働き方改革関連法ノート

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)や厚生労働省労働基準局などが開催する検討会の資料・議事録に関する雑記帳

つながらない権利を否定する労働基準関係法制研究会メンバー

2024年09月10日 | つながらない権利
「つながらない権利を労働者の権利として構成することには違和感がある」
厚生労働省サイトによると厚生労働省(労働基準局)有識者会議「労働基準関係法制研究会」の第13回研究会は明日(2024年9月11日)に開催されます。議題は「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇について」。

『資料1 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇について』には「最長労働時間規制」「労働からの解放の規制」「割増賃金規制」について記載されています。

資料1 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇について(PDF)

この資料1の7ページ(「労働からの解放の規制」の項目)には第10回・第11回研究会のメンバー(構成員)の意見として「つながらない権利」について「つながらない権利について、労働のON/OFFをはっきりさせた上で、OFFについては基本的に使用者が介入しないものであるのが本来なので、つながらない権利を労働者の権利として構成することには違和感がある」と「つながらない権利」法制化に対して否定的なコメントが書かれています。

また「つながらない権利について、フランス等で先進的な事例があるものの、会社が違えばつながらない権利の具体的な形もそれぞれ違うというくらいに、非常に多様。このため、労使できちんと協議することを義務付けている。基本的には労使で、労働実態を踏まえてきち んと協議をし、ルールを定めて具体的に実現するようにすることとするしかないのではないか」とも記載されています。

厚生労働省「労働基準関係法制研究会」とは
厚生労働省「労働基準関係法制研究会」は、「新しい時代の働き方に関する研究会」につづいて開設された厚生労働省(労働基準局)有識者会議になります。

「労働基準関係法制研究会」の目的は「今後の労働基準関係法制について包括的かつ中長期的な検討を行うとともに、働き方改革関連法附則第12条に基づく労働基準法等の見直しについて、具体的な検討を行うこと」とされています。

また「労働基準関係法制研究会」の検討事項は「『新しい時代の働き方に関する研究会』報告書を踏まえた、今後の労働基準関係法制の法的論点の整理」と「働き方改革関連法の施行状況を踏まえた、労働基準法等」とされています。

厚生労働省「労働基準関係法制研究会」メンバー
厚生労働省「労働基準関係法制研究会」のメンバー(構成員)は、荒木尚志・東京大学大学院法学政治学研究科教授(座長)、安藤至大・日本大学経済学部教授、石﨑由希子・横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授、神吉知郁子・東京大学大学院法学政治学研究科教授、黒田玲子・東京大学環境安全本部准教授、島田裕子・京都大学大学院法学研究科教授、首藤若菜・立教大学経済学部教授、水島郁子・大阪大学理事(兼)副学長、水町勇一郎・早稲田大学法学学術院教授(元 東京大学社会科学研究所比較現代法部門教授)、山川隆一・明治大学法学部教授 (50音順)。

労働基準関係法制研究会(厚生労働省サイト)


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