「灯台からの響き」

2023年12月06日 | 本・よもやま話


30年ほど前に、宮本輝さんの作品を何点か読んだけれど、
本の題名も内容も忘却の彼方。
(だから、こうして備忘録を残しておかなければ)
でも、読後感は満たされたものだった記憶があります。




分厚い『神の歴史』という本の間から、
亡き妻宛てに30年前に届いたハガキを見つけた康平。

そこに描かれていたのは、海岸線と灯台のように見える線画。
妻を亡くして途方に暮れている康平は、灯台を巡る旅に出る…。

そんな中で、自分の人生を振り返り、
家族や友人たちとの絆を深めて行く、康平の再生の物語。


繊細で流れるような文章は、読者をいつの間にか物語に引き込んで、
どんどん深みに誘導していく巧みさがあります。

バックスクリーンには、各地の灯台の映像が流れているような・・・


そのハガキに描かれていた灯台は、
私たちが今年6月に訪れた灯台でした。

また宮本輝作品を読んでみたいと思います。
コメント
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