おっさんのライフサイズ(classic)

- 過ぎていったこと 選ばなかった道 何もかも、覚めてしまった夢と同じ -  『この世界の片隅に』より

焼香

2007-05-02 22:15:11 | 小ネタ
先日の法事の時に思い出したことがひとつあった。

霊前に向かって正座していると、隣から焼香が回ってくる(回り焼香)。作法は簡単。隣人に会釈して霊前に合掌し、"お香"をつまんで3度(他のしきたりもあるらしい)香炉に入れ、会釈して次の人に回すだけ。誰だってできますよね。
小さい頃、大人と同じ事が出来ることにうれしさを感じるタイプだった。食べられるはずもないのに大盛のごはんを入れたり、話が分かるはずもないのに大人の会話に腕を組んで聞き入っていたり…。ここでは故人を哀悼しなければいけないんだけど、どこかに「大人と同じように焼香をさせてもらえる」みたいなところがあって、どこか優越感もあった。しかし…やってしまうんですね、これが。

会釈をして"お香"をつまむまでは問題なかった。しかし1度目を終え、微妙な"お香"の焼け具合に砂場と同じような興味を持ってしまった(であろう)自分は、2度目は燃えている周囲に小さく円を描いて回し入れ…楽しいんだね、これが。そして3度目。ついに我を忘れてしまった自分は小さい手で"お香"を何度も何度も繰り返して香炉へ入れてしまった。もう器の中に"お香"はほとんど残っていない。そして凄まじい量の煙。
先に終えた隣の親戚の人に頭を叩かれて元の世界に戻り、何事もなかったように会釈して次の人へ。"お香"は自分の列の切れ目で、誰かが苦笑しながら器に継ぎ足していた。今回はその時の自分を思い出してしまって…ニヤニヤしながら焼香してしまった。誰も見ていないと思うけど。

以前、霊前に供えるご飯にどのように箸を差すか?について書いたことがあるけど、みなさんはこういう厳粛なときにこれらの話を思い出してはいけませんよ、ひんしゅくを買うんで。


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2 Comments

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Unknown (ちゃん)
2007-05-04 02:54:02
何度聞いても笑えてきますね



自分が法事の時は足が痺れて思い出す余裕が無いので安心です。
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Unknown (おっさん)
2007-05-06 00:42:12
ちゃんさんのGWはどうですか?

この話をどうやって面白く伝えれるんだろうと思って、書きかけにして置いていたら、ちょうど法事がありました(笑)。
足が痺れそうになった時は適当に足を崩して、この話を思い出してください(笑)。
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