「歌謡新詩壇」紹介ブログ

歌謡詩の全国同人誌「歌謡新詩壇」の紹介

「歌謡新詩壇」第99号

2011年09月24日 | 歌謡詩
 「歌謡新詩壇」は広島在住の作詞家、三宅立美先生が主宰されている歌謡詩の全国同人誌です。歌謡曲は時代の流れとともに少しずつ変化を重ねて大衆に支持されてきました。現在の若者たちに支持されているポップス系の音楽も歌謡曲が洋楽の影響を受けて変化してきたものとも言えるのではないでしょうか?そんな中で歌謡曲と言われていた音楽は、演歌という何か古くさいネーミングで呼ばれるようになり、明治、大正時代の音楽のようなイメージになっているのは残念な気がします。ただ、若者向けの音楽も内容はといえば横文字を並べたり、繰り返したり、字余りや字足らずを早口で歌ったりしていますが、そんなに大きな違いはなさそうです。

 「歌謡新詩壇」99号は平成12年(西暦2000年)2月に発行されました。三宅先生は100号を記念して「同人」「特別同人」の昇格を検討したいと述べています。
 その99号からは、戸田冨久子さんの作品を紹介します。

            山 吹 哀 歌

                                作詞 戸田 冨久子(特別同人)

        思い焦がれて 待ちわびて
        ひとひら ふたひら  八重になる
         女ごころは 山吹の
         一途な愛と 同じです
         風が吹くたび 揺れるたび
         恋しいあなた 呼んでます

        秋の別れが くる前に
        も一度その手で 抱きしめて
         生命はかない 山吹の
         黄金の愛の しるしです
         山の裾野で ひっそりと
         逢う日を信じ 待ちましょう

        雨に打たれて ふるえても
        あなたに見せたい 花化粧
         罪をひろって 山吹は
         実らぬ愛に 泣いてます
         風の吹きよで ほろり散る
         未練でしょうか 幸せは

 戸田さんの作品は以前紹介したことがあるかも知れません。私も密かにあこがれていた実力者です。以前、三宅先生の祝賀会に参加したときにお会いできずに残念な思いをしました。戸田さんも出席されていたようですので本当に残でした。