結束ー１９

毎日部屋に来てくれていたF先生に

「東京タワーとか読んでる」

とひやかされたが、ここは年上の強みで

「興味があるんだったら貸しましょうか」

と言い返してあげた。

教授のA先生、かずの主治医のB先生、C先生も

毎日必ず顔を見せてくれた。

このひとつひとつの行動が患者からの信頼を得

その信頼が手術の明暗を左右するだろうことは

素人の私たちにもわかっていた。

そしてこの頃私たちは

そんな先生たちを全面的に信頼していた。

見えてきたもの

母親が先日白内障の手術を受け

術後の経過も良くて

ようやく近隣の病院に

通院のみになりました

やれやれと思っていた

矢先に発したことばが

「見えるようになったら

自分の顔がこんなにしわくちゃ

とは思わなかった」

ということでした

知らない方が幸せってことも

あるのかなと思いつつも

今後は美容も気にしつつ

生き生きした母親になることを

期待しています

結束ー１８

かずは相変わらずゲームに没頭

私は読書三昧だった。

手持ちの本は全部読み終わり

売店で推理小説でも買おうと

探していたところ

「東京タワー」が目に入り

思わず買ってしまった。

恋愛小説の方だ。

読み始めると、もうすぐ大手術を

受けるという現実と本の中身が

あまりにもアンバランスで戸惑ったが

気を紛らわすには最高の本だった。

結束ー１７

同じように気が付かない間に

終わっているのだろう

とも思えるようになった。

看護師さんが

「子供の移植はみんなうまくいって

元気になっている」

と教えてくれた。

むしろドナーの方が痛みを強く訴えたり

ショックを受けたりするらしい。

今までが健康だったので

そのギャップが大きいのだろう。

逆にかずは、今までのだるさから

解放されてスッキルするのだろう。

どうか、すべてがうまくいきますように。

意外な一面

「罠の戦争」最終回でした

途中まで友人や知人家族にまで

見放されどうなることかと思いましたが

最後はやってくれました

気分よく最終回を見終えました

それにしても草なぎくんの演技に

やられてしまいました

優しい表情の草なぎくんが好きですが

クールな表情の草なぎくんも

はらはらしながらも引き込まれました