🌸徒然日記🌸

日々の出来事を綴ります

悪夢ー34

2023-06-27 00:31:25 | 日記
17時になると、大阪から叔母が

お見舞いに来てくれた。

普段はごく近い身内の人しか

病室に入れないのだが

特別にお願いして迎え入れた。

叔母には詳しい病状は告げなかったが

叔母は何も聞かずにとりとめのない話をし

洗濯まで済ませてくれた。

18時だった。突然かずが

はっきりと言葉を発した。

「お母さん」

見ると、目はしっかりと私を見て

いつものかずに戻っている。

12時間ぶりに意識が戻ったのだ。

私は真っ先に日勤の看護師さんを呼びに行った。

「K看護師さ~ん、かずの意識が戻った」

「え、ほんと?」

慌てて駆け付けて、そっとかずをのぞき込む。

「なあん?」

と、かず。

看護師さんの目に涙が溢れていた。

悪夢ー33

2023-06-26 00:24:00 | 日記
その根底にあるのは

かずを救ってくれる人には

感謝の気持ちで満たされるが

かずを苦しめる人に対しては

不信感でいっぱいになる

ということだ。

実に単純なのだ。

私の心が少し上向き加減になったとき

ふと痙攣と痙攣の合間にもらした

かずの言葉を思い出した。

「寝ていても、お母さんの顔が

見えたほうがいね」

私はそのことをすぐに看護師さんに伝え

希望通りにベッドを動かしてもらうことができた。

これでいつでもかずの様子が

見られるようになった。

このとき、すでに時計の針は夕方の

4時を回っていた。

かずの意識はまだ戻らない。

こんな状態が、かなり長時間に渡っていた。

E先生は言った。

「最悪、このまま意識が戻らない

ことをあり得ます」

ーそんなはずはない、かずはこうして

息をしているじゃないか。

悪夢ー32

2023-06-25 00:20:38 | 日記
やはりこのときも

私の救いは看護師さんだった。

彼女は頻繁に病室を出たり入ったりして

私ができない分、献身的に

かずの世話をしてくれた。

体拭き、シャンプー、着替え、そして

かずや私への声掛け。

最初は返事をするのもおっくうだったが

何の反応もないかずの世話を

一生懸命にする姿に

私の心はほぐれていった。

そして自分の方から声を

かけられるようにもなった。

きっと大変だったと思う。

もしかしたら監視されていた

のかもしれない、とも思う。

やましさがあるからここまで

してくれるのだ、とも思う。

ここ数日の医師や看護師さんへの不信感

目の前の看護師さんの懇親的な姿

私の心は揺れ動いた。

プラスへ

2023-06-24 00:41:35 | 日記
ちょうど5年くらい前だったと思います

日々の生活が平凡すぎて

特につらいこともなくなり

私のこの世での修行はすべて終わった

あとは余生を細々と生きて行こうと

本気で思っていました

そしたらその数か月後、奈落の底でした

色んな気づきがあったのも

その時期からです

結局まだ終わってなかったんですね

それならそうと切り替えて

マイナスが起きたのでいずれ

プラスが起きる可能性があるのだと

それを待ちながら

気分を上げていきたいです

悪夢ー31

2023-06-24 00:25:57 | 日記
その日は無常にも快晴で

南向きの大きな窓からは太陽の光が

矢のように射し

かずの黄色い顔をよりいっそう強調した。

まぶしい・・・

私はカーテンを力任せに引き

髪の毛を搔きむしり、うずくまった。

ー誰か助けて!

締め切った病室、話す相手もなく

目の前にはかずの無残な姿・・・

空気はよどみ、しだいに息苦しく

なっていくのを感じた。

私はひとりで抱え込んでいた。

このことを誰にも、たとえ家族にも

連絡できずにいた。

それを口にすることで

私の心を包んでいる深くて暗い闇が

現実のこととして具体化するのを

恐れていたのかもしれない。