日々雑感

と言う名の諸々突っ込み話
(主にアニメ…だったのが最近めっきり政治blog化…)

原爆投下を「戦争の悲惨さ」で語ってはいけない③

2010-10-18 21:05:41 | 政治
(yamaさんの日記からの転載 続きです。①はこちら


また、人種偏見については、そうした意識が最も薄い日本人からしたらなかなかピンとこないのも仕方が無いのかもしれませんが、原爆投下や先の戦争を理解するうえで必要不可欠な知識と思われますので少し補足させていただきます。

「マンハッタン計画」をスタートさせたルーズベルト大統領は、日本人を“劣等人種”として激しく差別していたことで知られています。彼はスミソニアン博物館教授アレス・ハードリショカに「日本人はなぜ邪悪なのか」を内々に研究させその「科学的」な「研究」により、本気で「日本人が邪悪なのは我々(白人)よりも頭蓋骨の発達が2000年遅れているからだ」と信じていました。これはナチス・ドイツが「アーリア人の優越性」を信じこんでいたのに通じるものがありますが、一般のアメリカ人(白人)の間にも、日本人に対する人種差別意識が蔓延していたこととも無縁ではありません。

当時のアメリカの人類学者は「日本人の大脳は欧米人の灰白色より白い。原始的なままで思考力は劣る。」と平然と言っていましたし、当時のアメリカの雑誌にはこう書かれていました。

「アメリカ人はドイツ人を憎むことを学ばなければならないが、日本人に対しては憎しみが自然と湧いてくる。これはかつてインディアンたちと戦ったときと同様に自然なものだ。」

「普通の日本人は知性が低く、無知である。たぶん人間なのだろうが、人間であることを示すような点はどこにもない。」

こうした思考は当然軍内部にも大きく見られた一般的な考えでした。

「ジャップを殺せ!ジャップをもっと殺せ!猿肉をもっと作れ!!」南太平洋軍司令官 ウィリアム・バルゼー

「ジャップスについては地図の上から抹殺されるまで悩まされ続けるであろう」  西部防衛司令部司令官 ジョン・デビット将軍

「諸君らが闘っているのは奇妙な人種である。人間と猿の中間にあると言っていい。文明存続のために我々は最後まで戦いぬかねばならない。日本人を根絶しなければならない!」  トマス・ブレーミー将軍

他にも対ドイツ戦の戦意高揚のためのバッジには、ヒトラーの写真と「指名手配の殺人犯」の文字が書かれていたのに対して、対日本戦のためのバッジには「ジャップ狩猟許可証年中有効無制限」の文字に猿の絵が書かれていました。これは当時「恐るべきヒトラーも黄色いジャップスもいなくなる」とアメリカ一般で言われていた認識が反映されていたものといえます。

白人のドイツ人はヒトラーに騙されているが本当は善良、しかし黄色人種の日本人は一人残らず滅ぼすべき敵である、と。

最近映画にもなった硫黄島の戦い。映画には出てこなかったと思いますが、当時の海兵隊員のヘルメットにはこう書かれていました。

           「ネズミ駆除業者」

また、連合軍兵士の間では戦死した日本兵から金歯、耳、頭皮、頭蓋骨などを収集し戦果の証にするという悪習が行われていました。骨でペンホルダーが作られたり、兵士である息子が切り落とした日本兵の耳の塩漬けを玄関前に釘で止めて、みんなにみてもらいたいという母親も居ました。(実はこうした悪習はフィリピンの独立運動を抑える際にも、そしてその後の朝鮮戦争やベトナム戦争でもアメリカの白人兵の間で見られたものでした。)

こうした話は当時アメリカでは普通に報道されていました。(有名なところで1944年5月号 ライフ誌に掲載された日本兵の頭蓋骨を記念品として贈られ、礼状を書いている少女の写真は有名ですね。)こうしたエピソードは『人種偏見 ─ 太平洋戦争に見る日米摩擦の底流』ジョン・ダワー著(TBSブリタニカ)に詳しいのですが、この著者はこうした野蛮なエピソードをいくつも紹介した上で「もしも歯や耳や頭皮がドイツやイタリアの兵士の死体から収集されそれが英米国内に報道されたならば、騒然たる状況を引き起こしたに違いない」と書いています。

著名な飛行家リンドバーグは戦後ナチスの虐殺跡を見て日記にこう書いています。

「以前にかかる困惑を覚えたのはどこでだったろうか。南太平洋でか。そうとも。ビアク島の洞窟で日本兵の遺体が腐りかけているのを見かけたときだ。爆撃穴に埋まる日本兵の遺体の上から残飯が投げ捨てられ待機室やテントにまだ生新しい日本兵の頭蓋骨が飾り付けてあるのを見かけたときだ。ドイツ人はユダヤ人の扱いで人間性を汚したと主張するアメリカ人が、日本人の扱いで同じような事をしでかしたのである。”奴らは本当に獣以下だ!どいつもこいつも皆殺しにすべきだ”耳に胼胝が出来るほど南太平洋のアメリカ将校から聞かされた台詞だ。」

第二次大戦中、「民族根絶」を考えた国はドイツとアメリカであった、この事実はもっと認識されていいと思います。


また原爆投下を日本に決定したチャーチルとルーズベルトに関してはこんなエピソードが残っています。

英植民地ビルマのウ・ソー首相は欧州に戦火が拡大するさなかの1941年10月、ロンドンにチャーチルを訪ねています。ビルマの独立を約束してくれるならビルマ人兵士を欧州に送ってドイツ軍と戦わせます、と訴えに行ったのですが、チャーチルは彼の要求を撥ね付けた上で、後にこう語っています。

「植民地の有色人種に必要なのは(独立ではなく)鞭だけだ」と。

失意のウ・ソーはその後大西洋を渡って米国のルーズベルトに会いに行きます。ルーズベルトはその3ヶ月前に「大西洋憲章」を発表し、その中で「すべての人々の持つ自分たちの政府を選ぶ権利を尊重する」と謳いあげていました。彼ならビルマ独立を支持してくれるのではないか、と。

しかしウ・ソーの期待は裏切られます。

C・ソーンの「米英にとっての太平洋戦争」(草思社)にはチャーチルの言葉として憲章にある人々とは「私も大統領も念頭にあったのはナチスに占領された東欧国家の主権や国民のこと」(つまり白人)で、有色人種は入っていなかったのだ、と。


こういう主張にはよく「でも当時の日本も、民族差別を公然と国策に掲げるナチス・ドイツの同盟国で、皇国史観により、日本民族の優越性を唱える一種の差別国家だった。」と日本の反日サヨクはお決まりの反論をしてきます。

実はこの点についてあの極東軍事裁判でも検察側から「精神的戦争の準備」としてあらゆる青少年に「民族的優越感」を起こさせるように日本の教育方針が変更された、軍国主義化していったと同じような主張がなされました。

これに関して東京裁判で被告人全員に無罪判決を下したパール博士は、イギリスの歴史学者トインビーの言葉を用いながら興味深い考察をなされています。

パール氏は、自分の人種こそがもっとも優秀だとする「謬見」は全ての国に共通する欠陥だと指摘しながらも、そうした「謬見」といえども、国際社会に人種差別がある限りは「防御武装」であり、国民を劣等感の有害な影響から守るものだとしています。

また西欧諸国が人種差別に基づいている事実に鑑みれば、どんな国の指導者でも、このような感情は自己防衛の方便として必要だと本気で考えるであろう、と。

ちなみにトインビーはその著作の中でこう記しています。


「我々(白人)は彼ら(有色人種)を歩いている樹木ぐらいにしか考えず、たまたま出会った地方に棲息する野獣としか考えていない。実際のところ、われわれ西欧人は彼らをその地方の動植物の一部と見做し、われわれと同様な情熱を持った人間とは見做さない。また彼らを人間以下のものと考え、普通の人間が持つ権利を所有しないもののごとく待遇して差し支えないと感じている。彼らは、彼らが占めている土地の単なる土着のものにすぎない。そしてどんなに永く住んでいても、何らの基本的権利は得られない。西欧人の先駆者が切り倒した森の木々、あるいは彼が射落とした大きな獲物のように、彼らの命は一時的なものであり、もろいものである」


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