飛べない鳥

『うちの前にずっと鳥がいるんだよね』と近所のママ（Ｓさん）が言ったのは午後３時頃。
『ずっとって…いつから？』と聞いてみると、
『今朝ゴミ出しに行った時からそのままなの』というお返事。

鳥嫌いな私ですが、怖いもの見たさで行ってみました。
そこには柄の悪いハトのような鳥がいました。



恐る恐る近づいてみても逃げるでもなく…。

下校した近所の小学生に囲まれても全く動く気配なし。



明らかに異常事態だと思われます。
きっとどこか怪我をしているのでしょう。

どうする？と言い合いながらも、そのうちどっかに行くだろうと思い放置しました。



そして翌朝・・・。





なんと不動の姿勢で一昼夜！

朝からカメラを持って見に行く私もどうかと思いますが（爆）、
まさかそのままなんて・・・。
（怪我をしてるなら即御臨終かと）

昨日と全く同じ姿を目にしては、さすがに鬼の目にも涙です。
手は出せないけど口を出してみました。
私『お腹空いてるよね？』
Ｓ『うん…』
私『水も飲みたいよね？』
Ｓ『うん…』
私『このままじゃ死ぬよね』
Ｓ『やだーーー気持ちわるーーい！！』
私『何かエサをあげてみようか？』
Ｓ『え～～～！？ここで飼うんですか～～！！』
私『そんなんじゃないけど！！（←爆笑）ご飯とかお米とか…』
Ｓ『ああ～・・・・』（←やる気なし）
私『お菓子のカケラとか…』
Ｓ『ああ～！』（←やってもいい感じ）
私『水、やってみる？』（←自分は近寄れないから人頼み）
Ｓ『じゃあ、プリンの空き容器にやってみます』
私『うんうん、やってみて』（と言って数メートル避難する）

Ｓさんが水を入れた容器を近づけてみました。
すると鳥はぎこちなく羽ばたいて、舞い上がることなく歩き出しました。
翼を痛めているらしいと気付いて、鬼の私もなんだか可哀想になってきました。
せめて水くらい飲んで行けばいいのに…。

鳥はＳさんちを出てテクテクテクテク…。



お隣の伊藤さんちの敷地内へ。



ほっといて欲しいと言わんばかりの後姿を見せて。



やがて鳥は立ち止って、そこに落ち着きました。



どうやら伊藤さんちで生涯を閉じることに決めたようです。
飛べない鳥の余命はいかほどでしょうか？

私たちは、何か義務から解放されたような気分でした。

伊藤さん、後は頼んだよ！
鳥は燃えるゴミでいいのかな？（やっぱり鬼）


【本日午後５時半　観察結果及び予想】

鳥は消えていました。
自力でどこかへ行ったのか、
ネコがくわえて持ち去ったのか、
もしくは早くも伊藤さんちの袋の中か、
伊藤さんちのお隣の遠藤さんちか（笑）
それとも知らないだけで我が家のどこかか（恐）