はぐれそうな天使の備忘録

日々の覚書きですが、山口馬木也さんについて書くことが多いです。

「里見八犬伝」観劇

2012-11-25 | 山口馬木也さん
舞台「里見八犬伝」を観てきました。
お目当てはもちろん山口馬木也さん。

八犬士を若い俳優さん達が演じていることもあって、観客のほとんどが若い女性で
男性は数えるほどしかいなかった。

凄かったです、馬木也さんの殺陣。
今回は太刀だけでなく錫杖を使った殺陣もあって、
「十三人の刺客」の時と違って舞台から離れた座席(1F17列目)で観たけど
迫力がありました。
身のこなしも素早くキレがあって鳥肌立ちまくりでした。
あ~、もっと近くで観たかった!

馬木也さんの殺陣のシーンは計4回もあって嬉しかったんだけど、
旅の僧のいでたちで笠をかぶっていて、表情が見えないことがしばらくあったのが
残念でした。

ネタバレになりますが、敵対していた息子道節にわざと斬られたあと、
持っていた玉をなかなか受け取ろうとしない息子に託そうとする
今際の際の震える手の演技、切なくて泣けました。

で、玉を託すと息を引き取ってしまうけど、玉梓の力によって生き返るところは
ちょっと怖かった(苦笑)。

生き返った後、それまでは錫杖での殺陣だったのが
もう1度道節と対決する時には太刀だったんだけど、
その殺陣もまた凄味がありました。

八犬士の若い俳優さん達の殺陣は正直期待してなかったけど、
千秋楽間近で場数を踏んでる分、それぞれ様になっていて
それぞれ頑張ってるなと思いました。

でもね、太刀の重みが伝わらないんだな、若い俳優さん達の殺陣は。
軽い模造刀を使ってるんだろうから仕方ないといえばそれまでだけど、
本当の太刀は重いわけで、腰を入れるというか体の重心が
下がってる体勢じゃないと、太刀の重みを表現できないと思うんだよね。
軽い身のこなしでひょいひょい相手を斬ってるのを観ると、
ちょっと違うんだよなぁと思っちゃいました。

その点馬木也さんの殺陣は太刀の重みが感じられて、
まるで真剣を使ってる様な力強さがあって凄いんだよね~。

八犬士の中で殺陣が上手いと思ったのは、道節役の加藤和樹さんと、
大角役の市瀬秀和さん。
加藤さんは馬木也さん相手の殺陣に良く付いていったなぁと思います。
市瀬さんは太刀ではなくて長い杖を使った殺陣だったけど、
構えとか重心が低く格好良かったです。
パンフレットのプロフィールを見ると市瀬さんは時代劇俳優志望で
芸能界に入って殺陣の修行もかなりしてるとのことで上手さは納得です。

私的に好感度upしたのは渡部秀さん。
カーテンコールは3回あったんだけど、1回目が終わって舞台袖に下がる時
客席から見えなくなる直前に客席に振り返って一礼する姿を見て、
礼儀正しい子なのね、と思っちゃいました。

原作は読んだことがなく、薬師丸ひろ子版「里見八犬伝」しか知らないので、
設定の違いや、ストーリー展開がなんかしっくり行かないところもあったのと、
八犬士が次々死んでいくのを観るのは芝居とはいえあまりいい気はしなかったので
1度観ればいいかなって気がしたけど、馬木也さんのあの殺陣はもう1度生で観たいです。
もし再演があったら観に行きたい。

「十三人の刺客」のwowow放送同様、DVDだと馬木也さんの生殺陣の迫力は
伝わってこないだろうけど、錫杖&太刀の殺陣が1度に観られるのは
そうそうないと思うので、出たら買うかも。

TV、映画、舞台とも時代劇を作ることは減ってきてると思うけど、
馬木也さんには出来るだけ時代劇に出て欲しいと思ったし、
殺陣のある舞台に出る時は出来るだけ観に行こうと思いました。

TV、映画、舞台、どれでもいいから(出来れば舞台)
馬木也さん主演の時代劇を誰か作ってくださぁい~!!
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