桜の木

日常のあれこれ
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向田邦子の恋文

2018年04月09日 | 感想



最近、映画やドラマで感動しきりである。
やはりこれもまた録画しておいたものを
忙しさの中で、区切り区切り見て、先程やっと見終えた。



「向田邦子の恋文」
実の妹さんが、生前の向田邦子と、その恋人との手紙の存在を知り、その内容を本として出版。
ドラマはそれを軸にしたもので
向田邦子は山口智子
恋人は今は亡き大口広司
邦子の母 藤村志保
恋人の母 樹木希林が演じた。

あれだけの売れっ子として数々の仕事をこなしながら
誰にも知られない静かな秘めた恋
妻子あり難病を抱える彼を愛し支え、
そして彼も静かに邦子を優しく包む様に愛し…
しかしその後、彼は突然ガス自殺してしまう。

終盤の場面が今でも心に響く。
彼の実母を樹木希林が
亡くなった子の残した日記と手紙を邦子に手渡しながら
晴れた日の縁側で読んだ、斉藤史の句

「『おいとまを いただきますと 戸を閉めて 出てゆくやうに ゆかぬなり生は』
そう言ってあの子、戸を閉めて出てっちゃったのね〜」と
山口智子演じる邦子と恋人の母役の樹木希林との2人で泣きながら笑い過ごす場面

私も涙が止まらなくなった。
山口智子の演技も素晴らしいが
やはり樹木希林は、本当に凄いと思う。
優しさと悲しみと笑いと寂しさを同時に出された様で
温かいのに悲しい。
悲しいのに温かい。


最後の最後に
「姉は一途でした。
それが向田邦子という人でした」
妹さんの言葉がでる。

この本を出版された妹さんの、手紙を公にした想いのような気がした。

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