原田了栄(隆種)には四人の子がいた。
嫡男は種門、次男は種吉といい肥前の草野家に養子に出されていた。
三男は繁種、この三人は了栄の先妻とのあいだに出生された兄弟である。
四男の親種だけは後妻との子であり、幼くして安芸の毛利元就に預けられていた。
これも存続のための戦国の慣わしで、大内方の強い豪族と結んでおけばという原田家の戦略であった。
戦国時代の糸島(十)で述べた厳島の合戦の時、十四歳であった親種は毛利元就の軍に従軍した。
無論、高祖城原田家からも了栄の軍に従って、種門、繁種兄弟も出陣した。
この三人の若武者は久しぶりに顔を合わせた。
嫡男の種門は温厚で情に厚く、英知にたけた、誰もが認める、将来を約束された方であった。
三男の繁種は豪毅で弓術に優れており、頭脳も優秀で、兄弟仲もよかった。
四男の親種もまた、兄達に劣らぬ優れた若武者であった。
こうして、戦国時代の糸島史を、拙いながらもこのブログ上で紹介していますが、
「怡土・高祖城落城記」―岩森道子著と、「戦国糸島史」―中野正己著に依るところが大きい。
原田家の歴史に惹かれる者にとっては、とてもありがたい本である。
実はいずれの本も原田了栄が登場してから以降に多く紙面をさいている。
私もそうですが、たぶん多くの人が戦国時代といえば、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に
代表されるような権力者側からの歴史をインプットされている。
また歴史とは権力者が編纂していくものでもあるようです。
この二冊の本に出会えて、日本の歴史に載らない一豪族の歴史も中央の(権力者の)歴史とひとつも
変わらないことを教えて頂いた。(その面白さにかけても、その残酷さにかけても)
原田了栄と、その四人の男子のことから書き出したのは、
この後の原田家がたどる運命に大きくかかわっていくからである。
天下の武将とうたわれた了栄と、若い後継者達。
怡土の領民達は将来に希望をたくしたはずであったが、
運命のいたづらか、了栄の跡を継ぐのは肥前の草野家に養子に出された次男の種吉の子「信種」である。
この信種こそ秀吉に高祖城をあけわたす事になる最後の高祖城主となる。
そして、「怡土・高祖城落城記」―岩森道子著―の語り手である輝姫はその娘である。
輝姫が高祖城落城前に志摩町の野北に落ちていくくだりは「もうひとつの悲話―原田の姫―」で
詳しく述べた。岩森道子氏はこの輝姫に託して郷土愛と平和への願いを綴っている。
このくだりから、高祖城落城にいたるまでをなるべく的確になるべく簡潔に紹介したいが
次回までに考えておきます。
私の勤める まごころ葬儀羅漢はこちらです
嫡男は種門、次男は種吉といい肥前の草野家に養子に出されていた。
三男は繁種、この三人は了栄の先妻とのあいだに出生された兄弟である。
四男の親種だけは後妻との子であり、幼くして安芸の毛利元就に預けられていた。
これも存続のための戦国の慣わしで、大内方の強い豪族と結んでおけばという原田家の戦略であった。
戦国時代の糸島(十)で述べた厳島の合戦の時、十四歳であった親種は毛利元就の軍に従軍した。
無論、高祖城原田家からも了栄の軍に従って、種門、繁種兄弟も出陣した。
この三人の若武者は久しぶりに顔を合わせた。
嫡男の種門は温厚で情に厚く、英知にたけた、誰もが認める、将来を約束された方であった。
三男の繁種は豪毅で弓術に優れており、頭脳も優秀で、兄弟仲もよかった。
四男の親種もまた、兄達に劣らぬ優れた若武者であった。
こうして、戦国時代の糸島史を、拙いながらもこのブログ上で紹介していますが、
「怡土・高祖城落城記」―岩森道子著と、「戦国糸島史」―中野正己著に依るところが大きい。
原田家の歴史に惹かれる者にとっては、とてもありがたい本である。
実はいずれの本も原田了栄が登場してから以降に多く紙面をさいている。
私もそうですが、たぶん多くの人が戦国時代といえば、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に
代表されるような権力者側からの歴史をインプットされている。
また歴史とは権力者が編纂していくものでもあるようです。
この二冊の本に出会えて、日本の歴史に載らない一豪族の歴史も中央の(権力者の)歴史とひとつも
変わらないことを教えて頂いた。(その面白さにかけても、その残酷さにかけても)
原田了栄と、その四人の男子のことから書き出したのは、
この後の原田家がたどる運命に大きくかかわっていくからである。
天下の武将とうたわれた了栄と、若い後継者達。
怡土の領民達は将来に希望をたくしたはずであったが、
運命のいたづらか、了栄の跡を継ぐのは肥前の草野家に養子に出された次男の種吉の子「信種」である。
この信種こそ秀吉に高祖城をあけわたす事になる最後の高祖城主となる。
そして、「怡土・高祖城落城記」―岩森道子著―の語り手である輝姫はその娘である。
輝姫が高祖城落城前に志摩町の野北に落ちていくくだりは「もうひとつの悲話―原田の姫―」で
詳しく述べた。岩森道子氏はこの輝姫に託して郷土愛と平和への願いを綴っている。
このくだりから、高祖城落城にいたるまでをなるべく的確になるべく簡潔に紹介したいが
次回までに考えておきます。
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