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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー4話

2020-10-30 11:31:42 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


幼少期の幼稚園では年長になると本を読んだりカードでの学習や音楽で合唱したり遊ぶだけでなく青少年期になる為の準備段階で教諭の先生から渡された算数と国語や社会の学習ドリルでの勉強しなければならなくて夏休みや冬休みには宿題もありました。時は流れ日々は淡々と過ぎて冬休みになります。直也は宿題が大嫌いでした。
「何で、こんなに宿題あるんだよー」
冬休みでも海に行こうかと友達みな思いましたが、宿題が多くてとんでもない話です。直也は友達とも電話で連絡をとりましたが宿題が多くて少しもやってないのが友達らでした。冬休み中は友達らも親の管理下に置かれ見守られてるというよりも毎日学習ドリルをチェックされていたのです。
特に直也の両親は、学習ドリルに日付をつけ今日はここまでと書かれていました。とにかく直也と友達らは宿題が大嫌いでした。自宅の縁側で宿題のドリルをひろげているだけで小さいながらのピュアストレスです。そのうえ直也は宿題がたくさんある事で母親から宿題のチェックされ何度も言われていました。
「直也!ちゃんとしない!しっかりしなさい!」
この時の直也の母親は、怖い顔をしても言葉は優しく、でも直也は親の気持ちもわかるので素直に答えていました。
「わかったよ面倒くさいけどやるから、同じこと言うな」
幼少期の幼稚園での直也は、教諭の先生の話しは殆ど聞かずに学習ドリルを開くだけで窓の外ばっかりみていた時代でした。
「やるしかないかなぁー、面倒くせぇーな」
冬休みが終わると春休み、その後は青少年期になります。この冬休みは遊びはせず真面目に学習ドリルで直也は宿題をやるしかありませんでした。
宿題を一人でするなんて気分も悪くなるし、これもまた小さなピュアストレスです。
「腹いてぇ、頭もいてぇ、気分も良くないし気持ちわりぃ」これは子供に良くある症状です。
「家にいるのに、授業受けてる感じがするよ、まったくよ」と直也は常に呟くのでした
しかし直也は頭をリセットして思いついた事がありました。直也は自分の部屋よりも緑のある庭を見渡せる中庭の縁側が家の中で一番好きでした。
中庭の草木が、一人でいる直也の心を癒し、疲れた身体も楽にさせていたようです。母親からは、部屋があるでしょと言われるけど、どうして直也は中庭の縁側にいるのかを、ある日小雨が降った日から母親は知る事になります。
「あれ、久美子ちゃん来てたの?」
中庭の縁側に行くと、裏口から木戸を叩き開けて入ってくる一人の年下の少女がいたのです。不法侵入か?そうかもしれない。裏口を開けるには木戸を上り鍵を開けなければ入れない。いつも久美子は特技の不法侵入をしながら直也に会いに来ていました。両親は久美子の家の状況を知っていて、いつも直也のところへ来ているならと、直也の両親は部屋で勉強させようと無理には言わなくなりました。縁側で、学習ドリルを開いて、宿題をしていたところに、裏口から木戸をあけて入ってくる隣の頭がいい久美子がやってきます。
「どうした?クーコ。ちょうどいいところに良く来た」
直也は久美子に声をかけると、一緒に宿題をしようと話しかけてきたのです。
「しょうがないなー、一緒にやろっか。あのさぁ、クーコ、頼みがある」
直也は久美子にお願いをします。
「おまえなら、わかると思うんだけど、これ、教えてくれねぇか?」
直也は算数は出来るが最も苦手な教科は国語と社会でした。
「しょうがないなー、直にぃは、面倒くさいの大嫌いだものね、あたしは年下だよ、勉強してないのにわかるかな」
「ん、もう卒業前だから学習ドリルの予習と復習なんだよ、試験があるらしくてね、クーコならできる自信を持て、そして教えてくれ」
「何、その言い方、自信を持てってさ、その言葉そのまま返すからね!」
久美子は直也にちょっときつい言葉で返事を返します。直也といえば頭をかきながら苦笑いをし手のひらを合わせて久美子にお願いをしています。
運動神経は誰にも負けないと自負していたが、この2つの教科だけは直也は苦手で無理だったのです。
「直兄ちゃん、本当に試験があるの?ないでしょ、義務教育でしょ」
「ん?あれ?そうなん?あれ?オレ、なんも知らなかった、そうなんだ」
「あとね、9年間は義務教育だからね」
「そうなんだ、わかった、さすがクーコだね、何でも知ってるんだね」
久美子からの質問があり、直也は気が付き試験があると思い込んでいました。幼少期の幼稚園では動物のカードでカタカナで読み方と英語での発音の学習があり、その後は英語が書いていない動物のカードで英語で答える試験みたいのがあり教諭の先生からは良くできましたねと言われていたからです。そして九九の足し算や掛け算や割り算を覚えていた為に特に算数は直也の頭の回転は誰よりも速かった。直也と久美子は一緒に宿題の学習ドリルをはじめ、久美子がわからないところは直也が教える。直也がわからないところは久美子が教えるが国語と社会は久美子が教えてくれることの方が多かった。久美子が苦手なのは算数だけで直也は自信満々で久美子に教えていました。そんな2人の姿の間に、直也には気になったことがありました。以前、何かを作っていたものをみて、あれはまだ出来ないのかなと久美子をちらりちらりと見ながら思っていました。直也は、宿題の学習ドリルを一生懸命コツコツとやる久美子の姿をみてると言い出せなくなって、でもどうしても気になって学習どころではなくなっていくのです。
「何か、言いたいことでもあるの?直にぃ」と突然久美子は話しかけてきました。
直也は、首を縦にふり横にふり、言葉が何も出てこなかったのです。考えていたことが悟られないように何とかごまかす直也、この頃からか、久美子に何かを感じはじめる直也でもありました。久美子と直也、大人っぽいのはどちらかというと久美子の方でした。直也には4つ下の弟がいて久美子には兄弟がいて長女、長男、次女の長女で女の子の方が成長は速いようでした。
「はやくー宿題やりなよ、終わったら何かして遊ぼうよ」
久美子の言葉は幼稚な感じで可愛らしいが考え方は直也のほうが幼稚な感じ久美子は大人のように感じる直也でもあります。とりあえず学習ドリルの宿題は済ませた2人でありましたが顔を見合わせることがあって、そこからは2人とも言葉もなく縁側で二人でお菓子を食べながら、ジュースを飲んでいました。
「もうじき、幼稚園卒業だね、直にぃちゃん」
久美子の問いかけに、ただ首を縦にふるだけの直也ですが、しばらく長くは会えないなとちょっと寂しくなる直也でした。いつも長い髪を編み、瞳は垂れ目(たれめ)で大きく、ハッキリした顔をした久美子を見つめると吸い込まれるような気分を直也は良く感じていました。
「いつも一緒だよ、直にぃ、いつまでも、いつまでもだよ」
久美子の口癖は「ひみつ」のあとには「いつも一緒だよ」になっていました。


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