High up in the sky

赤司 征大|Masahiro Akashi
UCLA MBA留学記
WHITE CROSS株式会社 起業までの軌跡

ヨセミテ国立公園への旅 2日目

2015-05-19 23:23:08 | 2015.4-6 春 Last Days at LA
朝起きると、空が美しく晴れていました。昨晩から宿泊していた布でできたコテージは半野宿みたいなものでしたので凄まじく寒く・・・風邪をひくかと思ったのですが・・・まっ、大丈夫だろうと根拠もなく踏んでいたところ・・・やはり大丈夫でした。

多分、私は、本当に野宿しても平気でしょう。大学時代、バイクで2ヶ月間野宿しながら旅をしたせいで、こういうことに対する抵抗はあまりありません。ただ、あの頃と比べて確実におっさん化しているはずですので・・・流石にもうしないです。(とか言いつつ、半年前にメキシコシティで野宿していましたが。)


心地良い天気に背中を押され、はやる気持ちを抑えて、昨日買っておいたコーヒーとサンドイッチで朝食を済ませ、ヨセミテにトレッキングに行きます。


ヨセミテ国立公園の見どころの一つ、ヨセミテ滝は、739mと北アメリカで一番落差のある滝です。


冬は凍りつき、夏には枯れる滝ですが、5月中下旬の今はまさに、その落水の迫力を見せつけてくれます。昨日が雨だったこともあり、いつも以上の水量とのことでした。遠くに車を止めて、近くまで歩いていきます。





滝に近づくと、地鳴りのような水の音に包まれます。ここまで、豪快な水しぶきを上げられると、マイナスイオンもクソもないな・・・とか変なことを考えながら、日本ではまず見られない風景を楽しみました。


その後は、車を少し移動させ、ミラーレイクへの片道3kmのトレッキングを楽しみます。




途中には、謎なクマトラップがあります。比較的賢いはずのクマが、こんな如何にも怪しげなドラム缶トラップにひっかかるのかな・・・ガイドブックには、クマと遭遇したら近づくな。ただ、にっちもさっちも行かなくなったら戦えとあるのですが・・・地球上最強クラスを相手に、どう立ち向かえというのでしょうか。そうなったら、諦めざるえんな・・・とか馬鹿なことを考えながら森の中を歩いていました。


何事もなく1時間半程度気持ちよく歩いて、ミラーレイクに到着です。



帰り道は、野生のシカに遭遇したり、Duke大学のLaw Schoolを今月卒業される中国人留学生さんと偶然出会って話が盛り上がったりと色々ありました。MBAとLLMの違いはありますが、同じアジア圏から留学して、卒業までこぎつけた者同士、妙な仲間意識が芽生えて話が盛り上がります。


そして最後に、グレーシャーポイントです。昨日も訪れたのですが、あいにくの雨で残念な感じでしたので、せっかく晴れた今日、再度訪れました。

・・・圧倒されました。雨と晴れとで、ここまで表情が変わるとは思っていませんでした。壮観の一言に尽きます。





最近何かと縁があるリス







やはり世界は見る価値のあるもので溢れているな・・・と感じます。

6時間の帰路の運転に備えて、少し仮眠をとりました。その後は一気にLAまで南下します。一人旅の場合は、無理をせずに休むべきタイミングを見計らって仮眠を取ることが大切です。


帰路の中間地点のGas Stationで日が落ちました。



6時間後、LAの見慣れた街明かりが見えてくると、すごく安心します。ただいまと心の中でつぶやいてしまうこの見慣れたこの景色も、残り1月です。

USでの残された時間を楽しめています。

ヨセミテ国立公園への旅 1日目 + 米国の歯科医療教育等について少々

2015-05-19 00:25:11 | 2015.4-6 春 Last Days at LA
MBA卒業まで1月を切り、仕事に多くの時間を割いています。それと同時に、友人達との時間を大切にしたり、今行っておくべき場所を訪れたりしています。

先週末から今週にかけて、ロマリンダ大学歯学部で学んでいる親しい友人を訪れて内部を見学させて頂いたり、LA在住の西森会という日本人歯科医師コミュニティー(UCLA近辺の地名はWestwoodで、西森です) に参加させて頂いたり、そのコミュニティを主宰されている南カリフォルニア大学歯学部のみん先生とランチをさせて頂いたり、Andersonの親しいアメリカ人のSamと食事に行ったりしていました。みん先生は、歯周病専門医過程を学びながら研究をし、自力で高額の研究予算を獲得し、南カリフォルニア大学に研究職を得たという素晴らしい先生で、私が尊敬する日本人歯科医師の一人です。穏やかな人柄で、決して自分を誇示したりはしませんが、こちらからお伺いすればさらっと話してくださる実績の裏に透けて見える努力には脱帽せざるをえません。MBA留学にもかかわらず、西森会を通じて出会った方々の中には、これから先も機会があれば定期的にお会いさせていただくんだろうな・・・と思える素晴らしい方々が多くおられます。




MBAのindependent research を通じて、米国の歯科医療市場や教育について分析をしてきて思うことですが、日本人歯科医師が米国にきて学ぶ価値は、その後のOutput次第では、確かにあります。

ただし、日本でたまに見受けられるように、米国の歯学部が日本人歯科医師を対象として高額で提供している短期学習プログラムを通じて付与されるcertificate などを、歯科医師としての経歴として提示していくことは、少し違和感を感じます。全否定ではなく、私自身、特に若い先生方から相談された時には、見聞を広げることには価値がありますし、certificateを取ることを目的に行くのではなく、”考える”ために行くことが目的なのであれば、「とりあえず行ってから考えてみたら?」とアドバイスしています。また、歯科医師の業態を考えると、非日常の中で、羽を伸ばしモチベーションを高める機会としては歯科に絡めた良い旅行かもしれません。それに加えて、開業やご家族のことなどを考えると、行きたくても本格的な留学には踏み切れない先生で、エッセンスを感じられたい方々もおられます。しかし、残念ながら、そのプログラムの本質を見ると、選抜もなく最低限の英語が身についていない状況下で、傍観者として短期間の英語でのプログラムへ参加することを通じて得られるcertificate自体に価値はなく、日本人歯科医師が、米国の効率的なプチビジネスのカモにされている感は否めません。ビジネススクールの学生の立場から、そのプログラムの価値はどこにあるかを、某米国歯学部に問い合わせたところ、degree としての価値はないし、Alumniとしても認められない・・・という本音が見え隠れするコメントをいただきました。不快な話です。

その一方で、こちらでの歯科医師免許取得を目指されている先生方、専門医過程に所属されている先生方、研究者としていらしている先生方の努力と学びの質には凄まじいものがあり、その先に得られるdegreeの価値は確かにあります。そもそも専門医過程などは入学の段階で、語学力の向上を含め、相当レベルの努力を要求されます。日本とは異なり米国の歯学部の受験倍率は平均20倍、専門医過程はさらなる厳しい選考をくぐりぬける必要があります。degreeを得た先、そのまま米国で生きて行くなら経済的にも報われますし、プロフェッショナルとしても満足度が高いはずです。また、日本に戻る場合は、制度や歯科医療のあり方の違いなどに苦しむことは確かですが、その先生の考え方/表現しだいでは歯科医療の社会的価値を高めてく一翼となりうる立ち位置に立つことができます。また、客観的に見て、社会的にも経済的にも、日本社会で生きていく上で歯科医師は悪い職業ではありません。

米国の専門医教育を例に挙げるなら、プログラムを通じて、その専門分野の歴史を紐解くように数百本の論文を読み咀嚼することで、専門医としての必要かつ共通のベースを作り上げていきます。その上で、個々の症例/治療に合わせてEvidenceを取捨選択して適応させていきます。そして常に周囲から、なぜそれを選択したか説明せよと問われ続けます。これらの過程を通して、各自のphilosophyを作り上げていくしていく様には、驚かされました。

ただ、日本人歯科医師の先生方にとって、それらを学び身につけ、degreeを得た先に得られる思いが、日本の歯科医療への単純な否定と拒絶ではないことを切に願います。あくまでヘルスケアを専攻してきたMBAとしての視点からですが、これまで再三記載してきたように、米国の医療制度下では、特に歯科医師のプロフェッショナルとしての満足度は高いですが、サービスの受け手である患者から見たアクセサビリティは最悪です。米国で、貧困層に提供される歯科医療は、予防+抜歯+総義歯です。これが暗に意味するところを、日本社会に適応していくべきではありません。論理的には教育論と制度論という違いを有しています。しかしながら、国家としてはその制度上求められる医療を提供するための教育という位置付けとなるために、議論が混在することは自然なことです。したがって現在の日本では、その両輪の改革が必要ですが、こと歯科医療においては、変化に向けて上手くリードされているようには見受られません。

少なくとも、論文をベースとした教育の一定レベルでの導入は、こと専門医過程においては、今後の歯科医療の社会的価値を高めていく上で必要不可欠だと、私は考えています。まずは、そういった知へのアクセスへの敷居を下げる取り組みが求められます。

また、今の日本の歯科医療は、一部のカルト的な歯科治療については言わずもがな、大半の歯科専門書のあり方すらも、深く紐解けば経験に偏っているように思えます。ただし、完全な否定の意味合いではなく、それらの中には多くの良書が存在します。良書には、実際に数多くの英語論文を読み解き、咀嚼してこられた先生方が、その知識/技術と長年の臨床経験とを練りあわせて、結晶化させたものが多いように感じます。一人の人間の経験を練りあわせるが故に、ある程度視点(先述のphilosophyに近い)が固定されるのは、避けられませんが、確かな価値がそこにはあります。

プロフェッショナルの経験には素晴らしい価値があります。歯科医師は知識技術職であり、知識の適応の仕方のみを身につけるだけではいけません。その知識を反映させた技術を治療として提供して初めて歯科治療はその価値をうみます。経験とは、その過程で蓄積されるプロフェッショナルとしての総合的な体現力の源泉・・・のようなものだと、現段階では捉えています。(これについては、より、深い観察と考察が必要になりますが)また、プロフェッショナルである以上、経験に基づく治療/ひらめきなどを否定してはいけません。古くは、David L Sackettの"Evidence based medicine: what it is and what it isn't"、新しくは、The New England Journal of Medicine の4月号に掲載された"Antibiotic Treatment Strategief for Community-Acquired Pneumonia in Adults”などは、良い示唆を与えてくれます。要は、知識/技術、そして経験のどの要素を欠いても、バランスが良くないのでしょう。

教育/制度のその両方において、日本は米国式を周到するべきではなく(そもそもそれは少し考えれば不可能であることがわかりますが)、良い点は取り入れながら温故知新で日本独自に発展させていけます。このあたりについては、今後より深めて、記載していくかもしれません。(記載しないかもしてません。)



話ががらっと変わりますが、今週来週にかけては、旅をしています。今日明日とLAから車で5時間程度のヨセミテ国立公園に来ています。本当は ミケや松村さんとキャンプしに来る予定だったのですが、なかなか都合が合わず・・・まっ、一人旅好きだし、いってくるかと思い立ったのが先週の金曜日ですので、私の自由きままな性質は相変わらずです。

いつも通り、10分程度で必要最小限の荷物をまとめて出発です。1泊2日程度の旅であれば、準備にかかる時間はそんなものです。


カリフォルニアをひたすら北上します。


ヨセミテ渓谷


ハーフドーム。生憎の天気で、全容が見えませんがそのスケール感に圧倒されます。




直前に予約した渓谷内のコテージですが、壁は布で寒い上に/風呂/トイレなし(あるにはあるが、歩いて3分のところ)でベットのみが置かれているという・・・


でも、これがいいんです。これを記載している今は、こちらの時間で真夜中ですが、近くを流れる川のせせらぎ以外は何も聞こえてきません。そとにでると、降り注ぐような星空が広がっています。居心地の良い環境=贅沢な時間というわけではありませんので。


私のブログは、留学前、ビジネススクール1年目で色々模索していた時期、ビジネススクール2年目で起業が決まって以降で大きくそのカラーが異なっています。特に、ここ半年に至っては、アカデミアでの学び(Input)に限界を感じ、自分のビジネスの構築(Output)に集中するあまり、一般的なビジネススクールの学生らしいトピックを選択することもなくなりました。その変遷に合わせて、プロム/ハロウィンパーティー/ビーチパーティーと言ったビジネススクールの学生らしい楽しみ方は、時間を割く価値を感じられず、どんどん排除されていきます。私はもともと社交的ではありますが、学校で同じ授業をとってでもいない限り、数ヶ月単位で顔を合わせない友人もいます。

・・・それで良いのだと思っています。MBA留学記”らしさ”は、すでに失われています。それに自分自身が納得しています。

明日は、美しい自然の中をゆっくり散歩して、LAにもどます。

怒るに怒れない出来事

2015-05-12 20:30:56 | 2015.4-6 春 Last Days at LA
UCLAにはリスがいっぱいいます。

先日、Andersonのオープンスペースで仕事をしていました。ふと顔をあげると、久しぶりに近くにきたな・・・ということで写真撮影ついでにゴミを捨てにいき、テーブルに戻ったところ・・・私のかじりかけのリンゴが忽然と消えていました。



犯人、絶対におまえだろ! ・・・まっ、モデル代として、かじるがいいさ。

最近の興味 + 起業に興味がある受験生の方々

2015-05-09 05:15:24 | 2015.4-6 春 Last Days at LA
少し前まで、エベレスト登山について調べていました。細かいルートやかかる費用、各標高での死亡率、体力の消耗などをつぶさに調べていました。最近は、仏教の修行、千日回峰行などについて調べています。

坂の上の雲の序文に、その時代背景として、「軍人が華やかに世界中で活躍した時代」というような表記があったように思います。また、その前には宗教が世界の中心だった時代があり、今は、資本主義で経営者が・・・と言える時代なのでしょう。

その資本主義の士官学校であるビジネススクールに入学する前は、言葉も通じず、やることも多く、精神的にも極限まで追い込まれるのだろうと考えていたのですが、この2年間、時間的/体力的に追い込まれることはあっても、精神的に追い込まれたことは全くもってありませんでした。多少はあったのかもしれませんが、受験時代のほうがよっぽど修行っぽい時間でした。あの時代は、プレッシャーと真正面から向き合っていました。

私にとって、ビジネススクールというのは面白い場所で、プロフェッショナルスクールゆえに、学びのほとんどがアカデミアにあった学部時代とは異なり、その学びの大半が学校の外にありました。この2年間、学校はあくまで外での学びのベース基地のような物だったと思います。そういう環境下で、忙しいなりに自分自身の精神、生き方、幸福などを、じっくりと見返し、再度自分という人間を構築する時間を得ることができました。これこそが、この2年間の最大の贅沢だったのかもしれません。

そこまで考えてもいまだに、自分を律することを美徳として捉えていながら、自己の重要感を満たすためだけに言葉を発したくなってしまう時もあります。そのさまに、純粋に苦しむような若さはもうありませんが・・・相変わらずだらしないと感じる自分の性質や生活に嫌気がさすこともなく、それが人間だと捉えています。ただ、どこかしらその甘さを、一定期間であれ徹底的に追い詰めて排除してみたいとも感じています。

その結果が、肉体的に極限を経験する修行を通じて得られる心持ちへの興味であり、冒頭のエベレスト登山や、千日回峰行につながっています。誰もが人でありつづけるという答えに行き着き、それを永遠ととらえるが、業と捉えるか、悲しみととらえるか・・・どう捉えらえるかということなのだろうかとか考えています。千日回峰行を2回成し遂げた、酒井雄哉大阿闍梨の言葉が心にしみます。・・・短期的には予定していませんが、長期的には仏門に入りたいな・・・とか思います。



MBA受験生の方から、しばしば「起業に興味があります」という主旨で相談を受けることがあります。相談は、主として3パターンに分類されます。

1つ目は、実際に起業するしないの問題ではなく、とにかく合格したいので、エッセイに役に立つような情報を提供してほしいというものです。相談の先に合格を見据えている以上、喜んで情報提供をさせていただきます。

2つ目は、「ビジネススクールにきたら起業できますか?」という曖昧なものです。私自身ようやくスタート地点に立てたに過ぎないので、偉そうな話で申し訳ないのですが、結局のところ、どれだけ本気かってだけの気がします。

”起業したい”と考えている間は、行動しているようで意識が一線を越えていません。意識が一線を越えて”する”と決めている場合、自然に行動が人を呼び、運を呼び、資本金を呼び、形になっていきます。アントレプレナーシップに興味があるという受験生の方々の、それなりの人達はアントレプレナーではなく、ワントレプレナー(want=したい)の域でとどまっているように感じます。

しかしながら、「これからビジネススクールを経験していく人たちへ、貴方はwant 止まりですね・・・とか、決めつけで物を言うのはあまりにも横柄でアンフェアですし、実際にビジネススクールにきて色々経験してから考えて決めたらいんじゃない?私自身だって、不確定で人に見せることができない未来を信じて、全部捨てて飛び込んできたじゃない。」と思います。故に、上記の質問を受けた場合は基本的に、「MBAを取りながら起業したいなら、とりあえず受験に合格して、実際にきてから考えてみたらどうでしょうか?きたら何か見つかるかもしれませんよ・・・どうするか悩みながら踏み込めずに同じ環境に居続けるよりは。」と明るい答えを返すようにしています。

3つ目は、少数ですが、すでに意識的に一線を越えて、何が何でも起業するとを決意している方からの相談です。いかにうまく進めるかを考え、私に相談に来られます。私程度ではアドバイスできることに限りがありますが、これまでのトレックを参考までにお話しさせていただいております。

結論、どのタイプの質問にも、明るい背中を押す答えをお伝えしますよ・・・という、ふにゃふにゃした答えでした。

嬉しいNews

2015-05-06 14:15:20 | 2015.4-6 春 Last Days at LA
そろそろかな・・・と思って今朝方チェックしたところ、昨日で、当ブログの過去の閲覧回数が150,000回を超えました。

ビジネススクールにせよ歯科医療にせよ、私が立つ瀬は比較的ニッチです。その中で、これだけ多くの皆さんに目を通して頂けた事、心から感謝いています。・・・また、読んで頂けているということが、嬉しいです。

ふと気になり、初期の頃の記事を読み返しましたが、私という人間の性質は変わってないけど、少しは成長しているのかね・・・と思えました。


卒業まで、後37日。まだ、走れる時間があります。出来る事を1つづつ丁寧に押し進めて行きます。