった。
 でもあの日々は過ぎ去り、貴方は去っていった。
 貴方のどんな些細なしぐさも覚えているの。
 どの道を歩いても、そばに貴方がいたことを思い出す。
 私の痛む心が歌う…恋人よ、私のもとに帰ってきて、と」

片思いで失恋するより、いつもそばにいてくれた恋人が心変わりして
去っていった失恋のほうが、つらいよね。こたえるよね。
どこに行っても、何を見ても、恋人とのさまざまなシーンがよみがえって
何もできなくなってしまう。
そんな時は、紛らわそうとするよりも、どっぷり悲しみひたっちゃえ~!
思いっきり泣いちゃえ~!

でもね、それを恨みや憎しみに転化するのだけはやめよう。
きっとあなたを醜く変えてしまうから。
悲しみの淵から顔を上げたら、できるだけ美しいものを見て、素敵な音楽に浸ろう。
背筋を伸ばして、歩いてみよう。
きっと恋を失う前より、もっとずっと素敵なあなたになっているはず。


さて、おすすめの名唱ですが、哀切の極みといった絶唱は、やっぱビリー・ホリディ。
絶望感に近い切なさを表現させたら、彼女にかなう人はいません。
切ない歌ですが、アップテンポでスリリングに演奏されることも多いです。
その代表格はダイナ・ワシントンとクリフォード・ブラウン(トランペット)の
スタジオ・セッション・ライブ。これはもう圧巻です。ダイナに「帰ってきて」
と言われたら、オトコは、「はい、すみませんでした…」と、すごすご帰ってきそう。
ひとり、ひざを抱えて聴きたいあなたには、オーソドックスなところで、
エラ・フィッツジェラルドをお薦めしておきましょう。
エラ版がいいのは、絶望のどん底に連れていかず、光があることを示してくれるから。

さあ、思いっきり泣いたら、音楽をかけて、一杯やりましょ。
1,2杯でがつんと眠りに誘ってくれるお酒がいいかな。
この曲に甘いカクテルは似合いません。
あまりクセがなく、ちょっぴり苦いアイリッシュ・ウィスキーなんてどうでしょ。
アタシの好みはブッシュ・ミルズですが、タラモア・デューでも。


For Once In My Life

2007-06-07 23:10:13 | Weblog
前回は、恋する乙女の不安な気持ちを歌った‘MISTY’を取り上げましたが、
今回選んだのは‘For Once In My Life’
1965年に発表された、スタンダード・ナンバーの中では比較的新しい曲です。

「私が心から必要とする人。そしてその人も私を必要としてくれる…
 長い間待ちわびていた。もう怖くはない、私は強くなれる…」
生涯に一度の本当の恋に出会えた喜びと、心に湧き上がる強さを歌った曲です。

恋をして、その相手からも想いを伝えられたら、(たとえそれが何回目の恋でも)
こんな気分になりますよね♪
この曲は、一人で聴くよりは恋人と二人で…あるいは気持ちを伝えるのが苦手な
照れ屋さんが、恋人にプレゼントするのにぴったりです。

わかりやすい歌詞と、自在なアレンジが可能なメロディーで、多くのシンガーが
名唱を残しています。

まずは、最初にこの曲をヒットさせたトニー・ベネット。
当然、恋の喜びを高らかに歌い上げる熱唱です。
こ、こ、これは彼氏(または彼女)に贈るには、こっ恥ずかしい…
という方には、ポップなスティービー・ワンダーのバージョンはいかがでしょう?
アタクシは、じっくりとかみしめるように歌うカーメン・マクレェが心に沁みます。
やだ、アタシってオ・ト・ナ

(…な~んて言ってる割には、自分が歌うときには超ノリノリのサンバにアレンジ
 して歌ってます… うぅ、アタシに「しっとり」は似合わない… )


さぁて、何を呑みながら聴くかですが、恋人と肩を寄せ合って聴くのなら
軽めのキール(白ワインとカシスのカクテル)あたりがいいかな~。
ちょっとリッチな時なら、白ワインをシャンパンに変えてキール・ロワイヤル
としゃれこみましょ。

一人で人生の(恋の)喜びに浸りながら聴きたいオトナなあなたには、
カルバドスがお薦めです。
リンゴのブランデーで、甘い香りに反してアルコール度数は高めなので、
お気をつけあそばせ。
(危ない恋とおんなじです。うふふ・・・)
 

MISTY

2007-06-06 01:41:38 | Weblog
記念すべき初ブログ!
タイトルに選んだのは、日本人が一番好きな(と、言われている)ジャズ・スタンダード・ナンバー‘MISTY’
「私は木の上に置き去りにされた子猫…あなたがそばにいても、あなたを見失う…」と、恋する乙女の不安なココロを歌うバラードです。

私もかつては、こーんなカワイイ女のコだった(はず)。 だから、今でもこの曲を聞くと切ない澄んだ気持ちになります。
恋に迷っている私の周りの若い女友達の顔が浮かびます。
不安で、足元がグラグラして、胸が苦しくて… 当たり前だよ、恋してるんだから。

そんなあなたに届けたいな、この曲。ほんとはアタシが耳元で歌ってあげたいけど…

‘MISTY’といえば、まず誰もが挙げるのが、サラ・ヴォーン。
でもね、サラは巧すぎて切なさが足りないかも。
そう言う意味では、キャロル・スローンがお薦めかな。 
これはオトナすぎて…ってヒトには、思いきって、ダニー・ハサウェイなんていかがでしょう? 魂(ソウル)をわしづかみにされちゃいます。
あんまりデイープなのもちょっと…という貴方には、ジャズ・フィドル(バイオリン)の名手、ステファン・グラッペリのインストゥルメンタルのバージョンがいいかもね。
…で、何を呑みながら聴くか、も大切!

タンカレーのジン・トニックにライムを多めに絞って…なんてのは、オーソドックスすぎますネ。
甘酸っぱくてほろ苦い乙女の恋心にぴったりのお酒…
あ、ありましたー!
アタシの相方のKozyが最近考え出したカクテル!!
梅酒をホッピー・ホワイトで割るんです♪ 
まだ名前もついてないので、素敵なカクテル名を、募集中です!
呑んでみたい! というかたは、大阪千日前の味園ビル2階の「ZZ BAR」へどうぞ♪
「ZZ BAR」には、今回ご紹介した‘MISTY’の名演の数々…どれも揃ってます。