ヨシムラ・サイエンス・ラボ

身近な物を材料視点で解説「サイエンスライター」
銅の良さを伝え広める「伝銅師」、金属のお悩みへの相談「メタルソムリエ」

花火 × 銅

2020年07月26日 | サイエンス
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

昨日、妻と買い物に出かけた際に、スーパーマーケットに花火コーナーが設置されているのを見かけました。
いよいよ夏ですね!
娘も息子も大きくなり、今では一緒に花火をすることもなくなりましたが、夏に家族で花火を楽しんだ思い出がよみがえります。


花火は、金属の炎色反応を利用したもので、
黄色はナトリウム、緑色はバリウム、赤色はストロンチウム、そして、青色は銅、です。

ネットで調べると、家庭での炎色反応の実験についても紹介されていました。
※注意!
・火を扱うのでやけどに注意して、水で湿らせたタオルを置いておき、もしもの時は、広げてかぶせると火を消すことができます。
・大人といっしょに実験してください。


ご家族との花火大会もいいですが、炎色反応実験もいかがですか?

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ドクター・カッパー

2020年07月24日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

最近の新聞記事で、「ドクター・カッパー」という言葉が、伝銅師の私の目に留まったので紹介したいと思います。
※私は経済の専門家ではありませんので、誤りがあった場合はご勘弁ください。

最近、銅価格が再び高騰し始めています。
その背景には、
(1)銅鉱石の最大産地であるチリの銅鉱山労働者の新型コロナウイルス感染による鉱山操業縮小・供給懸念、
(2)銅地金消費の約5割を占める中国の景気回復、
の2つがあるようです。

このような最近の銅価格高騰に関する新聞記事を読んでいると、その中に、「ドクター・カッパー」という言葉を見つけました。
日本語に直すと、「銅博士」? 誰かが銅の研究で博士号を取得したの??
そこで、早速、「ドクター・カッパー」について調べてみました。

調べてみると、
リーマンショック以降、銅相場が示す方向が景気の先行指標として的中率が高かったことにより、
”銅相場は世界経済を映す”とされ、その結果、「ドクター・カッパー」と言われるようになったようです。
世の中には、いろんな言葉で表現する人がいるのですね。

この論からすると、最近、銅価格が再び高騰し始めている⇒今後、景気が良くなる?となりますが、
先日のブログで紹介しましたが、最近、安全資産である金相場も高騰(実体経済の回復にはかなりの時間を要する?)しています。

今後の経済について、経済の専門家ではない金属屋が語れるレベルではありませんが、
はやくコロナ感染が収束して経済が回復してほしいと願うばかりです。。。

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微生物 × 金属

2020年07月19日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

今回の話題は、「微生物×金属」についてです。

マンガンという言葉で最も身近なのは、乾電池(マンガン酸化物が乾電池の正極に使われています)でしょう。

その他、マンガンは製鋼時の脱酸剤、オーステナイトステンレス材の添加元素、などに使用されます。
この度、そのマンガンの酸化から得られるエネルギーを用いて増殖する種類の細菌が見つかったようです。(雑誌「Nature」より)

その他に、私たちの身の回りには多種多様な生き物がいて、
上述の細菌から、金属を錆びさせる微生物や鉱物から金属を効率的に抽出する微生物もいるようです。

金属屋としては、微生物による金属の酸化や還元のメカニズムを知りたいところです。
また分かりましたらご紹介しますね。

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自動車 × 初入荷したサンマ

2020年07月16日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

今回の話題は、「重量当たりの物の価格」についてです。

皆さん、特に奥様にとって、「重量当たりの物の価格」で最もイメージしやすいのは、
牛肉は100g当たり約300~500円、豚肉や鶏肉は約100~200円というように、食肉ではないでしょうか?

さて、そんな「重量当たりの物の価格」にまつわるニュースが最近多いようです。
例えば、
今日7/16は、
「豊洲市場に初入荷した、秋の味覚のサンマの卸値は、不漁のため、1キロ当たり10万円と過去最高値」
昨日7/15は、
「新型コロナウイルスの影響で、安全資産と言われる金の価格が最近高騰し、昨日の金の小売価格は1グラム6909円と過去最高値を更新」
といったニュースがそれぞれありました。

「重量当たりの物の価格」に関しては、金属材料を扱う技術者は、「この金属元素は、アルミニウム合金の特性向上に効果的だが重量単価が高いので使いにくい」など、重量当たりの価格で検討することが比較的多いので身近です。

最近、私が凝っているのは、「身の周りの様々な業界の製品を重量当たりの物の価格で比較する」ということです。
先月号の雑誌「金属」(アグネ)にも投稿しましたが、異業種製品を重量単価で比較することによって新たな知見が得られないか? 開発アイデアのヒントにならないか?と思ったことが発端です。
ちなみに、重量当たりの価格という観点で比較すると、自動車の重量当たりの価格は、自家用車でおおよそ2,500円/kg、超々高級車でおおよそ25,000円/kg、なので、初入荷したサンマ(100,000/kg)がいかに高級であることが分かります。

皆さんも、様々な製品を、奥様や金属材料を扱う技術者にとってなじみのある「重量当たりの価格」で比較すると、新たな発見もあるかも。

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