~Words~

心に宿る言葉たち

その鞄をさげて

2006-02-17 | words

 

 

しばらく

西風に吹かれる風見鶏を

ぼんやりと眺めながら

つかの間の平和を楽しんでいた


明日もまたこんな風に

平和な日がくるだろうか


その胸に求めるものは

安らぎと争いの場所

それを覆い隠すように

どこまでも真っすぐな

空が

目の前に拡がり

その空の元で

雲が泳ぐ


逆行する思いを

断ち切るように

大きく 大きく 深呼吸をした


立ち上がった男は

中身の何も入っていない

 その鞄をさげて明日へ出かけた