理系お兄さんのぼやき日記

つれづれなるままに日暮らしすずりにむかひてこころにうつりゆくよしなしごとを…意外に覚えているもんだなw

甘くは無い

2016-03-29 01:28:03 | お題
実は前に家庭用太陽光発電を推進する仕事をちょっとやってました。が、正直なところ余裕のあるご家庭の趣味みたいなもんだなぁと思いながらの仕事でした(^_^;) 当時、色々試算をしたけど実際のところ、数百万円かけてパネルを付けてペイするか、というとギリギリ元は取れるかなぁ…くらいで「儲け」が出るご家庭はほとんど無いと思います。ただ、発電した分は化石燃料を燃やさずに済むので、長い目で見ればそこがメリットと言えるでしょう。

で、「電力自由化」ですが、今回の「自由化」は厳密に言うと「小売の全面自由化」なのです。ほかにも「卸自由化」や「大口相手の小売自由化」などがありますが、これらは既に実施されています。「卸自由化」とは自前で大規模発電設備を持っている工場(石油プラント、鉄鋼プラント、製紙プラントなど)の余力を使ったり、新規に発電事業を始めて既存の電力会社へ自由に売ること。そして「大口小売自由化」とは電力を大量に消費する工場やオフィスビルなどが「卸発電事業者」と直接契約して電力を購入できることを指します。この場合、卸発電事業者と大口需要家の間に直接送電線があることはほとんど無い(一部のコンビナート内ではあるらしいが)ので、その間は既存の電力会社の送電網を借りて電気を送っています(託送)。

この前、破たんした日本ロジテックという組合は「卸業者」と「需要家」をそれぞれ束ねてマッチングさせるというスキームらしいけど、供給と需要のバランスが取れなかったんだろうねぇ。供給量は概ね固定なのに需要側が「安いからちょっと多めに使っちゃえ!」と使った場合、足りない分は高めの電力を他から買って調達しなけりゃならんし。電力という「工業製品」は供給と需要がほぼ完全に一致していないと成り立たない「製品」なので、第三者がブローカーのように介入するのはかなり難しいと思うよ。この破たん劇で一つ気になったのが「破たんしても既存電力会社が供給するから停電の心配はない」と新聞には書いてあったけど、今後既存の電力会社が「うちの電気が売れなくなったから、あそことここの発電所を閉めよう」となった場合、誰が責任をもって供給するのか?ということ。今はまだ既存電力中心だから「停電の心配はない」けど、野放図に自由化させて卸売事業者が故障や撤退や破たんしたらどうするんだろ?電話みたいに「ユニバーサル料金」みたいのを取って既存電力を維持するのかなぁ。

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