監督: 本木克英
脚本: 橋部敦子
出演: 玉木宏 、高梨臨 、木村文乃 、東出昌大 、本田翼 、市川実和子 、甲斐恵美利 、時任三郎 、大塚寧々 、小林稔侍 、倍賞千恵子
映画『すべては君に逢えたから』公式サイトはこちら。
全国68会場で行われた、イオンシネマ一斉試写会に行って来ました。これは何故か邦画なのにワーナー配給なんですね。
開映が21:50という異例の遅さ(!)なので、仕事帰りでもまあまあ余裕で行ける時間ではありました(次の日平気ならね)
なんでこんなに開映が遅い? と思ったら、こんな訳だったんですね。
翌21日が今年のボジョレー・ヌーボー解禁日ということで、「終映後の短いイベント」は、これを試写会に来た観客に振る舞うというものでした。
ただ時間帯が時間帯なので(終映時間は当然ですが、終電はない時間帯です)、車で来場している人も多くドライバーさんは飲めない。その人たち(=含む自分)にはボジョレーの代わりにぶどうジュースが出たんだけど、やっぱりボジョレー横目にぶどうジュースはかなりうらめしい(苦笑)
1914年に開業した東京駅が2014年12月に100周年を迎えることを記念し、クリスマスの同駅で繰り広げられる男女の恋や家族のドラマを描いたオムニバスストーリー。人間不信に陥ったウェブデザイン会社の社長、仙台と東京で遠距離恋愛中のカップル、意中の先輩に告白できない女子大生、余命半年を宣告された新幹線運転士、母親と過ごすクリスマスを夢見る少女など、10人の男女が織りなす6つのエピソードが描かれる。JR東日本が全面協力し、東京駅でロケを敢行。12年に復元された3階建ての丸の内駅舎や東京ステーションホテル、新幹線での撮影などが行われた。(映画.comより)
「日本版『ラブ・アクチュアリー』を目指す」ようなことは聞いてたんですよね。『ラブ・アクチュアリー』は大好きな作品でDVD持ってるし。でもあちらはイギリスが舞台でこっちは日本で、本場のクリスマスをする国と「クリスマスもどき」に浸るだけの日本じゃそもそもクリスマスに賭ける想いも全く違う。しかもこれって某TV局がんがんバックアップつきだしなあ・・・ なーんて、観る前から一種の固定観念を持たざるを得ないような作品だったことは確か。そしてその全てが見事にその通りだったことも事実。
6つのエピソードということなんですが、本田さんの「クリスマスの勇気」は「遅れて来たプレゼント」と統合してもよかったのでは? つながりを持たせつつも独立させたいのはわかるけど、「遅れて来たプレゼント」では本田さんが結構重要な部分担ってたと思うし、無理矢理分けても仕方がない。5つでよかったんじゃないでしょうか。
その5つにしても、唐突だったり不自然だったり先の展開が分かり切ってしまうものだったり、とにかくトレンディドラマ風なんですよね。展開がすたすたと変わるんですが話に深みがない。オムニバスですがそれぞれをつなげたいんだかそうじゃないんだかもハッキリしない。
「イヴの恋人」は特にトレンディ路線狙った感じ。同じく恋人ものの「遠距離恋愛」と合わせると、昔あったJRのなんとかエクスプレスのCMっぽく・・・。
「遠距離恋愛」ではいきなり被災した宮城県の閖上(ゆりあげ)地区が舞台として出てきますが、一体何故ここを選んだのかという根拠だとか、被災した方たちへの気配り的なものは感じられず、ただのシチュエーションとして選んだだけなのかというあざとさすらも見える。俺たちは自分の恋や現状が大変なんだよだけではなく、せめて仕事に対しての想いが伝わって来て欲しかったのですが。
「二分の一成人式」では、今後の予想は薄々悟ることはできても、余命三カ月の新幹線運転士が果たしてきちんと勤務できる状態なのかという現実的な疑問が残る。仮に勤務していたとしても乗客にとっては結構危険な話ではないの?それにご本人が病人に見えないんですよね。
「遅れて来たクリスマス」これも最後は時間合わせの脚本という感じがして仕方がなかったです。
「イヴの恋人」と、「クリスマスプレゼント」、この2つだけか、「クリスマスの勇気」を統合した「遅れて来たプレゼント」を加えた3つのメインにするだけでも十分シンプルにできたと思うんですけどね。
とにかく脚本がドラマっぽい本作、脚本の橋部敦子さんとは一体どういう経歴なのかと調べてみました。
橋部敦子 wiki
どうやらフジのドラマ枠でずーっと書いて来られて、この度晴れて映画脚本デビューということのようですね。これで展開がTVドラマ的なのもかなり納得行った。
TVはCMが頻繁に入るし、視聴者を飽きさせないためにくるくると場面転換が行われ、次週に持ち越してもいいですが、映画は流れが大事なのでそうはいかない。本作はエピソードがぶつ切りで存在している感じなんですよね。
こうして見ると、9つもの話の全てのエピソードが観客を納得させ、しかも関係性も上手く繋げていた『ラブ・アクチュアリー』がいかに秀逸だったかがわかってしまう。
すっかりクリスマスが定着した日本なんだから、エピソードはいっぱいあるでしょ?と聞かれたら確かにそうなんですが、「クリスマスは家族や恋人と過ごすことが至上命令」的なことだけだったり、商戦や告白チャンス、プレゼントといった表面的な部分でのみ楽しむ日本だと、どうしてもクリスマスな映画やドラマは響かないものしかできないのかもしれないんでしょうかね。
昔観た「29歳のクリスマス」はよかったけど、あれを超えるものはなかなかお目にかかれない様な気がします。
★ 1/5点
膵臓ガンならピンピンしていても三カ月くらいで亡くなってしまうことがあります。怖ろしいです。
『ラブ・アクチュアリー』と比べるのはかわいそう(笑)
「陰日向に咲く」とかとくらべればずいぶんましに思えました。
でもさー、日本版とか書いてるんだから責任あると思いません?? 笑
>「陰日向に咲く」
それ観てないのよね。
ちゃんと感情移入できて、幸せを感じられるようなお話って
やっぱり作るの大変なんですよね。
そうしようと努力した・・・ってのが
ミエミエもなんだかだし。
時任さんのエピは親子の絆で感動させたかったのかもしれませんが
よりによってイヴに告知で泣きながら抱き合うってのは
ちと残酷で重たくてそうじゃないだろうってさめちゃいました・・・。
実はラブ・アクチュアリー未見です。
でも、この手のオムニバス映画は
洋画でなんぼでもええのを見てるせいか
どうしようもなく物足りなかったことだけは確か。(^_^;)
まだまだ日本は追いつかないんでしょうかね~。
邦画での成功例は見たことありません(苦笑)
日本の場合、芸能は特に「大人の事情」が入るんで(!)、誰を出して誰と組ませて・・・ があからさまで、それも観る気なくす理由だよ。
なので、実はオムニバスってこんなに素敵な映画なんだよね!ってことを」実感するためにも、
ぜひ、『ラブ・アクチュアリー』はご覧くださいませ。
滅多にDVDレンタルしない私がセルDVD持ってるくらいですからね。