懇願ー２

私は慌ててナースコールを鳴らした。

すぐに看護師さんが飛んできて

「かず君、大丈夫、大丈夫だからね」

となだめてくれた。

やがてかずは落ち着いたが

今のはいったい何だったのだろう。

アンモニアがまた上がったのだろうか。

それとも我慢していた気持ちが一気に

こみ上げたのだろうか。

15歳の子供にこんな悲しい

怖い思いをさせるなんて

私は母親失格なのではないか・・・

あのときのかずのゆがんだ顔

悲痛な声は、今でも私の脳裏に

焼き付いて離れない。

ゾクっとしました

今日カラオケボックスで歌っていたら

突然プチっと切れました

こんなことはカラオケに行きだして

初めてのことでした

歌っていたのは谷村新司さんの

群青でした

先日亡くなられたことを知り

偲ぶ意味も込めて歌っていたのですが

それだけに切れたときは驚きました

2、3分ほど画面が真っ暗でしたが

復活しましたが

いったい何だったのでしょう

懇願ー１

平成17年4月22日（金）

かずの再移植手術の朝。

「かず、昨日は眠れた？」

「うん・・・お母さん、Rに電話していい？」

「いいよ、じゃ、Rが出たら代わるね」

あいにくRはまだ起きてなかったが

おじいちゃんが電話口に出て

何やら話をしていた。

そして電話を切った直後

突然かずが泣き出した。

「かず、どうしたと？」

「　おれ・・・死にたくない」

「何？」

「死にたくない・・・おれ、死にたくない」

「何言い出すの、死ぬわけないやん」

憂愁ー２８

A教授から付き添いを代わってほしいと言われ

逃げるように病院を去ったのが3月20日。

あれから一か月、時々泊まってはいたものの

主にはおばあちゃんが付き添いをしていた。

それが今日、ようやく堂々と

付き添いできるようになったのだ。

でも皮肉なことに、私が付き添いをするのは

いつも病状が厳しいときばかり。

医療者という立場上、確かにいろいろな

事情はあるだろう。

しかし、何より患者の思いを一番大切に

患者の考えを一番尊重してもらうことは

できないものか・・・私はそう思う。

不思議な力

ピアノのレッスン日でした

ラフマニノフの新曲を譜読みから

始めています

先生が言うには、私はラフマニノフが

とってもあっていると言うのです

今日も言われました

ラフマニノフの曲って最初はピンとこなくても

弾けば弾くほどに味がでてきて

もっと感情をこめて弾きたいと

思ってしまうのです

そんな不思議な力がある曲です