眺める空に描くもの

高齢者女子のおひとりさま暮らしノート

かぐや姫の曲たちで思い出すごみ屋敷?

2024-09-21 16:12:44 | わたし記
通院の車の中は、このところ、「かぐや姫」のベストアルバムが流れています。

「かぐや姫」を知ったのは、「全日本歌謡選手権」にグループが出場したこと。
エンターテインメント性のある人たちだなあと感心して、南こうせつさんがとても
やさしくあたたかい歌い方をする方だなと印象に残りました。

番組自体は4週で辞退となって、残念だったことも覚えています。

そして、振り返ったときに、この番組を見ていた、ということは、父がいなかったんだなと、
そういう我が家の時代背景も甦るということになっております。

緒論あるかとは思いますが、父は子供にテレビを見せることには反対派で、私たち兄妹が
見てもいいのはNHKの教育番組だけだったのです。

おそらく、「全日本歌謡選手権」を見ることができていたのは、転勤で父が忙しくなり、
目が届いていなかったのかなと。そして、エンタメ系のテレビ番組を見たことがなかった私は、
その手の番組がとても新鮮で興味深かったのです。

小学生のときは、自宅が父の職場という、サラリーマンにしては特殊な環境だったので、
父が家(事務所)にいる確率がかなり高かったのですが、転勤できっちりと電車通勤となり、
会社勤務になったために、家で父の姿を見ることが少なくなったわけで。

小学生の私は芸能人のことは全く知らず、クラスメイトが俳優さんやら歌手の方の名前を
知っていることにとても驚いてしまい、顔だけで名前を知っていることが不思議でした。
私がテレビドラマを見ても、俳優さんの名前は全くわからなかったのです。

さて、車で流れる「かぐや姫」のアルバムには伊勢正三さんの「なごり雪」が
収録されています。イルカさんのカバーで大ヒットしましたが、私にとっては、
伊勢さんのバージョンがやはり自分の思い出とリンクします。

大学時代、郷里に帰るAさんを見送った日のことが、その情景。
相手が男性だと書くと、何かしらの想像をなさる方がいらっしゃるかもしれませんが、
あくまでも「なごり雪」の情景とは重なるけれど、心情とは重ならないという残念なお話。

ビジュゼロ、自己肯定感低く、恋愛体質ではなかった私にとってAさんは、ただの
仲間のひとりであり、「汽車を待つ君の横で時計を見ていた」のは、仲間たち。
みんなで「元気でやれよ」と見送ったというだけのことなのでした。すみません。

ただ、エピソードとしては、私は、Aさんのアパートの部屋を掃除したという話は
ありまして。ひとり暮らし男性の部屋を掃除してあげるなんて、やっぱり、「その手の話か?」と
思われるかもしれませんが、全くそうではございません。あくまでもご期待に応えられず。

Aさんを含む男子友と、私たち女子友は恋愛関係なしの健全な友達関係で、
泥沼展開も全くなく、学祭で彼らの応援をしたり、彼らのバイト先に遊びに行くなどしていました。

2学年上のAさんたちの卒業が間違になったころ、お別れ会的な飲み会があって、女子友が
ひとり酔いつぶれてしまい、歩くのもやっとに。

彼女は実家住まいでしたから、その日は私のアパートに泊めてあげるつもりでは
あったのですが、飲み会の場所から、私の部屋まではかなりの距離があり、電車も乗り換えがあり、
ちゃんと歩いてくれないと、とてもではないけれど、連れて帰ることができません。

困った私を見かねて、ちょうど近くに住んでいるAさんの部屋で休ませようということになり、
Aさんとほか男子2人が彼女を支えてくれて、やっと、下宿に到着。

かぐや姫の歌詞の通りの裸電球がぶら下がっている三畳一間の小さな下宿だったのですが、
ここで歌詞以外の現実がありました。by 神田川 赤ちょうちん 

そ、それは、もう、筆舌尽くしがたい「汚さ」。どうしたら、「これだけ汚せるの?」というくらい。
万年床がひとつ敷いてあって、そこになんとか彼女を寝かせたら、とてもではないけれど、
ほかに座ることもできない汚さ。ごみや食器や脱いだ服やたばこの吸い殻が混在して散乱。
うひゃぁぁぁぁ。まさにごみ屋敷状態です。

失礼なので、何も口にしませんでしたが、男子3人は「俺たちがいたら、ゆっくりできない
だろうから、とこかまた、飲みにでも行って、時間を潰して来るよ」と言って、出かけて
くれました。こういう紳士な男子友だったから、恋愛沙汰もなかったのかも。

彼女はすっかり夢の中でしたが、私はそんな汚いところで、座るわけにもいかないし、
まず、私はお酒がおそろしく強いので、眠くもなんともない。

そこで、私は「一宿の恩義」とばかりに掃除をはじめた、というわけです。

もともと片づけは得意だったので、あるべきものはすべてあるべきところに片づけ、畳の上の
ごみは仕分けして、ほうきで掃き寄せて捨て、拭き掃除と。
まあ、もともと3畳しかないので、あっという間に掃除は完了!

と、私の労働のあと、ようやく女子友が目を覚まして、「きゃあ」と悲鳴を上げました。

「なに、ここ? こんなに汚いところで私、寝てたの?」

あわてて起き上がり、気持ち悪そうに見ているので、「これでも掃除したのよ」と、彼女が
起きる前の惨状を話してあげたら、唖然としていました。

実は、彼女は誰もが知る大手企業の重役の娘。お嬢様育ちの彼女には信じられない「世界」が
そこにあったようです(笑)

それからだいぶたってから、男子3人が戻って来て、「うわっ、どうしたの?」と全員がびっくり。
「別の部屋みたいにきれいになってる」と、出かける前と後の部屋の違いに「すごい」と
言われ、Aさんにはとても感謝されました。

そんな底辺な暮らしぶりだったAさんですが、実は彼もお坊ちゃま育ち。郷里ではお父様が
会社経営をなさっているそうで、かわいい子には旅をさせよとばかりに、仕送りはせず、
自分で働いて自活しながら、大学を卒業しなさいという、修行の一環だったようです。

彼の恐ろしく汚い部屋には似つかわしくないスーツが何着も並んでいたことも思い出します。
「なごり雪」で見送ったあと、郷里で社長の後継者として頑張っているとの話を聞きました。

恋愛体質な方には、物足りない話だと思いますが、私の人生には美しい恋愛話なんて
彩りはございませんので、お詫びいたします。てへへ

お詫びに神田川をどうぞ。


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