のっと☆おんりぃ

 腐女子サイトです。最近はにんたま多めです。五年生大好き☆「肉」レディもときどき登場します。

海と毒薬

2005-05-10 | 
最近読み終わった本

 作者は言わずと知れた、遠藤周作。この本は高校生のときに一回読んで、とても印象に残っていた。

 今回、読み返してみて、ずいぶん印象が変わっていて驚いた。う~ん・・・高校生の時の自分はずいぶん浅はかな解釈をしてたな~。まぁ、今でも、作品の真髄とかわからないし、ちゃんと理解できてるのかどうかも怪しいけど・・・。

 高校生のときは、これは戦争小説で、戦争によって人がどんなに残酷になれるのか、人間性をどれだけ喪失するのか、という話かと思ってたけど、どうやら今回読んで、そうではないことに気づいた。確かに、戦争によって人間性は失われるけど、戦争とかそういう周りの状況じゃなくて、人間の善悪とは?っていう根源的な問いかけがあるような気がした。

 社会悪で罪に問われなければ、悪は悪ではないのか?そもそも、悪とか善とかの判断はどこで誰が決めるのか?そういうことを、戦時下の捕虜の人体実験という事件を通して、問いかけている作品だと、今回はそう思った。

 この作品の登場人物は、どの人も少しずつ、誰にもあてはまるんじゃないかな~。戸田という社会悪にしか罪の意識を感じない医学生と、繊細で人間に対して感情移入しすぎて、それでいて優柔不断の医学生、勝呂。この2人は、それぞれ「神」を探しもとめていて、果てしない海に飲み込まれていくような葛藤を繰り返して、最後には深い海に沈んでいってしまったような・・・。

 う~ん・・・なんか深く考えると難しいな~。毒薬の解釈をどうしたらいいのか・・・。なんかわかるようなわからないような・・・うまく言葉にできないな~。

 また時間が経ったら読み返してみよ~。また印象が変わってるかも。とにかく、やっぱりこの作品は印象に残るものでした。

 次回は、軽めの恋愛小説でも読んでみるか~。

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