ヨシムラ・サイエンス・ラボ

身近な物を材料視点で解説「サイエンスライター」
銅の良さを伝え広める「伝銅師」、金属のお悩みへの相談「メタルソムリエ」

高岡銅器の原材料 「銅」 その①

2011年01月29日 | 高岡銅器
こんにちは。
今日は高岡銅器の原材料である銅(どう)についてサイエンスします。

銅は鉄と共に人類が最も古くから使用してきた金属であり、西暦紀元前7,000年から8,000年頃、新石器時代人によって偶然に自然銅(しぜんどう 銅を主成分とする元素鉱物)として発見されたと言われています。
想像を絶するくらい前のお話ですよね。
以来、銅の美しい色調、作りやすさから、さまざまな用途に使用されています。
その一つが高岡銅器ですよね。

高岡銅器の他に、身近なもので銅が使われているものを挙げると。。。

たとえば、コンセントの先端の金属製の2本の突起物。
色は銀色ですが、これは表面にめっきしているためです。

その他には、車のカギ。ジーパンのチャック。エアコンの屋外機と室外機を繋ぐ配管。硬貨(5円玉、10円玉、100円玉、500円玉)。・・・・
挙げだすときりがありません。
これらはすべて銅を主成分とする金属でできています。

このように、銅は歴史が古いだけあってかなり身近な金属なのです。


次回は、最近、新聞でよく書かれている銅の価格高騰について述べたいと思います。
お楽しみに。



最近、高岡銅器の話題多し

2011年01月24日 | 高岡銅器
こんばんわ。

毎朝、6時32分富山発 泊行きの普通列車に乗車して、黒部に通勤しています。
乗車時間は約30分ほどですが、富山新聞を読むのが毎日の日課になっています。

先週金曜日から今週にかけて、高岡銅器の話題が多く書かれており、毎朝、興味深く読んでいます。
一つは、高岡スローライフ逸品研究会が高岡のまちなかにある28か所の銅像を紹介する地図を製作したこと、もう一つは、高岡鋳物の用具類を登録有形民俗文化財へ登録するように答申したこと、です。

前回のブログで、高岡銅器の販売額が1990年のピークに対して2008年度は1/3に減少していることを紹介しましたが、このような動きがさらに活発になるといいですね。

日曜日の富山新聞

2011年01月17日 | 日記
こんばんわ。

今週の日曜日の富山新聞(石川県では北國新聞)の第3面、見ましたか?
「伝統産業 失われた20年」と題して、石川県の伝統産業である加賀友禅、金箔、漆器の生産額について述べられていました。
1990年初頭と比べて、いずれの産業もその生産額が5~8割ほど減少している実情が紹介されていました。
ポイントは、「若者に使ってもらうこと」だそうです。

たぶん、富山新聞にのみだと思いますが、高岡銅器の販売額の変化についても小さい記事ですが書かれており、1990年のピークに対して2008年度は1/3に減少しているとのことでした。

日ごろお付き合いのある業者さん(工業炉メーカー)が先日新年の挨拶に来られた際に、手土産として高岡銅器で作られたうさぎの置物を置いてかれました。

富山では身近な高岡銅器。
新たな用途を拡大し、販売額を持ち直してほしいものです。
そのためにも、ヨシムラ・サイエンスラボも微力ながら頑張ります。

日本の伝統文化を支える南部鉄器

2011年01月12日 | 日記
今日は、岩手県の伝統工芸である南部鉄器を材料科学してみたいと思います。


茶道は単にお茶を点てて飲むだけでなく、庭園や茶室、茶道具も含む幅広い分野にまたがる総合芸術であり、まさに日本の伝統文化と言えます。
茶道の美としては、「なり」、「ころ」、「ようす」の3つが重視され、茶道具の選択基準となっています。「なり」とは茶道具の外見、「ころ」とは大きさや比率、「ようす」とは茶道具が持っている雰囲気、だそうです。

この様な茶道の美に基づく茶道具の中で、金属製のモノで代表的なのは湯を沸かす器の茶釜があります。この茶釜は実に数百種類の形状があると言われています。

茶釜の材質は鉄に炭素を2%以上加えた鋳鉄と呼ばれる金属でできています。
鋳鉄茶釜の産地として岩手県の南部鉄器が有名です。南部鉄器は江戸時代、南部藩のもとで茶釜づくりから発達した鉄鋳物で、盛岡を中心に作られ続けてきたものです。

鋳物とは、溶けた金属を作ろうとする物と同じ形の空間を持つ型に流し込んで固めて造ったものであり、茶釜の材質は鋳鉄に限らず、黄銅やアルミニウムでもこのような手法で作られる製品もあります。
南部鉄器でできた製品は、茶釜の他に風鈴や鉄瓶があります。南部鉄器の風鈴は素朴でやさしい音色で有名で、JR東日本の水沢駅は毎年夏になるとホームに風鈴が吊るされ乗客を楽しませていることから「風鈴駅」の別名も持っています。

茶道の美の一つとして位置づけられる茶釜。それを造る南部鉄器は、まさに日本の伝統文化です。
後世まで引き継いでいかなければいけませんね。

新年、あけましておめでとうございます

2011年01月09日 | 日記
新年、あけましておめでとうございます。

昨年の春に、10年間馴れ親しんで住んでいた宮城県を離れ、地元の北陸に戻りました。
そのタイミングで、技術士事務所「ヨシムラ・サイエンスラボ」を開所しました。
また、北陸先端科学技術大学院大学の伝統工芸イノベータ養成ユニット 伝統工芸MOTコースも受講し、昨年末に無事、修了することができました。
その間、ご指導頂いた緒方先生をはじめ、伝統工芸に関わられているいろいろな方々とお知り合いになることができました。
皆様、ありがとうございました。

昨年は10月以降、ブログ更新ができず、お恥ずかしい限りです。
今年は、伝統工芸に関する内容をどんどん紹介していきたいと思っています。