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蒼い時のドリームキャッチャー1話

2020-09-28 11:17:36 | 蒼い時のドリームキャッチャー



成長と発達段階でも違いますが、誰もが最初に迷い、苦しみ、誰かにすがりたいと思う必ず誰もが通らなければならない時代があると思います。その時代を歩いている時、人はそれぞれ違った思いや感情を持ちながら成長を繰り返すものです。成長を繰り返す中で、友人や仲間をつくり耐えしのいでいくが誰とも関わりを持ちたくないと思う事もあるかもしれません。学校の近くに県道バイパス下の裏道で遮断機の無い2メートル幅の踏み切りがあり、この踏切では過去に何人もの人が自殺や事故を起こし命を失っていた様でした。そこに近づかないよう指導されるが人はある時その場所へ何かに導かれる事もあるのです。あるとき遮断機のない踏み切りの前に立ちすくむ「大島直也」の苦しむ後ろ姿がありました。遮断機のない踏み切りを見つめ、ただ呆然と立ち両肩に手をかけ天国か地獄かどちらかに祈りをささげているかのようでした。忘れようと思っても忘れられない出来事、大切なものを永遠に失ってしまったのです。直也は納得がいかない思いを胸にしまいこみ、その思いはある時期まで苦しみを与えていたのです。直也の持つドリームキャッチャーが、心を癒してくれる事もあれば、悲しみや苦しみを与えられる事もありました。直也は、ある心の中にある葛藤と、大切な命を守れなかった苦しみから人を愛しく思う感情を忘れてしまいたかった。何もかも忘れたかった直也だった。しかし心の中ではどうしても忘れる事ができなかったのです。はじまりは幼少期から始まり青少年時期(思春期)の頃の事です。この時期、直也にはこの世で最も大切な存在が3人、保育園から一緒の同級生の「小幡優子」同じ年の転勤族の「加藤真一」と妹のような「市原久美子」がいました。学生生活では、直也の周囲には多くの仲間達が集まり、いつも一緒に騒いでいます。直也と真一は幼少期頃に海辺で波乗りを通して知り合い直也の唯一信頼のおける存在でした。互いに物事をはっきりという言葉よりも行動で示す3人の関係は後に強い「友」という絆になっていきます。ライバル意識が強い直也と真一は勉強でもサーフィンでもお互いに競い合って生きていたように思います。直也と久美子は家が隣どうしで兄と妹のような付き合いでした。まわりからは、付き合ってるように見えるくらい、とても仲良く、直也の後ろを追うように久美子はついていきます。直也は「久美子」にとっても何よりも大切な人でもあったようです。それは、恋、愛、と呼べるものかは、この時の2人は気づく事はありませんでした。直也には友と呼べる存在はとにかく多かった、しかし全てを話し合える本当の気持ちが通じ理解しあえる相手は、この頃には3人だけでした。毎日のように、直也が卒園した保育園の隣にある駄菓子屋がたまり場で、色んな遊びをしていました。同級生だけではありません。先輩や後輩も関係なく多くの人数で遊んでいました。真一と久美子は、そんな直也を慕い寄りそった2人でもあったのです。真一と久美子の心の中では孤独だったのかもしれない。真一の父親は転勤族で各地を転々と回り転校の繰り返しで久美子には家庭内に問題がありました。
3人は孤独だったからこそ仲間達や周囲の生徒達から慕われる直也と一緒にいる事で孤独を紛らわしていたのかもしれない。直也の両親は古物商と飲食店を経営していて学校が終わると、いつも隣の久美子と2人で店のカウンターか家の裏の縁側にいて久美子は直也を兄のように慕っていて一緒に勉強したり、絵を描いたり、アクセサリーを作ったり、折り紙や粘土細工をしながら、直也と久美子は色々な話し合いなどをしていました。直也の母の飲食店で食事をしたりと毎日顔だけは合わせていたようです。小さい頃から幼い久美子は直也の行く先々に追いかけていくようについて行くのです。追いかけても追いつく事が出来ない時もあり、それでも直也にきつい言葉を使う事はありませんでした。直也は久美子に、きつい言葉を使っても嫌われると思う事もありません。久美子は、ただ傍にいて欲しい、ただ傍に居たかったと直也に対して思っていました。久美子は、直也の付き合う友達、好きなこと嫌なこと、性格は幼少の頃からの付き合いで全てを知ってるようでした。直也は、いつも小さな箱を持ち作るものがあり、そんな久美子が気になりはじめた時でした。直也の両肩に油性マジック(マッキー)でアクセサリーをかたどったマークのようなものを描き、まるで両肩に入れ墨を入れているかのようでした。三、四日すれば消えて、消えるとまたマジックで久美子は描きに来るのです。直也はちょっと恥ずかしいなぁと思うのですが久美子はアクセサリーをあげたら、もう描かないからと言って笑っていました。
「なぁ、クーコ、いつも何作ってるの?」
直也は久美子に問いかけます。
「ひみつ、ひみつ、今はひみつ」
久美子は、いつもそう言って、直也への返事はいつも「秘密」でした。
ある時の事でした。
「直にぃを守ってくれるものだから、もうちょっと待っててね」
久美子はいくつも毎日ドリームキャッチャーを作りながら言葉を返しています。
「そうか、じゃぁ、いつまでも待ってやるよ」
直也は久美子に答えます。
久美子は嬉しそうにニコニコと微笑んだ顔つきで直也の顔を見ていました。直也は言葉少なく隣に座る、笑みを浮かべた久美子を見つめるのが好きでした。久美子は裏道の踏み切りで事故死?となり直也は久美子の笑顔を2度と見る事ができなくなります。二度と会えない久美子の笑顔が忘れられない、事故死という結果に納得がいかず、直也は心の扉を閉ざしてしまいます。この頃の同級生で同じクラスの小幡優子は直也を見守るだけでしたが、何故か優子は久美子が作ったドリームキャッチャーを持っていました。
「ねえ直也、仲間君達もドリームキャッチャー持ってるよ」と優子は直也に伝えていた。
直也を守るかのように久美子は、直也の周囲にいて関わりのある仲間達にも同じドリームキャッチャーを渡していました。優子は直也に伝える事だけしかなかったが、この時に優子は直也に久美子が作ったドリームキャッチャーを手渡しします。久美子は直也にはドリームキャッチャーを渡してはいませんでした。「直にぃを守って下さい」と久美子は優子に伝えてドリームキャッチャーを渡すよう頼んでいたようです。優子は心の扉を閉ざした直也の思いを感じ取って見守るようになります。これは直也が見た夢の話だが目覚めた時には幼少期の頃の直也の記憶には残らず消えていた。大島直也の幼少期から始まり青少年時期(思春期)そして青年期までの出会いと再会の繰り返しと別れと仲間達との友情の始まりです。



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