「歌謡新詩壇」紹介ブログ

歌謡詩の全国同人誌「歌謡新詩壇」の紹介

「歌謡新詩壇」第132号

2013年01月27日 | 歌謡詩
 新しい年も早ひと月が過ぎ去ろうとしています。ここ上州では、今日もまた空っ風がふきあれています。元旦の実業団駅伝をご覧になった方は、それほど強風ではないとお思いかも知れませんが、今年の元旦は比較的穏やかでした。冬将軍がやってくる度に越後から上越の山を越えてくる北風は空を飛ぶ鳥たちまで流してしまいます。今朝は、雪雲が赤城の嶺を越えて私の住む伊勢崎近辺もうっすらと雪化粧に覆われました。寒い日です。
 さて歌謡新詩壇の紹介です。「歌謡新詩壇」132号は、平成17年11月に発行されました。132号からは我らの主宰、三宅先生の作品を紹介します。

      さ む ら い 酒

                       作詩 三宅 立美(主宰)

       四角 四面の 裃(かみしも) 脱げば
       たかがひとりの 酒の虫
        徳利 こっちゃ寄れ 一献(いっこん)参る
        遠慮いらずの さむらい酒で
        腹の 底から 酔うてやる

      登上(とじょう) 太鼓が 櫓で鳴れば
      ござるござるの 忠義立て
       戦さなければ よろこぶおまえ
       こんな時こそ 盃 乾して
       借せておくれよ 膝 枕

      ほざけあいつは 犬ざむらいと
      いざと言う日が 勝負だよ
       天下 大平 大小刀(かたな)が夜泣き
       殿に 捧げた 生命とあらば
       せめて 今夜も 清め酒

 三宅先生は結構お酒好きです。年齢や体調を考えて焼酎が多いようです。そんな酒好きの先生らしい作品です。

 続いては、三宅先生の片腕のお一人、西田さんの作品を紹介します。
      
       
       オ バ ハ ン

                   作詩 西田 ただすけ(特別同人)
       天下御免の オバハン達(たち)が
       肩で風きり 街を行く
        日々の家計費 やり繰りしても
        小遣い勘定 別会計
       自分のお金は 糸目もつけず
       衣装 カラオケ 旅行(たび) 美食(グルメ)

       恋を諦め 恥じらい捨てりゃ
       こわいものなし オバハンに
        人の意見は 右から左
        世界は自分の ためにある
       こんなじゃなかった 乙女の時代
       こんな女に 誰がした

       そんなオバハン 強さの秘密
       それは子供を 生む能力(ちから)
        しょせん男は 女の子供
        逆(さか)さになっても 敵わない
       だけどこの世で
       天敵ひとり
       親の血を引く わが娘

 女性の強さをユーモアたっぷりに書いています。なぜか妙に納得してしまう詩です。かかあ天下は上州の代名詞と思ったのですが、全国共通のようです。女性の皆さん怒らないでください。所詮男は女に勝てないのですから?     

       

「歌謡新詩壇」第131号

2013年01月01日 | 歌謡詩
 新年あけましておめでとうございます。
 本年も「歌謡新詩壇」紹介ブログをよろしくお願いします。


 今年は新年から嬉しいことがありました。今朝郵便受けを覗いたら、「歌謡新詩壇」新春号が届いていました。わくわくしながら(この気持ちは関係者以外は解らないでしょうね?)開封し、お屠蘇をいただきながら頁をめくり同人の皆さんの作品を拝読させていただきました。私の作品は、「特別同人」のランクでは下位のレベルですが、せめて「特別同人」欄に置いていただけるように毎号必死です。「お前はレベルが低いから下のランクに行きなさい。」なんて言われないように縋り付いて書いています。

 さて、「歌謡新詩壇」131号は平成17年8月に発行されました。131号からは、三宅先生のお弟子(もちろん私も三宅先生の弟子のつもりですが)さんで今や三宅先生を支える広島の同人のお一人、永岡紘一さんの作品を紹介します。

       月 の 雨

               作詩 永岡 紘一(特別同人)

       あんなに愛して くれたのに
       大事な大事な 人なのに
        さよならだけが おき土産
        心が乱れて 溢れる涙
       ただ立ち尽くす 私には
       寒く悲しい 月の雨

       二人の夕餉の 窓越しに
       心を温める 月明かり
        あなたの傍で 生きてきた
        ときめき続けて 幸せだった
       あの安らぎは 何処にある
       暗い夜空に 見えぬ月

       群雲(むらくも)広がる 冬の空
       命灯(いのちび)命灯 いつもどる
        一つの夢を 分け合って
        歩いていきたい これから先も
       ああ帰ってよ 今すぐに
       あすが欲しいの 月の雨

 永岡さんも広島での三宅先生の祝賀会でお会いしました。もう私のことなどお忘れかも知れませんが、印象に残る方でした。寺本さんや西田さんとともに三宅先生の編集発行に協力されています。三宅先生も心強く思われているようです。
 作風はこの詩のような女性の心情を歌ったものが多い様に見受けます。平成20年度の日本作詞家協会新人賞を受賞されました。「歌謡新詩壇」の実力者のお一人です。