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厚生年金の改悪の企み

2021-09-11 20:06:22 | お金
9/10に行われた厚生労働相の記者会見の記事を見かけた。
各社で報道している範囲が少しづつ異なるが、要は「国民年金の将来的な目減りを緩和するため、厚生年金と合わせた公的年金制度改革する」=「厚生年金加入者が払った年金を国民年金加入者への支給に回す」ことを検討しているらしい。
国民年金の所得代替率が厚生年金と比べて低くなることを問題にしているようだが、元から国民年金の制度は所得に関わらず最低限の年金しか納めず支給も最低限となる制度だ。したがって厚生年金より所得代替率が低くなるのは当然だ。
これを書いている令和3年時点で国民年金保険の1号被保険者の保険料は月¥16610だ。(ここから前納や振替の早割でさらに負担は減る)
厚生年金で一番低い等級となる1等級(月収¥88000相当)の¥16104と同程度の保険料しか納めていない。

国民年金の保険料/給付額の比率は25.5%(=¥16610/¥65075)だが、これは厚生年金と比較しても高くはない。厚生年金は等級によって異なり1等級から32等級で19.1%~57.3%となる。
就業者のボリュームゾーンとみられる年収300万円~400万円(厚生年金17等級相当~21等級相当)で比較すると25.5%vs39.0%~44.6%となり国民年金はかなり割安になっている。

国民年金の所得代替率が低くなることが問題で制度改革が必要というならすればよいが、厚生年金から保険料を奪ってくるようなやり方ではなく先に国民年金の保険料を見直して国民年金も厚生年金と同じように所得に応じて保険料を負担すべきだ。

ただ、1号被保険者であれば国民年金基金の加入資格もあるし、iDeCoの限度額が給与所得者に比べて大きい等の優遇措置がある。
このため、もっと年金に拠出し給付を手厚くしたいという要求に対しても現行制度である程度対応可能なので、国民年金を増額する必要があるのかは疑問だ。
なんで今回のような話がわいてきたんだろうか?


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