古代ギリシア以来、電気と磁気とは、
別々の現象であると考えられていました。
しかし19世紀の初頭に、このふたつの電気と磁気が、
一体のものであり、異なった姿で現れているものである
ということがわかりました。
今では多くの人々がこの事実を知っています。
イギリス、ロンドンの西に
マイケル・ファラデー記念館 en があります。
この建物は、この電気と磁気の深遠な関係を発見した
マイケル・ファラデーを称えたものです。
中では変圧器に関する資料を見ることができます。
しかしマイケル・ファラデーの最大の、そして天才的な貢献は、
彼が、現代の電気の世界そのものの基礎を作ったということにあります。
ファラデーの銅像がある
The Institution of Engineering and Technology (IET:英国工学技術学会)
には、彼の自筆のノートが保管されています。
ファラデー自身によって上品に書かれたノートには、
有名な発見についての言及があります。
「磁気は電気に変換する」
ファラデーが発見したのは、
周囲をコイルで巻いた中で、磁石を回転させると、
電気が発電されることです。
この発電機のシステムは今、全世界の発電所で使われています。
ファラデーは、電気と磁気が
相互に関与しているということを見つけたのです。
しかし、この関係性を数学的に証明したのが、
ジェームズ・クラーク・マクスウェルです。
マクスウェルが明らかにした電磁方程式は、
「ニュートン以来の最大に収穫のあった、深遠な物理学的体験」
と、アインシュタインが後に記述しているものでした。
マクスウェルの電磁方程式とは、
磁束保存の式 … 磁場には源がない。
ファラデー-マクスウェルの式 … 磁場の時間変化があるところには電場が生じる(電磁誘導)。
ガウス-マクスウェルの式 … 電場の源は電荷である。
アンペール-マクスウェル … 電場の時間変化(変位電流という)と電流とで磁場が生じている。
の4つの式からなる方程式系です。
ここでは、ファラデー、カール・フリードリヒ・ガウス、
アンドレ=マリ・アンペールの研究が統合されています。
※ガウスの法則
※アンペールの法則
ここでマックスウェルは、変位電流(へんいでんりゅう)
maxwell displacement current と呼ばれる要素を加え、
という、電磁波の波動方程式を導きます。
マックスウェルは、この定数 C が光速とほとんど一致することから、
光は電磁波なのではないかと考えました。
実際、この計算で定数 C は、
c=3×10の8乗m/s となります。
このようにして、マックスウェルの方程式によって、
電場と磁場の関係、電磁波と光自体との関係も明らかになりました。
ジェームズ・クラーク・マクスウェル(ウキペディア)
ジェームズ・クラーク・マクスウェル(James Clerk Maxwell、1831年6月13日 - 1879年11月5日)はイギリス(スコットランド)の理論物理学者である。姓はマックスウェルと表記されることもある。マイケル・ファラデーによる電磁場理論をもとに、1864年にマクスウェルの方程式を導いて古典電磁気学を確立した。さらに電磁波の存在を理論的に予想しその伝播速度が光の速度と同じであること、および横波であることを示した。これらの業績から電磁気学の最も偉大な学者の一人とされる。また、土星の環や気体分子運動論・熱力学・統計力学などの研究でも知られている。
エーテルを弾性体として電気・磁気の力によって伝播する波の速度を求めたところ、光速度とほぼ一致することが明らかになった。すなわち光は横波であり、かつ電磁気と一体の現象として捉えられることがわかった。これらを整理して渦流を用いずに説明できる電磁場のモデルであるマクスウェルの方程式を導き、1864年に王立学会で発表した。
アルベルト・アインシュタインは1920年代にケンブリッジ大学を訪問した際、自分の業績はアイザック・ニュートンよりもマクスウェルに支えられた所が大きいと述べている。
マクスウェル波動方程式(ウキペディア)
真空の誘電率・透磁率から導かれる定数 c が光速度とほとんど一致することから、マクスウェルは光は電磁波ではないかという予測を行ったのである。その予測は1888年にハインリヒ・ヘルツによって実証される。ヘルツはマクスウェルの方程式の研究に貢献したので、マクスウェルの方程式はマクスウェル-ヘルツの(電磁)方程式と呼ばれることもある。
電磁波(ウキペディア)
電磁波(でんじは)は、空間の電場と磁場の変化によって形成された波(波動)のことである。電界と磁界がお互いの電磁誘導によって交互に相手を発生させあうことで、空間そのものが振動する状態が生まれて、この電磁場の周期的な変動が周囲の空間に横波となって伝播していく、エネルギーの放射現象の一種である。そのため、電磁放射とも呼ばれている。
空間そのものがエネルギーを持って振動する、という現象であるため、波を伝える媒体となる物質(媒質)が何も存在しない真空中でも伝わっていくと考えられている。電磁波の電界と磁界が発生する振動方向はお互いに直角であり、また電磁波の進行方向もこれと直角である。基本的には空間中を直進するが、物質が存在する空間では、吸収・屈折・散乱・回折・干渉・反射などの現象が起こる。また、重力場などの空間の歪みによって進行方向が曲がることが観測されている。
真空中を伝播する電磁波の速度は、観測者がどのような方向に、どのような速度で動きながら測定したとしても、一定の値 299,792,458 m/s(約30万キロメートル毎秒)になることが様々な実験により確かめられており、このため真空中の光速度と呼ばれて、最も重要な物理定数のひとつになっている。
電磁波は、19世紀に明らかにされていた次の4つの物理法則、1.ファラデーの電磁誘導の法則、2.アンペールの法則、3.電場に関するガウスの法則、4.磁場に関するガウスの法則、を統合することによって、1864年にジェームズ・クラーク・マクスウェルにより理論的に予測され、1888年にハインリヒ・ヘルツによる実験で発見されている。電磁波の挙動はマクスウェルの方程式として体系化されており、波動方程式の一般解として必然的に導出される。
補論 9 ε と μ の複合 ――マクスウェルの弁証法
(ヘーゲル弁証法の合理的核心を把握する試み)
電磁気のまとめ(物理の小さい余白)
The Unification of Electricity and Magnetism (8 of 15)
別々の現象であると考えられていました。
しかし19世紀の初頭に、このふたつの電気と磁気が、
一体のものであり、異なった姿で現れているものである
ということがわかりました。
今では多くの人々がこの事実を知っています。
イギリス、ロンドンの西に
マイケル・ファラデー記念館 en があります。
この建物は、この電気と磁気の深遠な関係を発見した
マイケル・ファラデーを称えたものです。
中では変圧器に関する資料を見ることができます。
しかしマイケル・ファラデーの最大の、そして天才的な貢献は、
彼が、現代の電気の世界そのものの基礎を作ったということにあります。
ファラデーの銅像がある
The Institution of Engineering and Technology (IET:英国工学技術学会)
には、彼の自筆のノートが保管されています。
ファラデー自身によって上品に書かれたノートには、
有名な発見についての言及があります。
「磁気は電気に変換する」
ファラデーが発見したのは、
周囲をコイルで巻いた中で、磁石を回転させると、
電気が発電されることです。
この発電機のシステムは今、全世界の発電所で使われています。
ファラデーは、電気と磁気が
相互に関与しているということを見つけたのです。
しかし、この関係性を数学的に証明したのが、
ジェームズ・クラーク・マクスウェルです。
マクスウェルが明らかにした電磁方程式は、
「ニュートン以来の最大に収穫のあった、深遠な物理学的体験」
と、アインシュタインが後に記述しているものでした。
マクスウェルの電磁方程式とは、
磁束保存の式 … 磁場には源がない。
ファラデー-マクスウェルの式 … 磁場の時間変化があるところには電場が生じる(電磁誘導)。
ガウス-マクスウェルの式 … 電場の源は電荷である。
アンペール-マクスウェル … 電場の時間変化(変位電流という)と電流とで磁場が生じている。
の4つの式からなる方程式系です。
ここでは、ファラデー、カール・フリードリヒ・ガウス、
アンドレ=マリ・アンペールの研究が統合されています。
※ガウスの法則
※アンペールの法則
ここでマックスウェルは、変位電流(へんいでんりゅう)
maxwell displacement current と呼ばれる要素を加え、
という、電磁波の波動方程式を導きます。
マックスウェルは、この定数 C が光速とほとんど一致することから、
光は電磁波なのではないかと考えました。
実際、この計算で定数 C は、
c=3×10の8乗m/s となります。
このようにして、マックスウェルの方程式によって、
電場と磁場の関係、電磁波と光自体との関係も明らかになりました。
ジェームズ・クラーク・マクスウェル(ウキペディア)
ジェームズ・クラーク・マクスウェル(James Clerk Maxwell、1831年6月13日 - 1879年11月5日)はイギリス(スコットランド)の理論物理学者である。姓はマックスウェルと表記されることもある。マイケル・ファラデーによる電磁場理論をもとに、1864年にマクスウェルの方程式を導いて古典電磁気学を確立した。さらに電磁波の存在を理論的に予想しその伝播速度が光の速度と同じであること、および横波であることを示した。これらの業績から電磁気学の最も偉大な学者の一人とされる。また、土星の環や気体分子運動論・熱力学・統計力学などの研究でも知られている。
エーテルを弾性体として電気・磁気の力によって伝播する波の速度を求めたところ、光速度とほぼ一致することが明らかになった。すなわち光は横波であり、かつ電磁気と一体の現象として捉えられることがわかった。これらを整理して渦流を用いずに説明できる電磁場のモデルであるマクスウェルの方程式を導き、1864年に王立学会で発表した。
アルベルト・アインシュタインは1920年代にケンブリッジ大学を訪問した際、自分の業績はアイザック・ニュートンよりもマクスウェルに支えられた所が大きいと述べている。
マクスウェル波動方程式(ウキペディア)
真空の誘電率・透磁率から導かれる定数 c が光速度とほとんど一致することから、マクスウェルは光は電磁波ではないかという予測を行ったのである。その予測は1888年にハインリヒ・ヘルツによって実証される。ヘルツはマクスウェルの方程式の研究に貢献したので、マクスウェルの方程式はマクスウェル-ヘルツの(電磁)方程式と呼ばれることもある。
電磁波(ウキペディア)
電磁波(でんじは)は、空間の電場と磁場の変化によって形成された波(波動)のことである。電界と磁界がお互いの電磁誘導によって交互に相手を発生させあうことで、空間そのものが振動する状態が生まれて、この電磁場の周期的な変動が周囲の空間に横波となって伝播していく、エネルギーの放射現象の一種である。そのため、電磁放射とも呼ばれている。
空間そのものがエネルギーを持って振動する、という現象であるため、波を伝える媒体となる物質(媒質)が何も存在しない真空中でも伝わっていくと考えられている。電磁波の電界と磁界が発生する振動方向はお互いに直角であり、また電磁波の進行方向もこれと直角である。基本的には空間中を直進するが、物質が存在する空間では、吸収・屈折・散乱・回折・干渉・反射などの現象が起こる。また、重力場などの空間の歪みによって進行方向が曲がることが観測されている。
真空中を伝播する電磁波の速度は、観測者がどのような方向に、どのような速度で動きながら測定したとしても、一定の値 299,792,458 m/s(約30万キロメートル毎秒)になることが様々な実験により確かめられており、このため真空中の光速度と呼ばれて、最も重要な物理定数のひとつになっている。
電磁波は、19世紀に明らかにされていた次の4つの物理法則、1.ファラデーの電磁誘導の法則、2.アンペールの法則、3.電場に関するガウスの法則、4.磁場に関するガウスの法則、を統合することによって、1864年にジェームズ・クラーク・マクスウェルにより理論的に予測され、1888年にハインリヒ・ヘルツによる実験で発見されている。電磁波の挙動はマクスウェルの方程式として体系化されており、波動方程式の一般解として必然的に導出される。
補論 9 ε と μ の複合 ――マクスウェルの弁証法
(ヘーゲル弁証法の合理的核心を把握する試み)
電磁気のまとめ(物理の小さい余白)
The Unification of Electricity and Magnetism (8 of 15)