【AFP=時事】米国で20日にユナイテッド航空のボーイング777-200型機のエンジンが飛行中に炎上し、部品がコロラド州デンバー近郊に落下した事故で、主な原因として金属疲労が浮上している。

 事故の前から、米航空当局は同型機および搭載されているプラット・アンド・ホイットニー製のエンジンの点検強化を検討していたと述べた。昨年12月4日に那覇発羽田行きの日本航空のエンジンのファンブレードが破損した事態を受けての動きだったという。

 米連邦航空局は23日、日航機のトラブル後にFAAは「破損の原因を究明し、ブレード検査のあり方を変えるかどうか検討するため」、検査記録とメンテナンス履歴を調べていたと述べた。

 米運輸安全委員会は、デンバーの事故の原因が、昨年12月の日航機や、2018年2月にプラット&ホイットニー製のエンジンを搭載したユナイテッド航空の別の777型機で起きた事態と類似しているかどうかはまだ不明だとしている。2018年2月のトラブル後にFAAは、9000件のファンブレード検査記録を調べ、耐空性改善通報を出して新しい検査規則を定めた。

 NTSBのロバート・サムウォルト委員長は22日、「画像による調査によると、破損状況は金属疲労のそれと一致している」と述べた。デンバーの事故を起こした777-200型機は、第2エンジンのファンブレード2枚が折れており、1枚はサッカー場で見つかり、もう1枚はエンジン内部に残っていると明らかにした。

 またサムウォルト氏は、NTSBはデンバーで事故を起こしたユナイテッド機の検査記録から、「誰がいつ何を知っていたのか、何ができて何をすべきだったのか」を調査すると述べた。

 FAAは、20日のUA328便の事故データを検討し、緊急耐空性改善通報を出す計画だ。

 ボーイングは、プラット&ホイットニー製のエンジンを搭載した777型機、全128機が運航を停止していると発表した。128機のうち運航中だったのは69機だけで、残る59機は保管中だったという。

 ユナイテッド航空が同型機24機を運航停止、日本航空や全日空、アシアナ、大韓航空も停止した。 【翻訳編集】AFPBB News