南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

今朝の日経記事「GPS衛星、日欧相乗り」から思うこと

2016年07月24日 | 時事・歴史
今朝の日経記事「GPS衛星、日欧相乗り」
18年度にも 自動運転、世界視野に
http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS07H2T_T20C16A7MM8000/
のヘッダー部分は以下の通りである。

2016/7/24付日本経済新聞 朝刊
 政府は自動運転技術の開発加速に向け、2018年度にも日本と欧州の衛星測位システムを相互乗り入れする。日本版全地球測位システム(GPS=総合・経済面きょうのことば)「準天頂衛星」と欧州連合(EU)の「ガリレオ」が発する情報信号の言語を共通化する。日本市場向けに開発した自動運転車や関連部品が世界中で使えるようになる。開発や生産のコストを減らし、日本企業の世界展開を後押しする。

以下の図面

の信号形式をみてもわかるように、本来ガリレオとQZSは信号の互換性がL1の一部分しかありません。このままでは相乗りは困難です。

逆にガリレオと中国BDSコンパスⅡとは、信号形式が全くといえるほどそっくりであり、
BDSⅡがガリレオ通信方式方式をそのまま取り入れたのではと言われています。

一方、ドイツが進める製造業の革新、「インダストリー4.0」について、経産省が
日独IoT協定として本年4月にまとめあげました。
http://www.meti.go.jp/press/2016/04/20160428011/20160428011.html

IoTにはGNSS技術が不可避です。中国がBDSで欧州型GNSSにあわせて
ドイツ型の第四次IoT産業革命を中国で起こすことを進めています。
これは衛星の信号方式からしても、技術移転は楽であるといえます。

今世紀はじめ、QZSSについては、どの省庁も逃げ腰・押し付け合いであったのが、中国のドイツ・欧州との本格的なインダストリー4.0におけるIoT連携の動きを見て、この日欧連携記事をリークしたのではと推測します。

今後、QZSS計画は第4次IoT産業革命の主役に衣替えされて姿を現すと予想しますが、本当に本気に人材育成から取り組まないと、20世紀は大いに頑張ってきた人材が高齢化した今、空文に終わる可能性は高いです。理工系学生でさえスマホに宇宙機からの受信アンテナや受信機が入っていることを知っている割合は2割くらいです。大半の学生は地上ネットがつながっていればIoT・ナビはできると思っていますから。

政府は一致団結して、本気でのインダストリー4.0の取組みを切に期待します。
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