~Words~

心に宿る言葉たち

ほこり

2006-09-22 | words




夕方近くになると 彼女は

背もたれのしっかりした

お気に入りの椅子に

深々と腰かけ

肘掛に手を

静かに乗せ

ゆっくりと 遠くを見る

私の声が

耳に入っているのか

あるいは

わざと聞こえないふりを

しているのか

口を開いては

何かを言おうとするが

声にはならず

ほんの少しだけ

ほほえむ


それは

太陽のきまぐれだろうか?

その時に見た

彼女の額のシワの深さが

この眼に

誇らしげに焼きついた


わたしもあなたとおなじ昭和うまれ・・・