「歌謡新詩壇」紹介ブログ

歌謡詩の全国同人誌「歌謡新詩壇」の紹介

「歌謡新詩壇」第134号

2013年05月06日 | 歌謡詩
 5月になりました。ゴールデンウィークも終わりです。そろそろ歌謡新詩壇の最新号の届く頃でしょうか。季節は春と冬が行ったり来たりで、春の温かさのイメージより、上州では爽やかな風を超えた冬なみの北風や遅霜など大変です。
 「歌謡新詩壇」は広島在住の作詞家、三宅立美先生が主宰する歌謡曲の全国同人誌です。その第134号は平成18年3月に発行されました。134号からは、三宅先生を支えるお一人、寺本さんの作品を紹介します。

       恋のだんじり

                        作詩 寺本 ひろみ(特別同人)

        うちわかざして 右ひだり
        いきに舞いとぶ 大工方
        泉州岸和田 だんじり祭り
        はれの舞台や きばりいや
        好きなあの人 屋根にのせ
        惚れたおなごは 綱を引く

        ねじり鉢巻 ちょいと乗せ
        白いパッチに 白いたび
        あんたに見せたい いなせな姿
        髪もきりりと 編み込んだ
        だけど好きやと 言えなくて
        そーりゃそーりゃと 声を出す
        
        かどを一気に 駆けまがる
        これが売りもの やりまわし
        男は度胸や 命を賭けろ
        あんた死ぬとき うちも死ぬ
        恋のだんじり 綱を手に
        惚れたおなごは ひた走る

 おっ!男歌と、思いきややっぱり女性が主人公でした。寺本さんは女歌がお得意です。私など及びもつかない女性心理を巧みな表現で歌い上げます。この詩は男勝りの女性が男性に寄せる女心を歌っています。

 続いては、やはり実力者のお一人岸田さんの作品を紹介します。
       最 上 情 話

                      作詩 岸田 のぶや(特別同人)

        かさね合わせた ふたつの夢と
        くぐる茅葺き 梅の門
        軒の氷柱を 手に折って
        あなた・ ・ ・ これで 死ねますか
        風もしじまの 山裾に
        雪が花舞う 最上川

        人のこの世と 月日の数を
        運命恨んだ 冬三年(みとせ)
        積もる粉雪 黒髪に
        あなた・ ・ ・ そっと 手に払う
        宿の離れ家 石畳
        罪を染めます 山形路
        
        恋にひとすじ ふたりの愛が
        かえた最上の 雪の彩
        いいのひと夜も この命
        あなた・ ・ ・ 強く その腕に
        夢のつづきの 隠れ庵
        声もみだれる 南部染め

 この詩は典型的な女歌です。女性の一途な情念を感じさせる詩です。最上川といえば何年か前に船下りをしました。そのときの船頭の何とも独りよがりな高飛車な態度に不愉快な思いをしました。自分の会社のミスは棚上げにした傲慢な態度にうんざりしたことがあります。しかしそれはそれ最上川には何の罪はありません。こういういい詩が生まれる詩的な川です。
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