「歌謡新詩壇」紹介ブログ

歌謡詩の全国同人誌「歌謡新詩壇」の紹介

「歌謡新詩壇」第55号

2010年08月21日 | 歌謡詩
 「歌謡新詩壇」は広島在住の作詞家、三宅先生が主宰されている歌謡詩の全国同人誌です。「歌謡新詩壇」55号は、平成4年11月に発行されました。この年の8月30日に「歌謡新詩壇」の詩話会が広島市で開催され、特別顧問の故石本美由起先生を始め、前身の「新歌謡界」時代からの同人の皆さん、それに現役の「会員」「同人」の方々、さらには作曲の先生方、中国新聞社やテレビ局の方など80数名の方が出席されたと、詩話会記が掲載されています。
 読む者には、当日の模様が羨ましく私も参加したかったとの想いが、今でもあります。

 その55号からは、詩話会に参加されていた、佐々木俊郎さんの作品を紹介します。

            かくれ残り香

                              作詞 佐々木俊郎(同人)

          侘びしくて 死んで しまいたい
          酒場(おみせ)がえりの 冬の部屋
          片割れ茶碗の お茶漬けに
          思い出させる 男箸

          さよならも 聞けず 捨てられた
          遊び ごころの 薄なさけ
          出会いと 別れの 筋書きも
          見抜けなかった お馬鹿さん

          泣きながら 忘れられないの
          殺したいほど 今も 好き
          畳にポツンと 煙草 痕(あと)
          かくれ残り香 みつめてる
                ………
          畳にポツンと 煙草 痕
          かくれ残り香 みつめてる

 55号の選評は、これまた詩話会に出席された、山北由希夫先生でした。「ふっと気が付いたら、大事なものを無くしていた。そんな女心が伝わってくる。これからも期待できそう。」と評され、同人トップに推薦されています。

 続いては最新号からの作品を紹介します。

結果オーライ人生

                          作詞 西田 ただすけ(特別同人)

       裏町横町 貧乏育ち すぐに社会へ 飛び出した
       いろいろ曲折 あったけど 重ねた失敗 糧にして
       小さな店が もてたのさ 結果オーライ人生や

       貧乏暇なし 空っぽ財布 彼女いたけど 逃げられた
       出会いと別れの 泣き笑い ふられたお陰で このとおり
       恋女房と 結ばれた 結果オーライ人生や

       水もの商売 一寸先は 闇の手さぐり 足さぐり
       幾度も挫折は したけれど ピンチをチャンスと 読み変えて
       家業に励む 日々なのさ 結果オーライ人生や
                       (歌謡新詩壇157号発表)

 うん なるほどと思わず頷いてしまう、そんな作品です。相変わらず西田さんは目の付け所が違います。益々張り切って居るなと、煽られるおもいです。
 10周年の詩話会から、10年以上が経過して、同人の顔ぶれもかなり変わっています。そろそろ広島から、詩話会の話が来るのではないかと密かに心待ちにしています。