Four Season Colors

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読書のよもやま(2024.08.19)

2024-08-19 | 雑文
「くすりの発明・発見史」岡部進(角川ソフ
ィア文庫)

治療における「くすり」について、古代の事
情から近代の重要な発見までを、どちらかと
いえば、人物に焦点を当てて遡る。

セレンディピティ(偶然の発見)をキーワー
ドに、発明・発見者のその前後まで追い、人
生を語る。

およそすべての症状が判明していて、対応す
るお薬もほぼ存在するかのような現代。

実際は、もちろんそんなことはないのだが、
そう思えるほどの進歩に至るには、呪術から
化学まで、一歩一歩進んできたはずで。

無論、著者は薬学の専門家であるので、知識
として発見・発明史を得ることは十分できる
本である。

のだが、書籍として言わせてもらえば、これ
は相当によろしくないと評価せざるを得ない。

素人なので論文系としては知らないが、一般
向けとしては文章は結構読みづらく、文体も
感想文みたいで安定しない。

また、構成もかなりめちゃくちゃで、時系列
も無視して、話があっちゃこっちゃに飛びま
くる。

急に話が飛んだと思ったら、急に話が戻った
り、離れたところで同じことが書いてあった
り、説明が不足していたり。

書いてある内容を理解するのが困難であるの
ではなく、書いてあることそのものを理解す
ることが困難なことがある。

読み進めるのにここまでイライラする書籍と
いうのも久しぶりで、一応、最後まで読み終
えたが、面白くはなかった。

とはいえ、まあ「くすり」についての知識は
多少なりとも身についたので、よしとするの
だろうか。

変に主観的にならず(著者が出てこず)に、
もっと淡々と事実を振り返るか、テーマを絞
るかした方が良かったのでは。

素人の偉そうなただの感想なので、参考には
ならないけれども。


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