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『レ・ミゼラブル』 (2012) / イギリス

2012-12-21 | 洋画(ら行)
【管理人からのお知らせ】
しばらくの間ですが、本作のレビューUPが落ち着くまで、当方のTBを
承認制にします。
場合によっては反映しないこともありますので、TBなさる方はご承知の上、よろしくお願いします。







原題: LES MISERABLES
監督: トム・フーパー
出演: ヒュー・ジャックマン 、ラッセル・クロウ 、アン・ハサウェイ 、アマンダ・サイフリッド 、エディ・レッドメイン 、アーロン・トゥヴェイト 、サマンサ・バークス 、ヘレナ・ボナム=カーター 、サシャ・バロン・コーエン

公式サイトはこちら。


ミュージカルとして名高く世界中にファンを持つ「レ・ミゼラブル」。
この予告は相当前から流れてて、キャストも主役級を揃えてましたし、しかもアフレコじゃなくて歌いながら演技して収録するという、並の映画では到底考えられないことをやってしまっている。当然期待しますよね。


俳優陣は皆歌いながら演技をする訳で、でもその歌がある程度の水準じゃないとこの作品は成立しなさそう・・・と思っていただけに、予想以上の高い水準で歌っていることに安心する。セリフはほぼ歌の形式なので、歌えないといけない。
ヒュー・ジャックマンはかなりいい声だったし、アマンダ・サイフリッドの歌唱レベルの高さも見どころ。
そしてアン・ハサウェイが歌う「夢破れて」も、それまでの人生を振り返っていつの間にかどこかで間違えてしまったという後悔と共に、それでも生きるしかないという決意が感じられる。
エポニーヌ役のサマンサ・バークスが主要キャストでは唯一舞台にも出ているため、歌唱力は安定しているように思う。


歌もだが、演技にも本作に携わる俳優陣の並々ならぬ決意が感じられる。
人を信じられなくなって自暴自棄になっていたいたジャン・バルジャンが、次第に大事な人を守るために変容していく様子は、威厳を持ち合わせたかのように感じるほどだ。コゼットとの出会いが彼を変え、そして大事なコゼットが愛するマリウスにも実の息子のようにジャンが愛情を注ぐ様子には心を揺さぶられる。
宿敵ジャベールから逃げて生き残ることばかり考えていたジャン。しかし何度かに渡るジャベールとの邂逅の中で、法だけが唯一絶対と譲らないジャベールに対してもまた人間としての憐みを注ぐ。
敵対する勢力や、どうしようもない運命にも流されず、愛を与えることによってジャン自身も救われていったのだろう。


全体的には映画というよりは限りなくミュージカルに近い仕上がりになっている。セリフもそうだけど、見せ方もそう。例えば六月暴動のバリケードや、ジャベールが佇むノートルダム橋の欄干などがそうだけど、場面が舞台の転換のように作っている。
原作未読で舞台も未見なので、ここを頼りに思い起こしてみると、テナルディエがマリウスに対して果たした役割というのがまるまるカットされてしまっているようだが、ここは時間や演出の都合上なのだろうか。その方がテナルディエが善人ということがよりよくわかると思うのだけど、本作ではあくまでテナルディエ夫妻は悪の象徴として描かれてしまっている。全く「レ・ミゼラブル」を知らない人にとってこれでいいのかどうかは疑問だけど。。


尺こそ160分弱で長いが、全ての話を初心者にもわかりやすくまとめた点では、これは壮大な「レ・ミゼラブル」の入門編とも言うべき作品になっている。そこから原作を紐解くもいいし舞台を観るもいいし、映画を振り返るもいいし、それは観客が広げていく世界なのだろう。ラストの集合シーン、愛と自由を求めて立ち上がる民衆の姿は圧巻。
コンパクトに質のいい演技をエッセンスとして詰め込んだ作品として、語り継がれるだけのものは十分にある。がしかし、映画自体の高揚感は本作ではあまり感じなかった。あくまでもこれは「ミュージカルの再生版としての映画」であり、映画そのものではないように思う。もしも本作を全く違う楽曲で構成し、ミュージカルを1つとしてなぞらえなかったならば、そこには新たな価値が生まれるのだろうけど、楽曲も全く同じとなると、いくら俳優陣が歌えて演技できるとは言え、そこにミュージカルの色を濃く感じざるを得ない。


★★★ 3/5点






<TB専の方はここまで全く内容を読まれていないと思いますので再度書きます>
しばらくの間、当方TB承認制にしますので、
場合によっては反映しないこともあります。それでもTBなさる方はご承知置き下さい。







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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
テナルディエ (ナドレック)
2012-12-22 20:26:36
こんにちは。
ピタリのキャスティングに舌を巻きました。俳優陣の力を引き出した監督の力量にも脱帽です。
ところでミュージカルのテナルディエは徹頭徹尾悪党ですよ。
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ナドレックさん (rose_chocolat)
2012-12-22 21:16:01
そうですねえ。。
私この作品、嫌いではないのです。
みなさんいい仕事しているとは思います。

上手く言えないのですが、絶賛、ではないんですよね。何か釈然としないものがありました。
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ありゃ?ツボは?入らない (q ミュージカル好きなのに)
2012-12-29 00:01:53
ヒュー・ジャックマン好きだし。
ミュージカル大好きだし
自他共に認める「オペラ座のファントム」の
ファントム好きで、舞台とか好きで
レミゼは、ちょいちょい舞台で観てたのに
ありゃ?ヾ(゜ー゜ヾ)^?。。。ン? おかしいなぁ・・・
名作中の名作じゃないっすか!
この、盛り上がって、皆が 大声で歌い
清らかに儚げに、そして自信家の要に歌って
うわー 感性が声に乗ってる
って思って観たけれど・・・
観終わって ジーンとしたとか無いし
ツボに来なくて泣きまくるコトも無し
 うーん おかしいなぁ・・・
セリフの大切さってコトなのかなぁ・・・
 なんなのでしょーね  こり、もやもや感(苦笑)
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qさん (rose_chocolat)
2012-12-29 08:23:24
うん、私もミュージカル好きなんだけど、ハマらなかったねえ。
もやもや感というか、うまく説明できないけど・・・。 笑
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