あの社会人時代の、馬鹿なオレ。子守するほう、の。( 摸摸具和の6 )

2023-08-06 04:42:26 | 馬鹿なオレ

撮影作業開始、3日目に、

代理店のクリエイティブの担当者が、

ふたり、陣中見舞いに、

現場にやって来た。

 



このために、東京で買ってきたのだろう、

お揃いの暖かそうな

高級なダウンジャケットとダウンパンツに、

身をまとっていた。



オレらは、4人いたから、不公平になると思ったのか、

見すぼらしい格好のオレたちを横目に、

ダウンジャケットを置き土産にはしないで、

「モモンガ、でるといいよね、

 風邪ひかないように、頑張ってね」って、

他人事のように、軽いコトバと、

日本酒、一升瓶、1本だけを置いて、

サッサと、待たせていたタクシーで、

現場から立ち去って行った。



誰が、

カネを握ってるんだ、

おいッ。



そうです、クライアントの企業様から、

代理店様で、トップオフ、搾取され、

(駄目だって、「搾取」なんてコトバを、

簡単に、使ったら。

階級関係があって、余剰価値が産まれて、

彼らは、何もしていないようじゃない。

イヤイヤ、そもそも、

付け焼き刃は剥げやすいンだから、

知ったかぶっても、恥を晒すだけ、だよ。

なんか、使ってみたかった、だけだよね。

そんなに、ダウンジャケットが、

着たかったんだって、気持ちが伝われば、

それで、いいんでしょ。)



それから、

オレたちの会社の利益分を、差っ引いて、搾取され、



(駄目だって、「搾取」なんてコトバを、

よく理解もせずに、使ったら。

付け焼き刃は剥げやすいンだから、

知ったかぶっても、恥を晒すだけ、だよ。

「搾取」って、

ぶんどられるような、コトバで、

畜生、なんで、あいつらが、

ダウンジャケットを着て、

現場で、四苦八苦している、

オレたちが、ドカジャンなんだよォ、って、

そんな気持ちが伝われば、

それで、満足するんでしょ。)



この現場に、チャリンと、落ちて来ているんです。



この現場で、

カネを握ってるのは、

駆けだし、頼りにならない、なんでもやります、

プロダクションマネージャー、

いや、雑用係のオレではなく、

照明作業マン、兼、プロデューサーです。


彼らに、高級なダウンジャケットが入手出来ても、

オレたちには、ドカジャンが、精一杯と、

照明作業マン、兼、プロデューサーが、

算盤を弾いて、判断したのだ。



なぜなら、

彼ら、陣中見舞組は、

往復の航空運賃

1泊分?の旭川のホテルの宿泊代と食事代

現場までの往復のタクシー代

と、余剰価値分

(遊興費と、捉えてください。当然、誤用です。)

すべて予算が読めるのだ。



終わりが、見えない、と、いうことは、

予算配分を、そう判断させる、ということだ。


何も、撮影の現場に、限ったことでは、ないでしょう。

あらゆる予算配分について、

万国共通することと、思えるんです。

世の中、世界、世間を、見渡せば、です。

 

財源から、そんな名目で、

打ち切られたり、計上さえされない、

必要と思われる、予算も、

いくらでも、あるでしょう、が。




物見遊山の、数分の滞在費を、こっちに廻せよ、

それで、オレたちは、

ダウンジャケットと

ダウンパンツで、

作業員から、撮影スタッフに、

変われるという、理屈もあるは、あるんだが。

彼らとしても、

どんな現場かを見て、知っているという事実を、

クライアント様のご担当者様に、

ご報告するお役目が、

お有りになるんで御座いますんですよ。

ビジネス、

ミッション、

お仕事 です。



現場に、何日も滞在した、ということで、

札幌のすすきのに、寄って、

美味いもん喰って、遊ぼうが、

牧歌的な時代には、

窺い知れないことで御座います、ですよね。

 

 

 

 

「フィルムチェンジ!」と、

次のロールに、撮影はつづきます。

 

初出 17/10/17 03:22 再掲載 一部改訂



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