ユーカリスティア記念協会のブログ

できるところまで、できることから始めちゃうのだ。
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NYタイムズのカール・バルト訃報記事

2014年03月09日 21時54分06秒 | アーカイブス
菅円吉『カール・バルト研究』(昭和43年)に挟んであった、ニューヨーク・タイムズ紙によるバルトの訃報・追悼記事です。

菅先生のご著書発行‐バルトの死去年‐野呂芳男がニューヨーク・タイムズ紙の当記事をこの本に挟んでおいた、という出来事の年代的整合性が、資料整理作業中は頭の中でうまくつながりませんでした。




要するに、野呂は帰国後もニューヨーク・タイムズを購読していたということなのでしょう。学者にとって情報収集は大切な仕事ですが、当時は今とは違ってメディアが限られていた時代です。ツイッターなどで、誰かの訃報が瞬く間に国際的に広まるということがない代わりに、その分、当時は情報のひとつひとつがもっと貴重だったように思います。

このように、野呂が保存していたスクラップなどで、保管スペースの問題上、廃棄せざるを得なかったファイルもあります。美術ポストカードなどのスクラップなどがそれにあたります。それにしてもマメな人だなあと関心もしますが、野呂にとってそういった作業自体、当時ささやかな楽しみのひとつだったのかもしれません。



本書は1968年発行で、バルトの死去年も1968年ですので、この記事もその年に書かれたものと思われます。紙面半ページほどに書かれた記事は、バルトについて簡潔にしかも分かりやすく丁寧に紹介されており、記者の力量がうかがわれます。記事の内容が濃いです。(林昌子)

小田切文庫目録と巻頭言

2014年03月07日 00時18分17秒 | アーカイブス
立教大学新座キャンパスの図書館に、「小田切文庫」という個人寄贈による保存文庫があります。医師であり、キリスト教の良き理解者でもあった小田切信男氏が所蔵していたキリスト教関連の本を、氏の死後、奥方である小田切道子氏から野呂芳男を経由して、立教大学に寄贈されたのです。

この経緯の記述はもちろんありますし、目録の巻頭では野呂芳男が当文庫の意義について述べています。

小田切文庫の存在は、今ではネット上の検索によっても分かります。小田切文庫の本にお世話になっている人々も少なからずいることでしょう。立教大学の図書館では、写真の目録は閲覧可能なようですが(ただし、調べてみたら禁帯出扱い)、特に私立大学図書館は外部からのアクセスが難しいので、これらは手元にあっていい資料です。昭和時代のキリスト教関連の和書7212冊その他が、とにかく一瞥して確認できるという資料の価値は高いといえるでしょう。

さらにたとえば、「野呂芳男は小田切信男氏の本を、『古本屋に売っても二束三文にしかならない』と言いながら全てそれらを古本屋に売った」と事実と違うことを言う人に対しては、それは違いますよと説明申し上げるのにこのような資料があると面倒でなくてよいです。(林昌子)

サイン本&贈り物の本

2014年03月05日 01時16分42秒 | アーカイブス
まずはこちら、ラングドン・ギルキーからのサイン本。ギルキーは基本的にシカゴ大学系の神学者といえますが、京都大学でも教えたことがあります。



表紙カバーがかなり傷んでしまっているけれど挿絵のすばらしいチャーミングな本だなあ、ルターのクリスマスブックが出ていたなんて。かわいい本、と思ったら……この本、野呂の恩師エドウィン・ルイスからのクリスマス・プレゼントでした。なんて素敵なクリスマス・プレゼントでしょう。



なお、本をおさえている画面下方の黒くて丸っこいのは私の膝です(林昌子)