働き方改革関連法ノート

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)や厚生労働省労働基準局などが開催する検討会の資料・議事録に関する雑記帳

労働基準関係法制研究会(第8回)開催

2024年06月29日 | 労働基準法改正
厚生労働省「労働基準関係法制研究会」は「新しい時代の働き方に関する研究会」につづいて設置された厚生労働省の有識者会議になり、検討事項は「『新しい時代の働き方に関する研究会』報告書を踏まえた、今後の労働基準関係法制の法的論点の整理」と「働き方改革関連法の施行状況を踏まえた、労働基準法等」とされています。

厚生労働省 労働基準関係法制研究会(第8回)
厚生労働省(労働基準局)有識者会議「労働基準関係法制研究会」の第8回研究会が今週木曜日(2024年6月27日)に開催されます。議題は「ヒアリング」「労働基準関係法制について」となっています。

まず「ヒアリング」では全国社会保険労務士連合会と一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会からヒアリングが実施されましたが、 プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の提出資料には「フリーランス・ギグワーカーの労働者性に係る現状と課題」とのタイトルがつけられていました。

また「労働基準関係法制について」では労働基準法における「労働者」について議論されましたが、アドバンスニュースは「労基法の労働者の判断基準(昭和60年<1985年>労働基準法研究会報告)をどのように考えるか」「労働基準法、労働者災害補償保険法、労働安全衛生法等の『労働者』を同一に解釈する意義は何か」「家事使用人について、時代の変化を踏まえて、労働基準法を適用することについてどのように考えるか」の3点について議論されたと報じています。

そして朝日新聞デジタルは「家庭に直接雇われて働く家政婦(夫)の『家事使用人』について、厚生労働省は、労働基準法を適用して「労働者」として保護するため、同法を改正する調整に入った。労働条件が不明確で労災の対象外といった問題点の是正を図る」と報じました。

そして朝日新聞の澤路毅彦編集委員は個人のX(旧ツイッター)アカウントで「荒木先生の指示で、今後、各論点について事務局が案を示すことになっています。明日はまず、労働者性。家事使用人は労基法の対象にする方向性。1985年報告を見直す場合の論点も整理されています」とポスト(旧ツイート)していますが、「事務局」とは厚生労働省のことで、「荒木先生」とは荒木尚志「労働基準関係法制研究会」座長のことで、「1985年報告」とは労働基準法研究会報告(労働基準法の「労働者」の判断基準)のことになります。

荒木「労働基準関係法制研究会」座長の指示により厚生労働省が作成した(労働基準法における「労働者」に関する)案は次の資料(PDF)の6ページになります。

労働基準法における「労働者」について(PDF)

厚生労働省 労働基準関係法制研究会とは
「労働基準関係法制研究会」は「新しい時代の働き方に関する研究会」につづいて開設された厚生労働省(労働基準局)有識者会議になります。

「労働基準関係法制研究会」の目的は「今後の労働基準関係法制について包括的かつ中長期的な検討を行うとともに、働き方改革関連法附則第12条に基づく労働基準法等の見直しについて、具体的な検討を行うこと」とされています。

また「労働基準関係法制研究会」の検討事項は「『新しい時代の働き方に関する研究会』報告書を踏まえた、今後の労働基準関係法制の法的論点の整理」と「働き方改革関連法の施行状況を踏まえた、労働基準法等」とされています。

厚生労働省 労働基準関係法制研究会メンバー
労働基準関係法制研究会のメンバー(構成員)は、荒木尚志・東京大学大学院法学政治学研究科教授(座長)、安藤至大・日本大学経済学部教授、石﨑由希子・横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授、神吉知郁子・東京大学大学院法学政治学研究科教授、黒田玲子・東京大学環境安全本部准教授、島田裕子・京都大学大学院法学研究科教授、首藤若菜・立教大学経済学部教授、水島郁子、大阪大学理事(兼)副学長、水町勇一郎・早稲田大学法学学術院教授(元 東京大学社会科学研究所比較現代法部門教授)、山川隆一・明治大学法学部教授 (50音順)。

厚生労働省 労働基準関係法制研究会の経過
・議題は毎回「労働基準関係法制」とありますが、2024年1月23日に開催された第1回研究会ではメンバー(構成員)全員が労働基準関係法制全般について個人としての意見を述べています。

・2月21日に開催された第2回研究会では「労働時間制度」について議論されました。

・2月28日に開催された第3回研究会では「労働基準法における『事業』及び『労働者』」について議論されました。

・3月18日に開催された第4回研究会は「労使コミュニケーション」について議論されました。

・3月26日に開催された第5回研究会では、これまで議論された「労働時間制度」「労働基準法における『事業』及び『労働者』」「労使コミュニケーション」についての論点を整理しながら、さらに掘り下げて議論を一巡したようです。

・4月23日に開催された第6回研究会では第5回研究会でのメンバー(構成員)意見を踏まえて議論を深めて論点を再整理したようです。

・5月10日に開催されて第7回研究会は「労使団体ヒアリング」として経団連と連合からヒアリングが実施されましたが、経団連と連合はそれぞれ労働基準関係法制に関する提言をしています。

・6月27日に開催された第8回研究会では議題は「ヒアリング」「労働基準関係法制について」となっていましたが、「ヒアリング」では全国社会保険労務士連合会と一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会からヒアリングが実施されました。そして「労働基準関係法制について」では労働基準法における「労働者」について事務局(厚生労働省)が資料として提出した「案」が議論されたようです。

労働基準関係法制研究会(厚生労働省サイト)

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