悪夢ー１７

14時、かずがICUから病室に戻るとの

連絡が入った。

私は、かずがさぞ憔悴しきっているに

違いない、何と言って声をかけようか

とあれこれ思い悩んでいた。

ところが病室で対面したかずは

意外にも落ち着いていた。

病状が急変し、慌ただしく病室から

連れ出されたときの青ざめた顔。

あの恐怖におののく姿とは一変して

うっすら笑みさえ浮かべているように見えた。

ひととおりの処置が終わり

かずの無事を見届けたHは

安心して病院をあとにした。

ようやく二人っきりになったかずと私は

昨日のことを少しずつ話し始めた。