RSM MBA Life

オランダロッテルダムにあるRSM Erasmus UniversityのMBA Programに通う学生達の日記。

Term3 Advanced Course (Sustainability)

2019-11-12 21:29:51 | MBA20全般
こんにちは、Yutaです。今日はTerm3で私とJunnaさんが選択した「Sustainability Advance」コースについて簡単にご紹介したいと思います〜!

このコースは正に「MBAを体現している」と呼んで過言ではないと思います。なぜなら授業の中に「理論→実践→改善」という一連のビジネスプロセスが盛り込まれているからです。

このコースの目的は「Sustainability」という考え方/フレームワークを、実際のビジネスの現場に落とし込んでいくことによって体得するというものでした。最終目的は、クライアントに対して「このクライテリア(基準)を使えば、サステイナブルな企業運営が可能になります」と提案することなので、そのために必要な準備を前半は行いました。

教授曰く「今、世界では、空前の「サステイナビリティブーム」だけれど、そもそもの根本/基礎をきちんと押さえないとね」ということでした。そこで、前半の授業では主に、SDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)とGRI(Global Report Index)の2つのフレームワークとその利用事例について学びました。またラパポートモデル/ステークホルダーモデルという考え方を中心にして、企業戦略がどの様にコスト、収益、リスクなどに影響を与えるのかについての理解を深めました。

余談ですが、日本のANAが実施している、環境に配慮した飛行機の運航方法が一つの交通産業のモデルケースとして取り上げられていました。頑張っているよJAPAN!!

後半は、実際にデン・ハーグにあるクライアントオフィスに1週間缶詰になり、提案する資料を作りこみました。SDGsやGRIが大手企業に求めている基準は理想的であるけれども、それと現実とは乖離がある。その中で、妥当なクライテリアをどのぐらいのタイムフレームで提案するのか、ということを重ねて議論しました。

プレゼン後、いくつかのQ&Aを経て、最終的には、クライアントから非常に高い評価をいただくことができ、また来年に向けて実装していくプロセスも一緒にやってほしいという前向きなコメントをいただきました。

個人的には、同じグループ内のメンバーとの意見の対立や、他のメンバーが考える「理想」や「実証性」と自分の考えに違いがあり、議論の中で沢山の軋轢や摩擦がありました。思い入れが強い分、感情的な議論になることもありながら、「人に納得してもらうのって難しいよな」と思いながら議論していました。最中は大変ですが、そういう摩擦や軋轢も含めて、MBAで学べる尊いことだな、と思いました。

余談ですが、実は、このコースは、本来は開講される予定ではなかったのですが、クラスメイトからの強い要望により開講されることになりました。(希望者を募り、マネジメントオフィスに掛け合い、アンケートを実施し、教授を招聘するという中々チャレンジングな経験でした)。

そのため、前半の期間は、教授がコスタ・リカから毎度スカイプで参加するという少し変則的な形になりました。教授がクラスにはいないという珍しい状況でしたが、返って参加学生の当事者意識も高まり、とても白熱したクラスダイナミクスとなりました。ですので、来年度は同じ仕組みで開講されるかは未定ですが、Advance Courseは自分の興味にDeep diveするいい機会ですので、ぜひ有効に活用してみてください!

Term3 Advanced Course (Supply Chain Management)

2019-08-10 16:43:06 | MBA20全般
シュンです。Term3で選択したAdvanced Supply Chain Managementについてご紹介します。

約3週間のコースを通じて、調達から製造、販売までのサプライチェーンをどうやって効率化するか学ぶのが目的です。
コースを選択したのは23人と他のアドバンスコースと比べると少なく、そのほとんどがアジア人(インド、韓国、中国、台湾、日本)でした。前職でサプライチェーン関連の仕事をしていた人が多い印象です。

前半は、購買分野を専門に研究しているオランダ人教授による、基礎的な理論の講義が中心でした。安く調達することが重要なのはもちろんですが、納期や品質、サプライヤーにおけるコンプライアンス、さらにはサステナビリティ、といった視点からもサプライヤーを評価し、それぞれの組織にあった選定基準を設定することが重要ということを学びました。また、発注形態とそのリスクに応じた契約書の違いや、サプライヤーとの関係構築とモニタリングといった調達に関連する業務全般を一通り押さえることができました。

後半は、インド人教授のもと、数学的なアプローチによるオペレーションモデルを学びました。「在庫が多すぎると保有コストがかかるけど少なすぎると機会損失が発生するのでどうしようか」という課題についてビジネスモデルやリスクに応じた最適な在庫数量と発注数量を決めましょう、という在庫管理の話がメインでした。また、インドのランチデリバリーサービスのケーススタディでは、物流のオペレーションを工夫することでリードタイムを短縮できるという内容を学びました。

その他、ハイネケン本社工場への会社訪問、大手海運会社や欧州系資源会社のオペレーションマネジャーによるゲストレクチャー等、クラス以外の活動も多く盛り込まれていました。実際にサプライチェーンの現場の話を聞ける貴重な機会となりました。

コースの評価はクラスへの貢献度、事前課題に関するミニテスト、グループワーク、最終試験、と複数ありました。Term3からは比較的授業のペースも楽になると想定してましたが、内容も課題も多い上の試験もある割と大変なコースでした…。教授は「サプライチェーンマネジャーとしての基礎的な内容を3週間で一通りカバーできるプログラムになっている」と言っていたので、私もサプライチェーンマネジャーと名乗れることになります(笑)




 


Term3 Advanced Course (Marketing)

2019-07-03 15:18:56 | MBA20全般
サキコです。Term 3 の Advanced Marketing について紹介します。
期間:6月 (1日2クラスの日もあったので、約2週間で終わりました)

■概要
Term2のMarketingで学んだSTP (Segmentation, Targeting, Positioning)などをさらに追求していくと同時に、新たにCLV(Customer Lifetime Value)などを学びました。AssignmentはPre-readingのケースに沿ったIndividual Assignment×4 + CLVのシミュレーションゲーム(group) +Presentation (group) + Pre-readingのケースを元にしたProposal(group)と盛りだくさんでした。ただ、Examもないし個々のAssignmentもそこまで重くないので、他のAdvancedに比べたら負荷は低いと思います。

■特徴
CLVのシミュレーションは、”Customer Centricity”という名前で、Chief Marketing Officerとしてmarket valueを高めることをゴールに戦略的に予算配分(Advertising / Customer Service...) していきます。Term2のMarkstratに比べると得られる情報、意思決定できる範囲が少なく、ややつまらないのが正直な感想ですが、ビジネスにおいて完璧な情報を得られることはないという観点ではある意味Markstratより現実に即したゲームです。Gradeに反映されます。

Presentationは「MarketingにおけるTrend」を各チーム(全7)30分発表するというものでした。私達のチームは「Advertising Fatigue (広告疲れ)」をテーマに、いかにCustomerを惹きつけられるかをSpotifyのStory telling手法など会社の成功事例を用いながら発表しました。他チームもiBeaconやSustainability×Marketingなどバラエティに富んだテーマで、興味深いプレゼンでした。

Individual Assignmentでは日本のバッティングセンターのケースが出ました。少年野球、セミプロ…など複数のセグメントの中でどのセグメントをターゲットにするかをケースの情報 (新規顧客獲得費用 [acquisition cost]、churn rateなど)を元に決定します。

■感想
Segmentationの方法についてTerm2のMarketingではカバーし切れていなかった範囲を深く学ぶことができたのは良かったです。ただ全体として基礎、知識的な内容が多かったことから、Term4に開講されるElectiveのMachine Learningや統計システムRを使ったクラスを楽しみに待ちます。

Term3 Advanced Course(ファイナンス)

2019-06-21 22:36:42 | MBA20全般
はじめまして、MBA20のユースケです。

1月の授業開始から約半年が経ち、気づけばTerm3も半ばです。
以前の記事でも触れていますが、全員が同じ科目を受講するTerm1、2とは異なり、Term3からは各学生の選択にもとづき、MarketingStrategyFinanceSupply Chain ManagementSustainabilityの5つのAdvanced Courseから1つを受講します。
MBA20の日本人学生の選択はMarketing、Finance、Supply Chain Managementが1人ずつ、Sustainabilityが2名です。試験や課題の量はコースによって異なりますが、各コースとも10~12回の授業が約3週間にわたって行われます(※Sustainabilityはスケジュールが少し異なります)。ちなみに全体の受講者内訳も、たまたまなのか、MBA20では約30人ずつにきれいに分かれていました。

私はファイナンスを選択したので、以下ではその概要をご紹介します。
このコースでは、経営環境、金融市場の複雑性や不確実性というリスクをいかに避けながら、企業価値向上につながるようなファイナンスに関する意思決定を行っていくかについて理解することを目的に、事業や投資の価値評価方法、企業の資本構成や財務レバレッジのもたらす効果、先物やオプションのリスクヘッジ、企業価値向上のためにコーポレートガバナンスがなぜ必要とされるかなどを学びます。授業は座学中心でしたが、Term1、2で学習した割引率を利用したNPVの計算や、先物、オプション、金利スワップ等の理解をもとに、企業の株価の推移や財務諸表を用いて、自分たちで企業価値や事業の収益性が理論上適正かどうかなどを計算する演習も多く行うなど、各種ツールの「使い方」だけでなく「どう使うか」にも焦点を当てていたと思います。また、個人ワークだけではなく、これまでのTermと同じく5、6人のグループで、企業の自己株式取得や金利スワップを実施すべきかを判断するケーススタディにも取り組みました。

個人的には、留学前にコーポレート部門で仕事をしていたこともあり、コーポレートガバナンスとファイナンスの関連性について学べたことが有意義でした。金利や為替の変動、倒産などがリスクに限られるのではなく、株主と経営者の追求する利益の違い等もリスクととらえ、それをいかに克服していくかもリスクマネジメントの一環であるという視点を得ることができました。
ファイナンスは実務経験がないととっつきづらい印象かもしれませんが、じっくり学ぶことができたいい機会になりました。実際、選択した学生のうちでも、私を含め約4割の人は未経験でした(ちなみに期末試験は経験者でも難しかったと言っていました・・・)。

他のコースについては、順次ご紹介していきます!

MBA20スタート

2019-02-27 10:10:32 | MBA20全般
2019年1月からRSM Full-time MBA Class of 2020(MBA20)が始まりました

MBA20としては初めてのブログ投稿となりますので、MBA20の概要と日本人メンバー5名の簡単な紹介をしたいと思います。

【概要】
MBA20は例年より人数が多く、北南米、アジア、欧州、アフリカの37ヶ国から137人が参加しています。
平均年齢は30歳、平均就業年数は7年となっており、多様なバックグラウンドで豊かな経験を積んだメンバーが集まっています。
国別では人数が多い順に、インド20名、中国14名、台湾14名、アメリカ13名となっており、日本からは5名が参加しています。 
RSMの特徴としては、グローバルリーダーの育成、ダイバーシティ(女性は56名と全体の41%)のほか、利益の獲得と社会課題の解決の両立を目指し長期的な価値の最大化を図るサステナビリティ分野に強みを持っています。

【日本人メンバー】
ユースケ
31歳、独身、Class2020の中では唯一の社費留学。大学卒業後、鉄道会社で総務・法務部門を経験。純ドメであったので海外生活は初。各国の留学生のパーソナリティと英語力に毎日圧倒されています。

シュン
30歳、既婚子持ち。
大学卒業後、監査法人にて監査と財務アドバイザリー業務を約7年間経験した後、私費留学。

ジュンナ
29歳、独身。
米国カリフォルニア育ち。主に水族館関係の仕事を5年ほどした後、私費留学。海外での生活、仕事経験は豊富だが、ビジネス系の勉強は初めて。

サキコ
27歳、独身。
大学卒業後、メーカーで主に国内市場の営業企画を約4年経験。海外生活は初。私費留学。

セント
25歳、既婚。
大学在学中に米国留学(1年)。卒業後は、米国系旅行会社で勤務(1年半)しその後、自身の旅行会社を立ち上げ(1年)。私費留学。

Term1の期末試験も迫っていますが、こんな感じのメンバーで1年間頑張っていきます。よろしくお願いします。