急に母が恋しくなる時がある
まるで幼子の様に
大好きな母なのに歳月と共に会えなくなってしまった悲しみが
玉ねぎを剥く様に少しずつ少しずつ、剥がれ落ちてゆく
同じ様に母との思い出も少しずつ少しずつ薄らいでゆく
それが良い事なのか、そうではないのか正直わからない
でも、目に浮かぶのは母の優しい笑顔
父が自分の仕事で忙しかったり出掛けていたりすると
「りこちゃん?暇?お母さん今なら家を出られるから一緒にどこか行かない?なんでも好きなものご馳走してあげるから」とお誘い
一緒に母の好きなスタバに行きお茶をして、又ランチをして沢山沢山お喋りをした
冗談を言って笑わせたり
愚痴を聞いて貰ったり
子供の頃の思い出話をしたり
本当、楽しかったな‥‥
沈丁花は母の香り
香水をつけていない時でも、母からいつも花の香りがした
沈丁花の寿命は早ければ10年
長くても2.30年だという
枯れてしまう、その前にと
昨年、はじめて挿し木をした
そして今、そこから春を待つ新しい葉が今か今かと
伸び開こうとばかりに丸く小さく重なり合っている
この先元気に力強く成長して欲しい
元の沈丁花が、もし枯れてしまったとしても
新しい小さな沈丁花の木が、逞しく力強く根を張って
命を繋いで行ってくれたら嬉しい
春、沈丁花の香り
また会えますように‥‥