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大きな世界の小さな部屋

まぁ色々とヲタ趣味に関した話題をうんたらかんたらと…あと動物ネタなんかも。

夏だけの楽園

2006年06月29日 19時24分42秒 | 動物シリーズ
もうすぐ7月、夏の足音が近付いてきました。農家としては、これからが色々と忙しい時期となります。我が家のメイン作物は米なのですが、ここ最近はそれ最優先で進んでますね。

五月あたりなんか、まだそれの準備段階で米関連に限っては割とノンビリムードだったんですけどねぇ…稲作というのは勿論水田での栽培となりますが、別に年がら年中水を貯めている訳では無いんですよ?他の米作農家は知らんけど、ウチの周りでは水を入れるのは田植えと稲刈りの間だけで、あとは水は入れないんです。ですから、五月あたりの田植え前は、水が入っていない状態だったんですね。もちろんそんな状態だと、雑草が生えたり土が固くなったりしている訳ですから、田植えに備えて対応策を取ったりする訳ですよ。で、ある日の事。マメトラと呼ばれている農機具がありまして、それはタイヤの代わりに車輪状の形となった金属の刃が付いていまして、タイヤの代わりですから起動するとそれが高速回転します。それを使って土を掘り返すという訳なんですが、いつも通りそれを使って作業を進めていたんですねその時は、すると…。


どうも掘り返していた地中にあった蟻の巣を直撃したらしく、中の卵や蛹が地表に露出してしまいました…蟻さん達、ゴメン。でも地中にいられちゃこっちからはそちらの様子は全く分からないから避けられないし、それにもうすぐここは水没するんだから私を恨まないでね。こういう事はよくあるんです、例えば地中にいたミミズがマメトラの刃に巻き込まれ八つ裂きにされるとか…ミミズが農地にいるというのは良いこと(地中を掘り進む事で土を柔らかくしてくれる上に、その糞が養分となるのでミミズは益獣なのです)なので、それを目の当たりにした時は本当に後味悪いですよー。尚、地中にいるならモグラも益獣になるんじゃないかと思うかもしれませんが、モグラの場合は体が大きいので地中にトンネル(大きな空洞)を作るわ農作物を食い荒らすわで、益獣どころかはっきり言って害獣なのですよ。農機具屋には、モグラ取り器なんてものまで売られてるくらいですから(^^;

いずれ水を入れる訳ですが、ではその水は何処から来るのか?それは近隣にローカルネタで申し訳ありませんが“富士川”という大河がありまして、そこから水を引いてこれる様に水路が何十年も前から作られていて、その水路から水を農地に流し込むんです。つまり、農地と水路は繋がっているんですね。ですから、水が無くてもたまにこんな闖入者が現れる事も。


ご覧の通りカニ。厳密にはサワガニと言うんですが、この様に水の無い所でもたまーに出てきたりします。しかし水路と農地は段差がある為に一方通行なので、多分この後は野鳥の餌になったと思います。成仏しなっせ。

そして、田植えの準備も整い農地に水を入れた時の事です。富士川というのは本当に大きな川で、しかも山から直接流れてくるので結構淡水魚とかが居て、よく長靴履いて川の中に入っている釣り人を見かけるくらいなんですよ。そこから水を引いてくる訳ですから、とーぜん水と一緒に川魚が入り込んでくる事なんかもあります。






二番目と三番目は腹を浮かしている様に見えますが、死んでません死んでませんよ?これはですね、農地に必要以上の水が入り込まないために水の量を調節したんですよ。この場合、それによって水路の水の量が激減したのです。つまり、今まで水路にいた魚が急に水が無くなり浅瀬の様な状態になったので、身動きが取れなくなったのです。しかも水が無いから呼吸も出来ない(魚類は哺乳類の肺呼吸と違い水中に溶け込んでいる酸素を吸うエラ呼吸なので、陸地では呼吸できない)ので、この画像を撮影した時点では本当を言うとみんな死にかけてます。あ、勿論撮影が終わり次第水の多い水路に放してやりましたよ?最初は力なく落ち葉の様に水に流されて行きましたけど、数秒後息を吹き返しまた元気に泳いでいました。ふぅ、これでまた命が無駄に失われずに済んだ。とまぁかっこいい事を言っちゃってますが、多分近くにねこでも居たらそいつに食わせちゃってたと思います(^^;

でもねこって、濡れるのを嫌がって水の中に入ったりしないのに、なんで魚が好きなんでしょう?相手は水中にいるから、熊みたいにねこは魚を取ったり出来ないのに。

で、これが現在の我が家の所有する水田(の一つ)です。



よく漫画とかに、裸足で水田に入り中腰姿勢で苗を一本ずつ植えるシーンがありますが、そんな事は端の方しかやりませんよ。全体の9割がた、田植え専用マシンを使って植えますから。だから、ご覧の通り真っ直ぐな列になって植わっている訳ですね。そして、裸足で水田に入るなんてのははっきり言ってアホ極まりない無謀な行為です。何故なら…水田と言うのは皆さんには想像も付かない位に様々な生き物がいるんです。おたまじゃくし、蛙、ミズカマキリやゲンゴロウやアメンボやガムシやヤゴ等の水生昆虫、タニシ、カワニナ等の貝類、たまにメダカやさっきの淡水魚も…そう、水田とは夏の間だけは水生生物たちの楽園となるのです。ま、実際には楽園と言うより、“喰うか喰われるかの弱肉強食世界”なんですが…。そしてその中には、危険な生物もいます。それがコレです。


分かりますかー?中央に横たわっているグロテスクな緑色の物体、こう見えてもれっきとした生物ですよ?簡単に言うとヒルの一種。ナメクジの様に見えますが、ヒルとはサナダムシ等の寄生虫に多い環形動物の一種でナメクジとは別種(ナメクジは貝類)です。獲物に噛み付いて皮膚を喰い破り、そこから血を吸う事で生きている生物です。私は噛まれた事はありませんが、そうなると結構痛いらしいです。しかも、噛まれた状態で無理に引き剥がすと皮膚の中に食い込んだヒルの牙が残ってしまい、そこから傷口は勿論周りの肉まで腐ってくるのでさらに物騒。ちなみに噛まれた時は、塩を刷り込むかタバコの火を押し付けて、苦しがって口を離した隙に一気に引っぺがすのが正しい対処方法。ヒルは水中だけでなく、ヤマヒル等の陸地に住むヒルも居る(恐ろしい事に“木の上から降ってくる”場合もあるとか(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル)ので、登山する趣味のある人は要注意。話を戻しますが、“水中で噛まれた=水中に漂っている有害な微生物が傷口から体内に流れ込んでくる”という事でもあります。しかも、たまーにヒル以外にも蛙を狙ってヘビが入り込む事もあるので…こんな物騒な奴もいますから、水田に裸足で入るのがどんなに無謀で危険か…分かったでしょう?だから、普通は長靴とかシロ靴(地下足袋の様な形をした長靴で、長靴と違い泥に足を取られにくい)を履いて入るもんです。

あと、この生物を知っていますか?


画像中央に存在する茶色の楕円形物体、枯葉に見えますがこれもれっきとした生物です。名前は“カブトエビ”、よく父が間違えて“カブトガニ”と呼びますが、その度に私は笑いながらこう言います、“国際天然記念物が田んぼにいるか!”と。こいつはおたまじゃくしと違いそんなに素早く泳げないので、余裕で手で捕まえられます。この画像では全体像が分かりにくいので、陸に上がってもらいました。


楕円形の胴体(甲羅)、細長く伸びた尻尾、甲羅先端にある目(左端の黒い点がそうです)と、名前だけでなくその姿はカブトガニと共通点が多いです。違うのは、尻尾が針状では無く柔らかくクネクネ動いたり先端が二股だったり、この画像では分かりにくいですが甲羅が半透明で柔らかい事です。尚、こいつは天然記念物でもなんでもありません。希少種どころか、こいつはどこの水田にもウヨウヨいますから。余談ですが、こいつはヒルと違って無害です。


こいつも魚類と同じで陸地では呼吸出来ないので、撮影が終わり次第水中に戻ってもらいました。ゴメン。

本当は他にも生物はいるんですが、今回はこれ位で。正直言うと、この近辺ではポピュラーな野鳥“シラサギ”、こいつを撮影したかったんですが見当たらなかったので断念_| ̄|○その名の通り白い鷺で、細身の体に白い体と実に美しい姿をしているのですよ…撮影に成功したらアップします。

さて、去年の夏は猛暑だったと記憶していると思いますが、その分夏の生き物達が活発だったと記憶しています。夜になると水田にいる蛙達が大合唱(これは珍しくない事なんですが、例年以上に騒がしかったです)、日中は日中で例年以上にセミ達の大合唱…しかし、それが不快には感じなくって、むしろ心地よく感じました。やっぱり、私は根っから生き物が好きなんですね。あ、生き物だけじゃ無くって夏の魔化魍も元気だったっけ…今頃は正式に鬼に就任した桐谷が、響鬼さんと一緒に太鼓祭りやってるんだろうなぁ。

話を戻しますが、今年もまだ七月に入っていないのにかなーり暑いです…期待しますよ私は。またあの大合唱を聞かせておくれ。


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